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農村を活性化させる為には?

原発から農発へ② 現代を、そして未来を生きる子孫までもが恩恵を享受できる発電事業

①257441のつづき、
2011年11月号 農文協の主張:原発から農発へリンクより転載します。
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◆農村の小水力発電を支援する企業
 一方、中国5県(広島・岡山・鳥取・島根・山口)には昭和20年代から30年代に94カ所の小水力発電所が建設され、うち54カ所が現在も健在である。これに大きく寄与したのは昭和27年に議員立法で制定された「農山漁村電気導入促進法」だ。この法律により通産省は売電方式による小水力発電の規制を緩和し、農林省は農林漁業金融公庫から建設費の80%を貸し出すことになった。これは元利均等償還25年という優遇措置で、小水力発電の建設資金確保に大きな道を開いた。

 この法律の制定を働きかけたのは、当時の電熱温床による米増産の電源には農業用水路や小河川を利用した小水力発電が最適と考え、中国電力の要職を辞して昭和22年に地域の水力発電を支える「イームル工業」(本社東広島市)を設立した織田史郎(1895~1986)だった。イームル=EAMLの社名は、electric(電気)のE、agriculture(農業)のA、machine(機械)のM、life(生活)のLからなり、「小水力発電で農業を支え、農家の生活を向上させる」という織田の想いが込められている。

 同社は、中国地方の小水力発電所(出力50~500キロワット)の大半(74カ所)を直接受注建設するとともに、電力会社への売電価格交渉の仲介も行なった。

 徹底した現場主義の織田は全国の5万分の1地図1255枚すべてを購入し、各地を歩いて発電可能地点を計算したという。調査対象は、大規模発電所の開発可能性がある大河川を避け、有効落差10~150m以内の出力10~300キロワットの範囲に限定していた。織田は、「小水力の使途は大水力のように大都市や工業地帯の大需要を対象とするものではなく、農村の小需要を地元において供給しようとするものであるから、使用効率が非常に高く、農村の需要電力を大水力に依存している従来の非能率的なやり方と比較にならない利益がある」と語っていたという。

◆地元住民が運営する農協発電所
 1950年から1967年までの18年間にイームル工業が支援し、建設された農山村の小水力発電所は73カ所。そのひとつ島根県奥出雲町(旧仁多町)三沢地区(人口720人・254戸)の出力90キロワットの三沢小水力発電所は、昭和32年(1957年)の稼働開始。建設当初の目的は、地域の産業振興を図り、住民の経済発展に併せて無点灯家屋を解消することにあったが、発電所建設には多額の資金が必要で、当時の村の財政事情では困難だった。そうしたなか、農山漁村電気導入促進法の融資対象が「営利を目的としない農林漁業団体」であったことから、旧三沢村農協が発電所の経営主体となることで着工可能となった。建設費用は1866万円。うち7割は農林漁業金融公庫からの借り入れでまかなったが、残りは地区の農協理事の借入金や、農協組合員からの出資金(1口200円で1万1039口、合計約220万円)が充てられた。

 1957年の発電所の稼働以降、運営のすべては農協役員(1962年合併の仁多町農協)に委ねられてきた。だが、創業以降の売電料の据え置きや運転員の人件費上昇で、1975年には100万円の赤字を出し、経営の合理化が求められることになる。

 そこで82年、旧三沢村の10の自治会代表で構成する「三沢小水力発電運営委員会」が、農協と業務請負契約を締結。以後、運営は地元住民に任されることになった。

 現在は1993年に合併したJA雲南から年間500万円で運営委員会が運営業務を受託。売電収入と請負料の一部を使って、自治会集会所の電気料助成(5万5000円)や、地区の文化活動を行なう福祉振興協議会への助成(25万円)を続けており、その他にも地元の小学校の備品購入などに充てるなど、さまざまな地域振興策の財源となっている。なかでも2002年に発足した農産加工所「味工房みざわ」へは、売電料と委託料の一部から、これまで合計400万円ほどの助成金を出してきた。

 味工房取締役の田部和子さん(68歳)は、「発電所の助成金には助けられています。これまでも圧力釜や麹の発酵機、冷凍ストッカーなど、機器の購入に使わせてもらいました。こうした設備投資ができたおかげで、農家の手取りを増やす農産加工の手伝いができるのです」と語る。

◆原発とは真逆の農発の思想
 こうした九州地方の土地改良区発電所、中国地方の農協発電所の例をみていると、この農家、農村の力による発電、すなわち「農発」は、つくづく原発とは真逆の思想に立つものだと思い知らされる。

