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農村を活性化させる為には?

直売所の運営実態について~農産物そのものの販売以外にいろいろやっている!~

(財)都市農山漁村交流活性化機構による2006年の直売所の実態調査で、指摘しているポイントまとめました。リンク


まず、農産物の販売に関しては、
●「品質管理は直売所の命。約7割の組織が独自の商品出荷規約を儲け、違反者には、出荷停止や会員抹消のペナルティも。」
65%が出荷停止処分、36%が会員抹消処分、7%が罰金・課金などのペナルティを設けている。「直売所活動は普段の生活もともにする地域での活動であるため、一定のルールがないとお互い律することも難しい。」とし、「出荷者合意の下、予め明文化した規約を設け、違反者には毅然とそれに則った処遇を行うことで、馴れ合いによる品質低下を抑止するところが増えている」。

農産物販売以外にもいろいろ多角的に運営している!

●約4割が飲食サービスを提供、約3割が加工品などの食品製造も行い、地域食文化の発信点になっている。

●地域での信頼と評判をもとに、約3割の店舗が出張販売や量販店のインショップなどに進出。
直売所は地域の常設店舗の営業のほか、地域内の山間地、過疎地での移動販売や、商店街や観光地での出張販売など。また、直売所が集客効果が明らかになるにつれ、量販店や百貨店のほかにも商業施設、病院、観光保養施設などから要請されているところもある。

●約5割が給食食材も提供している。また、給食プラスαの活動として食育、農業・加工体験、料理実習、店舗での職場実習などの企画を提供できることも直売所の魅力である。

●約3割の店舗が年間売上1億円以上。全国調査による1店舗あたりの年間売上平均も、まもなく1億円に届く。

●約5割の直売所が2006年も売上増加傾向に。直売活動全体の右肩上がりはまだ続く。

●直売所が直面している課題は、「出荷者の高齢化」と「商品の品揃え」。




三池晴与 

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8/12なんでや劇場2 農と塾における業態革命~成功している農家は全て外部参入組である

◆先ほどの5つの事例から導かれるもう1つ重要なポイント

先程の5つの事例から、注目すべきもう1つの重要な視点は、ほとんどの事例が異農家であるということ。全て他業種から農業に参入してきている。そして、それが成功の原動力になっている。要するに、原動力は農村にあるのではなく外部にあり、外部で得た情報や発想で成功に導いている。


◆外部参入の農家だけが成功しているのは、なぜか。

弥生、平安、江戸から現在まで、農民は、つくることしか考えてこなかったのではないか。
それに対して外部参入組は、市場のノウハウを導入してきている。

まずは消費者を直接組織化、要するに販路を握らない限り、生きていけないこと。
さらに農家を組織化できなければ、勝ち抜いていけないこと。
最終的に勝つためには技術開発が不可欠であること。
といったことに気付いているのも、外部参入組の人間である。

要するに、農業はつくるだけではどうしようもなく、販売と組織化を実現しない限り、もはや突破できない。そして、そういう発想を持って外部から参入してきた、ある一群の企業だけが成功を収めている。

これは、農の業態から見れば、全く異質である。つまり、農においても物的生産から類的生産へと業態革命が不可欠な段階に来ていることを表している。もはや従来のつくるだけでは絶対に成立しない時代を迎えている。

この認識転換ができていない限り、農の世界で勝てるはずもない。農の経営において求められるのは、物的生産から類的生産への頭の切り替えである。

(8/12なんでや劇場3に続く)



吉田達乃鯉

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8/12なんでや劇場1 農と塾における業態革命~農の経営は、販路の開拓、農家の組織化、技術開発の3点セットの構造が基本

◆農業経営者の視点(農業経営をする視点)を5つの事例から実現方針にむかってポイントを絞り込む。

『わらび座』:最大の特色は、観客組織力、会員組織力といった消費者の組織化にある。核引力は演劇。演劇を集客源として強固な会員組織をつくり、地元に客を呼び込んで様々なイベントを開催している。

『モクモク手作りファーム』:わらび座と同様、消費者の組織化に特色がある。核引力は主にソーセージづくりなど、豚の加工。豚の加工を集客源として会員組織をつくり、自然体験など、様々な体験事業を開催している。