 原発の寿命は当初30年で設計されていた。しかし経済性を重視した延命を重ねるうち福島第一原発の事故は起きた。また、事故が起きなくても、すべての原発は廃棄物、使用済み核燃料、廃炉の問題など、ことごとく問題の解決を先送りにして運転されており、たかだか1、2世代の経済的繁栄のツケは、未来永劫子々孫々に回される。

 一方、土地改良区や農協の発電所の多くは、江戸末期から昭和初期にかけての先駆者たちがひたすら地域と子孫の繁栄を願って開削した用水路を生かしたもので、開削に私財を投じた先駆者のなかには困窮して故郷を離れた一族も少なくないという。しかし、その水路を生かした発電事業のおかげで、冒頭で紹介した歌碑のように、現代を、そして未来を生きる子孫が恩恵を享受する。

 原発と農家・農村力発電が真逆であるのはそれだけではない。原発のエネルギー源は地球上の特定地域に偏在する有限かつ希少資源のウランだが、農家・農村力発電のエネルギー源は普遍的に存在する無限かつ希薄資源の「雨」である。「雨は地上に降ると、地形のひだに集まり、せせらぎとなる。小さなせせらぎは沢となり、沢が集まり渓谷となり、渓谷が集まり川となる。単位面積当りのエネルギーが薄い雨粒が、地形と重力によってしだいに集積され、濃いエネルギーとなっていく」(1)。「雨」という希薄資源の「地形と重力による集積」を、人の力が助けるのが農業用水であり、それは農業の本質にもかかわることだ。「『農業とは生きものの力を借りて、再生可能な地球上の希薄資源を集め利用する営みである』、この点が居座りで有限の資源を使っている工業との基本的なちがいなのです」(2)。

(1)小水力利用推進協議会編・オーム社刊『小水力エネルギー読本』

(2)西尾敏彦著・農文協刊「自然の中の人間シリーズ」[農業と人間編](1)『農業は生きている――三つの本質』

つづく、


石敢當

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全寮制の農業学校の可能性☆+゜タキイ研究農場付属専門学校

共同生活、植物(自然、生き物)に接することから自然と身に付ける相手発の回路。最近『五感で学べ』などの紹介本を通じて、全寮制農業学校の可能性が注目されています。リンクより転載紹介します。

(タキイ種苗さんは事業として経営しているようですが、授業料無料とかでどう採算を取っているのだろうか?と少し疑問にも思いました・・・(^^;)

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"農業の東大"といわれる、農業のエリート養成所が滋賀県湖南市にあります。そこは「タネのタキイ」として知られるタキイ種苗が、1974年に設立したタキイ研究農場付属園芸専門学校です。 

 「自衛隊並みにハード」と噂されるほど厳しい学校ですが、就職のときには、農業生産法人などで即戦力として歓迎されます。しかも、農業学校にも関わらず、卒業生たちは一般企業でも重宝されるというのです。どうして同校の生徒たちは、それほど優秀な人材になれるのでしょう?

 同校は18~24歳までの男子限定の全寮制で、入学費・授業料・寮費・食費などはすべて無料。授業は畑での実習と講義の2本立てです。実習は東京ドーム15個分ある広い農場内で行われ、しかも移動はすべて駆け足。さらに実習後には、その日の学習内容をまとめた日誌も提出しなければなりません。

 また、1年次は相部屋。朝7時の起床から夜11時の消灯までのタイムスケジュールは厳格で、TVの私有は禁止。携帯電話の使用も制限されています。外出・外泊には学校への届けが必要で、門限は夜10時。寮内での飲酒はもちろん厳禁。ケンカなどの暴力行為は即刻退学。在学中は帰省時も含めて自転車・バイクの運転は禁止されています。

 そんな学校を取材したジャーナリストの川上康介氏は書籍『五感で学べ』のなかで、「タキイ3倍速の法則」なるものを提言しています。18歳で入学した生徒が2年間学ぶと、卒業する頃には24歳程度に。22歳から2年間学んだ場合には、28歳程度の雰囲気をまとうといったように、他校の生徒らに比べ、同校の生徒は3倍の速さで成長するというものです。

 その秘密は、普通の社会人が1日8時間を会社に捧げるのに対し、この学校では1日24時間すべてを農業に捧げていることにあります。ただ農業の技術だけを学ぶのであったら、そうは成長できないかもしれません。24時間農業漬けになることで、農家として生きていくための心構えや体力、そして規則正しい生活習慣の重要性を学ぶのです。

 「日々の生活や人との接し方にも変化がでてきます。仲間が今何を考えているのか、どういう気持ちなのかを常に考えるようになる。自分のことよりもまず相手のことを考えるようになる。いつの間にかそういうことが自然にできるようになった」と話すのは、生徒の山中景星さん。
 
 農業を本気で学ぶことは決して楽なことではないようですが、その分、人間としてとても重要なことを手にし彼らは卒業していきます。それが、農業の学校にもかかわらず一般企業からも支持される理由ではないでしょうか。

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谷光美紀

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農地をむらから切り離してはならない③

引き続き農文協の「主張」リンクより転載します。
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日本的、農家的構造変革の息吹
 いま日本の農村は、財界などの言い分とは全く異なる次元から、地域の実情に応じた、いわば「下からの構造変革」を進めつつある。それは地域の中に「あきらめる人」を生み出すのではなく、それぞれの家族構成や年齢、労働力条件に応じ、みんなが持ち味、持ち分を生かした“むらの共同”“むらの知恵”としての「構造変革」だ。

 上掲『農地制度』の本の中で大妻女子大学教授の田代洋一氏は、こんにちの農村には農業経営に限らない「多様な担い手」がいて、それが互いに依存し共同しあってむらと経営を守っていると指摘し、次のように述べている。

「グローバル化した時代には『担い手』は『地域農業の担い手』だけにとどまらない。……このように農村の社会的課題が噴出した」時代にあっては、その課題を担う担い手は、「A:『農業経営の担い手』、B:農業経営まるまるは無理だが土日・朝晩なら農機に乗れる『農作業の担い手』、C:農機は危なくなったが水管理・畦草刈りならお手のものという『地域資源管理の担い手』、D:『直売所、地産地消や食育等の担い手』、E:生まれ在所に生き死んでいこうとする者が居てこそ『むら』が守られるという『むら社会の担い手』など、農村社会は住民がそれぞれの『もち味』を活かした『担い手』になることによって初めて定住可能になった。『多様な担い手』論の登場である」。

 田代氏のこの論文は上掲書のなかで「土地利用型農業の担い手像」つまりは規模拡大経営について担当し書いたものだが、このテーマに即してもAの「農業経営の担い手」だけでは自己完結せず、B以下すべての「担い手」との連携・共同があって初めて成り立つものであることを明らかにしている。

 それは、(法人成りを含む)大規模家族経営にあっては農地の集積はひたすら「待ち」の姿勢であり、黙々と借地をていねいに耕し、あの家なら末永く貸すことができるという信頼感を醸成し、貸し手の農家が年齢や家の事情で行き詰まって農地の買い取りを頼まれれば言い値で買い取る。規模拡大しながら同時に地域農家との共存を願う。農地を丸投げされても手間のかかる地域資源管理はできないからだ。自分の経営を守るためにも地域の農家と共存し、むらを守らねばならない。個人の経営であって単に個人のものではない。日本の農業は「むら農業」なのである。そしてこのような規模拡大は政府、財界がよくするように、あらかじめ何ヘクタールと目標設定されるものではない。A~Eの多様な担い手の、そのまたむらごとに異なる多様なあり方の関数なのである。

 集落営農も同様だ。経理を一元化しただけのプレ集落営農から転作作物の受託のみのもの、水・畦畔管理は地権者に再委託するもの、法人経営体として確立したもの、標高差による作業適期のズレを機械の共同利用でこなす中山間地域の集落営農連合など、その形は集落の数ほどある。それは発展段階ではなく、むらあるいは旧村単位などの「多様な担い手」のありかたを反映した類型差なのである。

 こうして「2010年農林業センサスでは5ha以上経営体の農地面積シェアは初めて5割を超えた(00年37%→05年43%→10年51%)。この中には増え続けている集落営農も含まれており、個別経営の規模拡大ばかりではない。いよいよ日本農業はアメリカ型、ヨーロッパ型とは異なる、集落営農という他国に類のない営農主体を含む多様な担い手によるユニークな構造変化に向けて動き出した」。それは「高齢化や過疎化の中で、それに抗するようにして」出てきた「危機と併進する構造変化」であり「新たな挑戦」である(小田切徳美「TPP問題と農業・農山村」前掲『TPP反対の大義』所収)。

 かくして明確なことは日本的、むら的構造変革が「多様な担い手」すべての共同ですすめられていることであり、「特定者に農地集積を誘導・強制する構造政策は、農村を知らない財界や一部政府要人の短絡的思考の産物であり、なんら成果をあげていない」(田代前掲論文)ことを悟るべきだ、ということなのである。