『和郷園』:販売経路を農協ではなく、直接スーパーや飲食店など、新しい販路の構築をしているのが特色。販路開拓の武器は商品力・技術力にある。注目点は、商品・技術における差別化ができなければ、群を抜いて販路を構築するには至らないという点。

『マイファーム』:貸し農園方式。ただし、巨大な資本にモノを言わせて農地を取得し貸し農園をしているのではなく、資本力が無いので農地そのものを借り賃貸料を払って、その差額で収益を得ている。この事業の注目点は、週末農業など都市における貸し農園需要が増えてきた点、かつ農家にとっては都市住人に貸す方がつくるよりも利益が出る構造にある点。

『グリーンファーム』:この10年、年々増えてきている産直・直売方式の代表格。農協に代わる販路開拓の究極の姿。生産者が消費者と直接結びつこうとするやり方を実現している。ここでの注目点は、販売経路の確保として究極な姿であることが1点と、もう1つ経営上の視点として大きいのは、かなりの規模で直売所の出店が増加し、かつそのほとんどの直売所でほぼ黒字経営を達成できている点。

これら全体を受けて、結局、現代あるいは近未来にかけての農業経営のポイントは何なのか、について狙いを絞り込んでいくと、農家にしても、消費者にしても、組織化そのものが重要だとわかる。
その場合、消費者の組織化と農家の組織化のどちらがより重要かが焦点となる。もちろん、どちらも重要であることは当然であるが、逆にいえば、誰もが考える当たり前の認識にとどまっていては、絶対に勝てないことを意識する必要がある。

そこで、さらにどちらが中心ポイントなのかを見抜いていく。その点では、なんでや劇場でも経済危機の問題や分析を過去10回くらい扱ってきている。そこでは経済原論等々にも遡ってきた。つまり、『需要=供給』という等式においてどちらが重要かは既に扱っている。要するに、供給が重要であるというのが答えである。

つまり、何をするにしても、農については、供給源である農家をどう組織化するか、農家の組織化をどう実現するかが一番の核となっている。このことを踏まえた上で、改めて消費者をどう組織化するかという手順で考えていくことが不可欠となる。

要するに、
まずは販路の開拓、言い換えれば消費者の組織化。
それを実現するためには、農家をどう組織化するかにかかっている。
そして最後に、消費者や農家をうまく組織するためにも、結局は差別化商品、技術開発が不可欠になってくる。
以上から、販路の開拓、農家の組織化、技術開発の3点セットの構造が基本となっている。

ここまでが、ある1面からのまとめであるが、先程の5つの事例から、もう1つ重要な視点がある。
その前に、貸し農園における『つくるより貸す方が利益が出るのはなぜか?』について整理しておく。


◆つくるより貸す方が利益が出るのはなぜか?(貸し農園における採算がとれる理由)

週末農業をやりたいといった需要は、おそらく、自給志向から来ている。そこでの、頭の中にある究極のイメージは、いざとなったら自分で耕して食べていくといった意識と連動している。従って、自給志向は年々益々強くなっていくだろう。これを従来の市場概念で捉え直してみれば、幻想期待そのものである。実際、農地を借りたもののお金だけ払って何も耕していません、といった者も半分位いる。そうであっても、貸している側からすれば、しっかりと安定的に収入が確保できている。

このような人たちの登場は、幻想期待と言えば幻想期待だが、非常に新しい意識潮流発の幻想期待である。つまり、ここまで先行きが見えない状況だからこそ、生まれてくる新しい期待だと云える。現在、このような幻想期待が色んな所に一杯湧き出ている。ただし、期待があるから勝手に需要が生まれるわけではなく、誰かがそれをキャッチして商品という形にして供給するかで、顕在化の度合が決まってくる。

以上から端的に言えば、貸し農園方式が、幻想期待に応える商品だったから利益を出せているということである。

(8/12なんでや劇場2に続く)



吉田達乃鯉

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「和郷園」が目指す農業への新たな取り組み

木内氏が代表理事を務める農事組合法人 和郷園は、20~30代を中心とした若手生産者による農業集団である。「地域特性を活かしたサステナブルな産業をどう作るか。」「マーケットサイドに立った農業の仕組みをどう作るか。」という木内氏の二つの問題意識から、この会社では野菜通販、直売所や冷凍加工センターの設置など様々な新規事業に取り組み、グループ農家の経営を安定させることに成功している。
リンク