農地をむらから切り離してはならない
 このような日本的、むら的農業構造変革の根底には、農地を守ることとむらを守ることを一体的に把握するものの考え方が歴史的に形成されてきたことがあることを忘れてはならない。

 同じく『地域農業の再生と農地制度』の著者の一人である早稲田大学教授の楜澤能生氏は、「農地を商品一般に解消してしまうと、農地を農地として維持することができない、というのが少なくとも小農制を歴史として持つ社会の」共通認識であり、だから、「農地を…他の商品とはこれを区別し、一般法とは別途その取引を規制する農地法制」が必要で現に実施してきたのだが、それとは別の次元で「農地を農地として維持するのに不可欠の要素としてむらの維持を念頭に置くという発想、農地をむらと一体的なものとして捉え、この観点から農地制度を構想するという着想は、従来必ずしも意識的には追求されてこなかったように思われる」と自らの課題を設定し、主として大正、昭和、今日に至る「むらと農地」の関係を総ざらいした。

 国レベルの立法過程はもとより、全国各地の村や産業組合や各種土地組合などの動向を調べ上げたその結論は、「むらの農地はむらびとの手に、というむらの規範が、農地法制の必要を引き出してきた」ということだった。

「村内耕地ノ村外ニ流出スルヲ防止シ併セテ自作農創定を為サムコトヲ決議」(傍点楜澤氏)した秋田県幡野村を始め多くの実例を挙げ、自作農創設がじつはむらの農地をむらに留め置く施策の一環として位置づけられていたこと、なぜならそれは、むらの土地がむらから流出(所有権が移動)すると、むらの共同性が崩れると観念されていたからであることを、豊富な史料で明らかにしている。

 かくして農地管理は、「農地の権利移動のみを意味するのではなく、地域にとって望ましい農地利用一般の実現を課題とする。農地の作付協定、農作業の効率化、合理化のための利用調整等、多様な内容を地域の状況に応じて、地域の自律的な取組みを前提として実現する」ものであり、「農地流動化の加速、流動化率の向上といった、国が設定した目標達成にのみ還元されるものではない」のである。

「むらと農地」を切り離そうとするTPP推進派の新自由主義的復興論を許さず、地域からの「自律的な取組み」を強めることこそ、復興の基本である。
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以上です。


新聞会

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農地をむらから切り離してはならない②

引き続き農文協の「主張」リンクより転載します。
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お門違いの高齢者農業・農地法犯人説
 財界や菅直人首相が大規模化や強い農業を叫ぶとき決まって持ち出すのが平均年齢65.8歳という日本農業高齢化の実態だ。そして、だからあと10年で農業は成り立たなくなる、だから新しい血、たくましい企業に門戸を開かなければならない、それを妨げている農地法の更なる改正=一般法人への農地所有権解禁が必要だ、それをしないから耕作放棄地がどんどん増える……とくり返す。思いつき総理の名にふさわしい、どんどん飛躍する「論理」である。

 第一に高齢化のために農業は成り立たなくなる、という想定は誤りである。そもそも米農家に後継者がいない訳ではない。だが“米では飯を食っていけない”から兼業に出て、定年になったら年老いた親とバトンタッチして米作りに励む。順繰りの世代交代なのだ。「このようにして、高齢農家が次々と新しく生まれてくる。高齢化の構造とは、このようなものである。今後、高齢化が進み、その結果、農業者が激減する、という想定は、こうした実態を見ようとしない者、あるいは、見ることのできない者が犯しやすい誤りである」(森島賢「TPPと日本農業は両立しない」農文協ブックレット1『TPP反対の大義』2010年)。

 農地法が一般法人への農地所有権を閉ざしているから企業が参入できず耕作放棄地も増えるというのも事の本質をはきちがえた俗論だ。本当に農業をする気なら「別に農地を所有しなくても借地で十分であり、借地なら農業生産法人方式でもいいし、農業法人の要件クリアが煩わしい、あるいは経営支配を確保したいというのなら、現在では株式会社がストレートに借りることもできるようになった」(田代洋一「日本農業のネックは農地法なのか?」農文協ブックレット2『TPPと日本の論点』2011年)。にもかかわらず所有権に拘るのは農業以外の何か別の目的があるのではと疑われても仕方がないと言わざるを得ない。