---以下引用---


競争力の源泉

農産物そのものの美味しさだ。美味しい農作物をつくるために、同社では、グループ農家で“輪作”(まったく違う性質の作物を組み合わせて同じ農地で交互に栽培する方法)を行っている。農林水産省による「産地化政策」により、地域により生産が推奨される農産物の種類がある程度は決まっている。「産地化政策」は、戦後の食糧増産期には必要であったが、現代社会の多様化した消費者ニーズに応えるには機能しにくいのではないのではないかと木内氏は考える。同じ土地で同様の農産物を作り続けることで、生産される農産物の品質は次第に落ちていくからだ。そこで違う種類の農産物を生産している農家をまとめ、「和郷園ブランド」とすることにより、ブランド内において輪作が可能となる。これによって、農産物が作りやすくなり、消費者にとって、食べて美味しい農産物を生産し続けることが可能となるのだ。


当たり前のことを当たり前に

作物の生育は気候など自然環境の影響を受ける。そこで、注文量に従って商品を供給するために必要な量の2~3割を増やした作付けをして、需要を超えた残りを加工食品にすることで、無駄を無くすというアイデアだ。さらに、地域の他の企業等とともにレストランを併設した「風土村」と呼ばれる直売所を運営している。食材売り場の利用者は9割以上が地元住民であり、地域活性の起点になると共に、高齢化した地元農家にとっても、貴重な販売場所となっている。
また、国内販売にとどまらず、“日本の野菜は高品質で輸出競争力がある”という木内氏の考えに基づき、香港への輸出も行っている。

「生命産業」としての農業ビジネス

広大な水田、畑、山林を使った、体験型の「癒しと学びの空間」の創造だ。
例えば、200区画を市民農園として、都会のサラリーマンがいつでも兼業農家になれる畑として提供する。農業体験をしたい時に連絡を入れ、草刈や収穫などを楽しむことができるというものだ。また、生産された余剰農産物を同社が買い上げる、といった仕組みも検討中だ。
このプロジェクトは、都会で暮らす人々が、小川で釣りを行い、四季折々の花々を見ながら散歩やジョギングをする・・・、そんな暮らしを実現しようというものである。
また、同プロジェクトにおいて芸術家の支援を行うことも考えている。大学などと提携しながら、芸術活動に集中できる生活空間を提供することで、日本の芸術の活性化を目指している。

---引用終了---



坂本大輔

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「生活と生産の場が一つになった共同体を作ろう」と仲間4人で立ち上がった農業集団の事例

今から40年前に、「生活と生産の場が一つになった共同体を作ろう」をテーマに仲間4人でスタートした共同農場集団について紹介します。

『自然酒と自然食品の店 かとう 浜松西』より引用します。

~引用開始~

食品添加物など、食の安全が社会問題になり始めた1972年、「生活と生産の場が一つになった共同体を作ろう」と仲間4人で島根県弥栄村(現浜田市)の中山間地域に入った。

~中略~

艱難辛苦の末、有機栽培の大豆や大麦を使った、安心できる味噌を作り、
これが時代の流れをつかむ。

今、やさか共同農場は、地元の営農組織とも連携し、みそやトマトジュースなどの有機加工食品を生産・販売する。

共同農場では今、35人が働く。

入村時の目標が実現した今、「若い世代が 自分でハンドルを握れるようにするのが自分の仕事」と、後継者育成にも力を注ぐ考えだ。

~引用終わり~

正に自分たちの生きる場を自分たちで作る集団。次の「人材育成」課題を見据え、日々現実の中で闘っている集団だと思います。



K-brace

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農業ってこんなだったか…?凄まじい進化

良く纏まっています。
『農業ってこんなだったか…?凄まじい進化』(NAVERまとめ)リンクより転載します。
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農業ってなんだか地味…そんなイメージを持っていたのですが、最近は若い人でも農家をやりたい!という人が多く、中には脱サラして農業を始める人もいるようです。そして、IT技術をどんどん取り入れており、企業も力を農業のIT化に力を入れています。今後、農業のイメージが払拭されるかもしれませんね。

●いま、農業が熱い

IT技術の導入や、農業に取り組む若者が増えてきているようです。

○クラウド革命が起こっている

出典 農業にもクラウド革命:日経ビジネスオンラインリンク
日立や富士通、NECなどの企業が、農業のIT化に乗り出している!SNSを取り入れて、生産者と消費者を結びつけるなど「顔の見える」サービスが提供されている。