 耕作放棄地についても、そもそも農外企業が耕作放棄地に進出しないのは採算の見通しが立たないからであって、農地法が関所になっているからではない。

 東京大学准教授の安藤光義氏は、全国農業会議所や農水省の各種調査を踏まえ、耕作放棄地が増える原因は直接には高齢化・労働力不足だが、その背景に米価の下落を始めとする「経営環境の悪化」があり、それが「農地需要の縮小となり、耕作放棄地の増加をもたらしている」と指摘している(安藤光義「農地保有の変容と耕作放棄地・不在地主問題」シリーズ地域の再生第9巻『地域農業の再生と農地制度』2011年、農文協)。

 その上で安藤氏は長野県上田市の「農地なんでも相談会」や福島県相馬市の、子どもを含む市民を巻き込んだ耕作放棄地削減の取り組みを紹介している。そして、「担い手が不在の地域こそ耕作放棄は深刻な問題なのである。そうした地域では構造再編と耕作放棄地解消を結びつけるのではなく、地域活性化を前面に据えた取り組みのほうが有効ではないだろうか」と結んでいる(安藤、同上論文)。

 また右シリーズの続巻である『里山・遊休農地をとらえなおす』(仮題)では日本の里山・草地が生物多様性を維持してきた過程を長い歴史にそってつぶさに振り返りながら、地元農家だけでなく市民と共にそれを維持・再生していく「新しい入会制」=総有を提唱している。農地制度を見直す必要があるとすれば、そんな脈絡でのことだろう。

 以上、日本農業の構造問題の一端だが、このように農業や農村の現実は政府や財界が権利調整したり農地法を更に改正すればすむという単純なものではない。そして、単純ではない現実を熟知しているのは、他ならぬ農家農村だ。
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続く


新聞会

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人が喜んでくれることが活力源

私が働いている農園では、社員が4人→2人に減り、一方で、作物を作る面積は、昨年よりも1.3倍になりました。この状況下で大きな戦力になったのが、農園に来てくれている研修生達でした。

労働力として貢献してくれたはもちろんですが、それ以外にもたくさんのことで、農園に貢献してくれています。

そんな研修生を見ていて、すごいな~と思ったことを紹介します。

■これやったら、楽しそう!!楽しいことをドンドンやりたい!

お米を売るにはどうするか?という話をしているときに、まずは農園や農園がある集落に人が来てもらえるようにしたらいいのでは?という話がでてきました。
そこで彼らは、条件が悪くて作物を作っていない畑に花の種を蒔いて、花畑にしたら、ここを通る人は喜んでくれるんじゃないか?また通ってくれるんじゃないか?と考えてくれました。

また、あるときは、マスコットキャラクターが居た方が類農園のことを覚えてくれる、印象に残るのではないか?と考えてくれて、合鴨のキャラクターを作ってくれました。

さらに、このキャラクターの塗り絵コンテストをやったら、子供たちはよろこんで書いてくれるんじゃないか?と考えて、塗り絵コンテストをやってみると、かなりの数の塗り絵が集まりました。

僕らでは、全く思いつかないような視点で、様々なアイディアを出してくれて、たくさんのお客さんを取り込むことができました。

こういったアイディアの根っこには、「これやったら、みんな喜んでくれそう」とか「面白そう」という想いから始まっているようで、楽しそうに話し合っているのが印象的でした。

自分の仕事観に照らし合わせてみると、自分の場合「やらなきゃいけない」という意識の方が強くって、彼らの仕事の捉え方とは対極にあるのかなと感じました。

彼らの充足発の仕事の捉え方が、農園に新しい風を吹かせてくれています。
彼らから、充足溌の仕事の仕方を学ばせてもらおうと思っています。


関谷啓太郎 

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やる気のある農家へ所得補償を

>税の取り方が重要な課題となるが、税制の基本は、所有税(土地や株式の所有税や相続税)を重くし、次に消費税(売り上げのex3%という形の売上税が望ましい)、そして生産税(所得税や法人税)を軽くすることである。
>これは、何も生産していない単なる所有者の税負担を重くし、生産者の税負担を軽くすることによって、経済の活性化を促そうとする政策である。

2006年農林水産省「農業経営統計調査」によると、日本の農家の総数は285万戸、うち販売農家は196万戸、水田作に限定すると140万戸である。すなわち販売農家の7割は水田作の農家である。

そして、その73%にあたる102万戸が作付け1ha未満の小規模零細農家なのである。さらに、1ha未満の経営主の平均年齢は60代後半に達しており、農業所得は、0.5ha未満の59万戸が-9.9万円/年、~1.0ha未満の43万戸が1.5万円/年と、実に日本の販売農家の半分は、農業所得がゼロないしはマイナスということになる。