○大学農学部の志願者が過去最高!「農業男子」なる言葉もできた

出典 ニコニコニュースリンク
女性誌などで「農業男子」の特集が組まれて人気に火がつき、農学部の志願者も増えてきているとのこと。

○農業を勝てるビジネスとして始める若者も

出典 大島七々三著 - からだ想いさんシリーズ女子編集部ブログ|総合出版社アスペクトリンク
まったく新しいスタイルの農業も増えてきており、ビジネスとして始めたいと思っている人も多いようです。

●注目されている農業のIT技術

◎インターネット上で畑を管理「Akisai」

富士通が作ったサービス。実現すれば消費者としてのメリットも大きいですね。

○PCだけでなく、スマホやタブレットで、農家や農業指導員と情報を共有できる

出典 富士通が農業支援サービス スマホやタブレットにも対応 - SankeiBiz(サンケイビズ)リンク

○農場の気温や日射量、農作物の画像、作業実績などのデータをクラウド上で管理

出典富士通が農業支援サービス スマホやタブレットにも対応 - SankeiBiz(サンケイビズ)リンク
センサーやカメラを使って、農場の管理ができるとのこと。

○全国で10の農業法人で約3年間の実証実験を行い作り上げた

出典 クラウド・サービス「Akisai」開始|クラウド・コンピューティング|トピックス|Computerworld 
リンクまさに農業法人の人々と一緒に泥にまみれて作り上げたサービス。

◎農業ICTクラウドサービス

NECがネポンと共同して作ったサービスです。

○遠隔からハウス内の状況把握ができるサービス

出典 ネポンとNECが農業ICTクラウドサービスを提供開始(2012年5月9日): プレスリリース | NEC リンク

○収穫時期が的確に判断できる

出典 農業IT化で激突 人材育成の富士通、新型センサーで挑むNEC  :日本経済新聞 リンク
増産につながるだけでなく、作物の品質が高まるとのこと。

○何番の農地にいつ作付けをすればいいか、コンピューターが瞬時に指示

出典 農業IT化で激突 人材育成の富士通、新型センサーで挑むNEC  :日本経済新聞リンク

●最近はこんなサービスも

◎メイド付き農園

「山形ガールズ農場」が行なっている農園。オーナーが畑に行けない期間は、ガールズメンバーが、代わりに野菜のお世話をしてくれるという。
リンク

◎秋田若手農家集団「トラ男」

トラ男とは「トラクター×男前」のこと!イケメン農家が作ったお米を直接購入できるサービスです。

リンク

●農業はこんなに楽しい!若い農業者の声

○自然に自分が左右されちゃうなんて、他の仕事にはないですよね。そこが逆に面白いなと。

出典 「働くイケメン男子Vol.8」 農家・吉岡龍一さん | キャリア | マイナビニュースリンク

○時間に追われるという感覚はほとんどない。やばい、暗くなる前に終わらせな、っていう焦りはあるけど(笑)

出典 百姓はえらい in 鮎河: 農業の良さの検索結果リンク

○「地域に生きること」の価値観に気付いたら、すごく面白い

出典 「働くイケメン男子Vol.8」 農家・吉岡龍一さん | キャリア | マイナビニュースリンク
農業に携わっていると、お年寄りが声をかけてくれて、応援してくれるとのこと。
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猛獣王S