現在、政府が支給している戸別所得補償は、1haの農家で7.5万円/年の給付となる。年間この程度の支給額で、この層の水田農業の持続性を高めることができるとはとても考えられない。持続性を高めるために息子や娘の世代の農業関与を促す必要があるが、これもとても効果があるとは思えない。

寧ろ、規模拡大を考えたい農家にとって、これらの小規模農家を継続させることは、借りるべき農地が借りれない状態を意味するから、そういったやる気のある農家のブレーキとして作用しているのではないだろうか。

農協の実体①~農業協同組合の誕生~リンクにもあるように、戦後の農地解放が地主から土地を奪い取り、農家の主体性を失わせ、日本の農業を弱体化させた流れから総括すべき結論は、やる気のある農家をまず支援することを最重要視し、大規模農家を中心にそこに一般農民の働く場を組織化することが、今、日本の農業経営に求められていることではないだろうか。


大嶋洋一

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農業法人の統廃合(M&A)も増えてきている

農業業界においても農業法人への出資や買収(M&A)事例が増えてきているようです。

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■住友商事/鹿児島県の農業生産法人へ出資(トピックス / 2010年11月24日)

住友商事は11月24日、鹿児島県の農業生産法人さかうえが発行する第三者割り当て増資を引き受け、20%の出資を行う合弁契約書を締結した。

さかうえは、鹿児島県で延べ150haの耕地に野菜と飼料用作物の輪作生産を行う大手農業生産法人で、積極的に農地を集積し、作業受託も含めて規模の拡大と機械化・システム化によるコスト削減を行っている。

畜産業から出る堆肥を飼料用作物の生産に使用するなどの循環型農業に取り組み、新たな取り組みによって耕作放棄地の拡大防止や、農業における新しい雇用を創造するなど、自治体からも高い評価を得ている。

住友商事は、さかうえと取引を行ってきたが、「社内に2010年10月1日付で設置されたVIC食料・農業タスクフォースが国内農業での展開について検討を重ねる中、日本の農業を強化しようという思いがさかうえと一致し、今般の出資にいたった」(同社)という。

住友商事は、国内農業分野において、肥料などの食料生産資材の製造・販売事業を持ち、青果・生鮮農産物の広域流通卸事業を営んでいる。

川上の農業生産法人への参画を通じ、より信頼性の高い農産物をより効率良く生産・販売する為のインフラ整備を進め、最適なバリューチェーンの実現を図り、同時に国内農業活性化への積極的な貢献を目指すという。


■ナチュラルアート鈴木誠の「農業維新の戦略」CD リンク
 創業5年半で年商170億・農業再生の請負人

閉塞感の漂う日本の農業にあって、積極的なM&Aで事業を拡大する異色の農業ベンチャー ナチュラルアート。創業わずか5年半で売上170億円突破。破綻した農場の買収や農家との提携によって事業を拡大農作物や畜産物の生産・加工・販売を手掛ける農業版SPA(製造小売り)である。

このままでは「日本の食」は破綻する!食の未来を担う若き旗手ナチュラルアート鈴木誠が農業に事業再生の手法を導入し、直営農場10カ所、全国の農家1000軒を束ね、製造から小売りまで一貫して行う農業版SPAを確立!「食」ビジネスの今と、ビジネスとしての無限の可能性を披露

<ナチュラルアート>
 東京千代田区一番町。この場所に本社を構える株式会社ナチュラルアートの事業内容はなんと、農業ビジネスである。今はやりの高級農畜産物の流通企業などではない。自社で直営農場を持ち、北海道から沖縄まで、1000軒を超える提携農家とともに、青空の下農地畜産物をつくり、そして販売することを主目的とした企業なのだ。同社を立ち上げた鈴木誠氏は、非農家の出身だという。今、食料危機が世界を襲い、日本の食料自給率も40%を切っている。「食料安保を誰もやらないなら、自分がやるしかない」と、まさに徒手空拳で農業の世界に飛び込んだのだ。「正直言いますと、僕は農業生産者と一緒に畑を増やす作業に専念したい。ただ、これから立ち上げようと計画している農業ポータルサイトも、農業再生ファンドも、誰もやってくれないから当社がやらざるを得ないんです」と、鈴木氏は言う。