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生産体・経営体として自立している農業者の事例

■生産体・経営体として自立している農業者の事例

●事例1:三重県農家の青木恒男氏
・水稲5haと少量多品目のハウス野菜・花20aを中心に、売上ベースで約1000万円。経費率40~50%。花は農協と直売所、野菜は2~3カ所の直売所へほぼ年間出荷。一人経営。
・はじめからうまくいった訳ではなく、最初のうちは、花の栽培で経費率が83%もかかり収益があがらず。しかし試行錯誤の結果、経費率29%という大幅なコストダウンに成功。所得7倍を実現。
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「100万円かかっていた経費を90万円に下げる」といった、引き算の“コストダウン”という常識は棄て、経営にしろ作物の栽培にしろ、必要なものだけを積み上げていく“ゼロから足し算するコスト”という発想に立つと、驚くほどムダが省けるのです。「作物が商品になるために必要なもの(こと)」を「必要な時に」「必要なだけ与える(行なう)」という「後補充生産」の考え方が重要です。「ほんとうに苗はこんなに必要なのか?」「肥料は必要なのか?」「土を耕すことは必要なのか?」といった、覆せそうにない基本を覆した時ほど効果は大きく現われるのです。
※「一人経営、売上1000万、経費率半分」のヒミツ リンク
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●事例2:トップリバー
・2000年の設立以降、初年度を除きずっと単年度黒字、売上10億円以上。
・正社員は35名、半数が大卒。3年目以上の社員には年俸350万~650万円が支払われるが、農業経営を身につけたあと独立を促される。
・農作業を行なうアルバイト55名は50~70歳の地元住民で、1人当たり年間100万円程度の収入を得る。
・正社員には農家出身者がいない。素人集団から出発した農業生産法人。
・自社生産の他、農家と契約して栽培を委託。管理する農地は契約農家の土地を含め約30万坪。レタスやキャベツ、ホウレンソウなどを生産。
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儲かる「秘訣」の第一は、農協を通じた卸売市場ではなく、一般事業者を取引先にしていることだ。取引先は現在、50社ほどで、個別に契約栽培・販売を行なっている。外食・中食関係が売上の7割を占め、残りはスーパーマーケット、生協などの小売業である。卸売市場を通すと、売値が変動するので収益は安定しないが、契約栽培・販売では価格を事前に取り決めるので、相場に左右されない。納入数量も決まっているので、計画的に栽培でき、事前に生産コストもわかる。
秘訣の第二は、自前の農地をもたないこと。農地はすべて農家から遊休農地を借りている。農業機械も中古を手に入れ、ビニールハウスも農家から譲り受けて再利用している。必要なもの以外はコストをかけない。
秘訣の第三は、生産だけでなく「営業」にも力を入れること。生産が100の力だと仮定すると、営業・販売には200の力を注ぐという。生産技術はある程度のレベルまでいくと向上しにくくなるが、営業と販売は知恵とアイデア次第で他社と差をつけられる。
トップリバーでは現在、5名の営業担当がおり、顧客と生産者の間をつなぐコーディネーター役を担う。
「大半の生産者は営業・販売を農協と市場に頼り切っています。営業と販売を工夫すれば、儲かる農業が実現できるのに関心を向けようとしないのです」

※経営感覚をもった農家を育て「儲かる農業」をめざす異色の農業生産法人 リンク (※2011年の記事)
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●事例3:和郷園
・農業組合法人和郷園(千葉県)、売上一次品20億、加工品30億円。92農家加盟、92農家の平均売上4000~5000万円。契約販売先50社以上(販売先の分散化1社当たり10%以下目標)
・特徴的な経営手法は、農業の協業と企業化。6次産業化(流通、産直、加工、商品化)。ITコントロール(営業成績、適時商品栽培、出荷)
・①販売事業部(営業方針)・・・消費者ニーズ、マーケットイン。和郷園ブランド、オーダー注文(産直)化。おいしい商品(有機栽培、高糖度トマト、新鮮野菜、食べやすい野菜、低農薬)。
②加工事業部・・・カット野菜、冷凍工場。
③環境事業部・・・土壌管理に施肥設定ソフト、JGAPの栽培管理、リサイクル100%(肥料、飼料、軽油等)。
④サービス事業部。⑤フードサービス事業部。
⑥生産事業部・・・標準農場管理、植物工場、減農薬管理。
⑦海外事業部(海外輸出)
・和郷グループ関連企業。
㈱OTENTO・・・東京、全国展開、アンテナショップ、惣菜専門店。㈱風土村(地域のコミュニティサービス・・・道の駅、地域産品の受け入れ)。
らでぃっしゅファーム和郷・・・宅配事業。㈱和・・・体験型農園(教育)、身障者雇用。
アクスリー㈱・・・人材派遣会社。ユニティ・・・惣菜加工、米粉パン、チーズケーキ。㈱郷・・・都市農村交流コミュニティ貸し農園事業。
・多角的に新規事業に挑戦している特異な農業法人。
※儲かる「農業経営」の実施モデル 法人「和郷園」グループ リンク 
※儲かる“農業経営”はこうやる リンク
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千葉県香取市の和郷園グループ、年間約50億円を稼ぎ出す。そのうち本部だけで、野菜販売約20億円、加工が約11億円を占める。
91軒の契約農家を抱え、主要10品目を含む43品目をつくっている。 毎日食卓に並ぶあらゆる野菜を安定的に供給するための「普通の製造業」を目指す。
産地直送を始めたのは18年前。24歳で仲間5人とトラックに野菜を積み、横浜のスーパーや都内の八百屋へでかけた。いまのように産直ショップやネット直販がない時代だけに、鮮度のよさと珍しさも手伝い、大盛況だった。その後、大手生協、スーパーなどに取引先を広げ、5年目には野菜の売上高だけで5億円、10年で10億円を達成した。
生産品目が増えるのに伴って、契約農家が増え、集約化は進んだ。だが、課題はあった。作物の品質が農家ごとに微妙に違っていたのだ。そこで、栽培管理を統一するマニュアルをつくった。質・量ともに要望を完璧にこなせるプロ集団をつくった。この10年間、契約農家を新たに増やさず、1軒ごとの質を高めた。91軒中42軒は、売上高が年率110% で成長し続けている。
「本気でやれば、農業は、地域の人に継続的に仕事を供給できるんです」
和郷園はいま、グループ全体で1500人規模の雇用を生み出しているという。

※農業で稼ぐ売上50億円の秘密 (AERA)リンク (※2009年の記事)
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岩井裕介

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「農業は儲からない」は本当か?

日本の農業経営統計(リンク)を見ると、補助金なしには農業経営が成立していない実態がよくわかる。
農業は市場社会の中で他の産業と同列に扱えない生産行為なので助成金の投入は必要、ただし現在のような補助金頼みの農業経営はなんとかしないといけない。
お上頼みではなく自力で農業の可能性を広げるためにも、また経済破局対策としても、農業が「生産体・経営体として自立」していくことは極めて重要な課題。
実際に農業で利益を上げ、経営を軌道に乗せている農業経営者も存在する。なぜ彼らは利益を出すことができているのか、彼らの視点や取り組みに学び、農業経営の活路を見出だしたい。


■「農業は儲からない」は本当か?

まず気づいたのは、勝っている農業者=生産体・経営体として自立できている農業者に共通するのは、「農業は儲からない」という固定観念にとらわれていないこと。

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●「一人経営、売上1000万、経費率半分」のヒミツ 青木恒男 リンク
「農業は儲からない」を疑ってみよう。「農業は仕事がきついわりに儲からない」という言葉がいつの間にか常識のようになってしまい、「儲からない職業には就けない」ということで後継者がいなくなり、気がつけば地域営農自体が成り立たなくなる寸前。このような農業の現状を打開するのによい方法はあるでしょうか?
「常識」は徹底的に疑ってみる、ということを栽培の基本にして、今後はさらに、自分ひとりでできる専業経営で、「ラクして儲ける農業」を追求していくつもりです。
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●経営感覚をもった農家を育て「儲かる農業」をめざす異色の農業生産法人(トップリバー・社長 嶋崎秀樹)リンク
「農業は儲からない産業。補助金で農家を助けるしかない」という“常識”を真っ向から否定して、「儲かる農業」を標榜し、現実に収益を上げて注目を浴びている企業がある。長野県を拠点とするトップリバーだ。嶋崎社長が走り続けているのは、農業が「儲かる」産業であることを訴え、経営感覚をもった農家を育て、全国に増やしていくためである。「農業」と「儲かる」は相反するテーマではないかと思う人もいるだろうが、嶋崎社長は「普通の企業のように経営を行なえば十分利益が出る」と言う。実際、同社は2000年の設立以降、初年度を除き、ずっと単年度黒字を続け、昨年度の売上は12億円に達した。
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●誇りと夢は、自らつかめ 農業経営者・木内博一(農事組合法人和郷園)リンク 
木内たちの農家グループは、平均年齢30代前半の若い農家の集団だ。それでも、主要メンバーの年間の売上は全国平均の2倍以上、なかには1億円を超えるものもいる。市場を通さない野菜の出荷に加え、さまざまな事業に取り組み、その利益を元手にグループの農家の経営を安定させることに成功した。
新規事業を立ち上げる際に木内たちの考え方の出発点となっているのが、「”常識”を疑う」こと。従来の農家が”常識”としてきたことを見直し、本当にそれは正しいのかと疑い、もっと良い手立てがないかと模索する中から、木内たちはビジネスの種を見つけ出してきた。
木内たちの会社が立ち上げた事業による利益は、グループの農家の経営を安定させるだけではない。その利益を元手に、新しい農法の開発やこれまでにない野菜の栽培実験などにも挑戦。さらに、直営スーパーを都内に展開したり、海外事業に乗り出すなど新規ビジネスも積極的に開拓している。今、木内の最大の仕事は、農家の利益をさらに安定させるために新たな事業の開拓を行うことだ。
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★共通するのは「常識と疑う」ということ、その背後にある「実現の意志」。何事もそうだが、○○できないのはしかたがない(儲からないのはしかたがない、不景気だからしかたがない、今までもそうだからしかたがないetc)といった敗北思考では何も実現しない。まずは「実現する気迫」が大事!ということ。