売上高のうち、40%強を占めるのが青果や畜産などの農業生産。そして40%弱が食品加工。この1~2年、中村醸造元(青森県の醤油メーカー)、みずほ農産、清田産業(食肉製造卸)など破綻した農業関連企業を次々に傘下に収め急成長。自社の直営農場は10ヶ所を超え、提携農家も全国で1000軒を数える。国際競争にさらされる農業。その再興の旗振り役として大注目されている農業ビジネスの新勢力の代表格。

<畑を増やす会社誕生!> リンク

 そんな活動を続けていく中、経営悪化に陥った農業生産者からの再生依頼も増えていきました。

 小規模の農家は苦しくとも自給自足で何とか生活ができるのですが、年商20億円くらいの規模の農業生産法人がけっこう危ないんですね。補助金や制度融資を深く考えることなく活用し、気付いた時には借金が大きくふくらんで経営に行き詰ってしまうという。このことからも、農業業界に経営感覚が欠如していたことをうかがい知ることができます。

 再生依頼を受けた農業生産者にまだまだ事業意欲があり、民事再生か自己破産でマイナス部分を一掃できるなら、当社が事業譲渡を受けるための子会社を設立し、再建に乗り出すケースもあります。当社がそんな支援をすることで、農地や働き手、技術が失われる事態を避けること。これも「畑を増やすこと」だと考えていますから。
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 農業に新規参入あるいは事業拡大していくためには、直接農地を購入して耕作規模を拡大していく方法と、上記のようにすでにある農業法人へ出資あるいは買収していくという方法があるように思います。

 今後は、農地の集約とともに、農業法人の統廃合といった流れも加速するのではないでしょうか?



浅野雅義

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農への期待は今だからこそしっかりと作っておきたい。

今後数年以内に予想される圧倒的な食糧危機が始ると農業は再生どころか必要不可欠なものになる。社会の大きな流れに農業が飲み込まれてしまう危険性もある。
だからこそ今の段階で落着いて農業のよき部分を見つけておきたい。なぜ人間に取って、日本にとって農業が必要なのか、農業は何を与えてきたのか・・・。やはり日本の歴史に学ぶ必要がある。そんな記事を紹介しておきたい。
国際派日本人養成講座の伊勢氏の記事である。リンク
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「瑞穂の国」

 嬉しいことに、こうした農業の真の姿を知る機会は着実に広がりつつある。東京からも近い棚田、大山千枚田(千葉県鴨川市)には景観を楽しんだり、生物観察をしたりするために年間3万人が訪れる。都市住民に田んぼの一部を貸し出す「オーナー制度」も、募集する136区画は常に定員いっぱい。・・・

 和歌山県田辺市。大都会からの交通アクセスは決して良くない。だが、人口約3300人の上秋津地区は全国的に名高いミカンと梅を柱に農業体験や飲食施設、直売所などを整備し、年間6万人を集める名所となった。・・・

「ムスッとしていた子どもが笑顔で帰っていく」。長崎県松浦市で修学旅行生を受け入れる兼業農家、末吉久美(60)は話す。

 周辺には名所があるわけでもないのに、毎年春と秋、全国からの修学旅行生でにぎわう。町おこしの一環で同市が03年度から始めた体験学習に来るのだ。今や3市2町に広がり、受け入れる農家や漁師の家は500軒ほどど。・・・

 欧米では市街地と農地はくっきりと別れているが、我が国では都市の中にも農地が散在するしたりする。「スプロール現象」などと悪口を言わる事もあるが、逆に言えば、都会っ子が農業体験をしたり、都市住民が週末農業をするには、最適な環境である。こういう身近な所で、農業体験ができれば、農業の真の姿を理解できる国民が増えていくだろう。

古代の我が国は「瑞穂の国」とか「秋津島」と自称した。「瑞穂」とは瑞々しい稲穂という意味であり、秋津とはその上を飛ぶトンボである。

自然の恵みに気づき、感謝する所から、農に対する敬愛が生まれ、それが農民の誇りにつながる。ここから我が国の農業の再生が始まるだろう。
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自然の摂理を学ぶ事。どの時代を切っても農業にはその機能がある。


田野健 

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百姓と自然が数百年をかけて、土を作り上げてきた

次は土の話である。
これもなるほどと感銘を受ける部分があった。建設現場でよく土を扱っているが農業の世界での土は全く意味が異なる。まさに命を生み出す母なるものなのだ。
同じく国際派日本人養成講座リンクの伊勢氏の記事から紹介したい。
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>子供たちの教育の中で、農業体験が取り入れられるようになっている。宇根さんの田んぼに田植えにやってきた都会の子どもが、「どうして田んぼには石ころがないの?」と聞いた。
「うーん、そんなことはあたりまえじゃないか」と言いかけて、宇根さんははっとした。

 石ころがなくなったのは、百姓が足にあたるたびに、掘り出して、捨ててきたからである。それも、10年、20年でなくなったわけではない。これが土の本質である。土の中にはたぶん百姓と自然が、土を作り上げてきた数百年の時が蓄積されているのだ。
 初めて田んぼに足を踏み入れた子供たちは、田んぼの土のぬるぬるとした感触に驚く。
この土のぬるぬるとした感じは、数十年数百年かけて、百姓が耕し、石を拾い、有機物を運び込み、水を溜めてつくってきたものだ。

 しかし、百姓だけがつくったのではない。自然からの水が、山や川床からの養分を運び入れ、田んぼの中では藍藻類が空気中の窒素を固定し、稲の根が深く土を耕すから、こんなに豊かな土ができるんだ。

 このぬるぬるは、生きものの命の感触なんだ。だから水を入れて代かきすると、ミジンコや豊年エビやトンボなどが生まれてくるし、いろいろな生きものが集まってくるんだ。

 こうした田んぼで、稲が育つ。だから米は「とれる」「できる」もので、人間が「作る」ものではない。人間が関与できるのは、「土づくり」だけだ。その土も、山や川、藍藻類やオタマジャクシなどの自然と、石を拾ったり、水を引き込んだりする人間との共同作業なのである。

 農業とは自然に働きかけて、自然から「めぐみ」をいただくことである。そして農産物とはそのめぐみのごく一部に過ぎない。

 こう考えると、農業こそは、自然に抱かれ、自然の恵みに養われて生きている人間の本質に根ざした営みである。近代科学技術、近代工業の発展によって、その自然が忘れ去られた事で、こうした農業の真の姿も見えなくなってきたのだろう。
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人間は「土」しか作れない。だからこそ農家の人は土つくりに全てを結集して力を注いでいる。私は農業はやったことがない。
「土」しかという謙虚な思いが農業を営む基本的な姿勢なのかもしれない。


田野健

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三重県が放射能汚染魚を全量買い上げ、全国に販売!


(るいネット事務局注記)
下記記事の「水揚げした魚介類をすべて買い上げ」の部分に関しては、三重県漁業協同組合連合会ホームページにて2011年6月15日付で訂正記事が掲載されています。リンク
(注記終わり)

衝撃のニュースがありました。
三重県が放射能汚染魚を全量買い上げ、全国に販売するということです(@0@)
見えないとことろで、どんどん汚染された食品が出回っていっている様です。

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引用開始

東北の漁業を徹底支援 三重水産協、中古漁船提供など
2011年5月20日 00時12分(中日新聞)

 三重県の漁業関係団体でつくる三重水産協議会は19日、東北地方の漁業復興支援のため、使われていない中古漁船を改修して被災地に寄贈すると発表した。流通関連企業と協力して水揚げした魚介類をすべて買い上げ、被災地の漁業者の収入も確保する。同協議会によると、漁船提供から魚の買い取りまで一括支援する取り組みは全国初という。

 東北地方沿岸部は漁業が盛んだが、大震災の津波で多くの漁船が流され、加工施設や漁港も被害を受けた。特に宮城、岩手両県の漁業は壊滅的という。三重県は、カキ養殖の種ガキを宮城県から仕入れるなど関わりが深いことから、今回の支援を決めた。

 計画では、三重県内の漁船1万4千隻のうち、廃業などで不要になった7千隻の所有者に無償提供を呼び掛け。1隻数十万円をかけてエンジンを載せ替えたり、船体を塗り直したりして数百隻を目標に被災地に届ける。捕った魚介類は賛同する企業が少量でも規格外でもすべて買い上げ、流通ルートにのせるという。

 早ければ数日中にも1~2トン級の小型漁船8隻を宮城県石巻市に届ける。三重水産協議会代表の永富洋一・三重県漁連会長は「1日も早く漁を再開できるよう最大限の支援をしていく」と話した。
東北の漁業を徹底支援 三重水産協、中古漁船提供など

引用終了
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おそらく加工品に使われたりするのだと思います。鮮魚だと産地表示の問題がありますもんね・・・。

こういった問題は、お魚だけではないです。
牛乳も混ぜて販売されています。

こうなったら、自分たちで計測して食品を購入していくしかないのでしょうか?


あおい 

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