次投稿で、これらの農業経営の実態と秘訣をもう少し詳しく見てみます。




岩井裕介

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農業という地域産業の活性化事例~モクモク手作りファームに学ぶその5~全員参加型で現場活力喚起型の組織運営

農業の六次産業化の成功事例として注目されるモクモクファーム。
豚肉の加工から始まり加工そのものを体験事業化し、次に地域農家と契約し直売所及びネット通販を起こし、更に農家レストラン、貸し農園事業を進めておられます。
「加工」、「直販」、「体験」という3つのキーワードが農業活性化の秘訣とも思えます。

ただ、もう一つ気になるのが組織としての活性度です。これらの事業を支える組織はどのような形なのかを調べてみました。
以下「モクモクの経営にみる戦略とマーケティングの融合」より引用です。
リンク
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13.組織階層はフラットで組織運営は柔軟
・組織はチーム制によるフラットな組織
・マネージャーが部門の利益責任を負う
・柔軟な会議体
部門会議、リーダー・チーフによる全体会議、全職員参加の研修会、朝礼。その他クラブ方式の各種委員会があり、組織としてのコミュニケーションは良好である

14.全員参加型で現場活力喚起型の組織運営
・モクモクの異動基準
「仕事をしていて楽しいか」、「仕事にあたっては、基本的に自分のやりたいことをやってもらう」という考え方で人事は行なっている
・ 現場における自由度は高く、自律性が高い
社員やアルバイトの区別なく、お客様の満足度を考えて対応する。このため、パートやアルバイトにもモクモクの理念や考え方をよく説明し、それを体現した行動がとれるようにする。迷ったときの判断基準は、「お客様に喜んで帰ってもらえるか」に置いている
・サークル的な感覚を生かした働き方
モクモクでは、組織内に多くのサークル的な組織がある。これが示すように、モクモクの社員は、サークル的な感覚で楽しく仕事に取り組んでいる

15.教育や研修には戦略的に取りくむ
・教育投資として海外研修にも積極的に派遣
  ドイツ、スペイン:ハム・畜産物の加工関係、アメリカ:マーケティングの研修、フランスやイギリス:教育ファーム関係
・部門の研修ではパートと正社員を区別しない
パートでも他地域の視察ができる。1年間休職しての自己研修休暇制度もある。職員の希望者向けには農業体験研修がある。

16.採用のやり方も独自の考え方に基づく
・採用面接
   私服でよい。自分を売り込むパーフォーマンスをやってもらう
・面接担当
   社長や専務に加えて前年採用した新入社員が若手代表として参加
・評価規準
自分の個性を出せる人
モクモクで何をやりたいか明確に示せる人
自分と生活の一体化ができる人
自分のやりたい仕事とやれることが一致する人
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上記から推察するに、
組織は各部門の自主管理に基本置かれている。ただし、全体会議や担当会議などの合議はひんぱんに行われている。
正社員とパートを区別せずに積極的な提案や活動を奨励している。結果、サークルというカタチの自主活動もさかんに行われている。
研修、人材育成に重きを置いている。人事採用においても2年目の新人を起用して若手の意見も積極的に取り上げる風土ができているのだと思われます。
おそらく、こうした全員経営的考え方の対象を広げて、地域そして顧客もNW化するという戦略になっていて、事業のスピードや成果を押し上げる土台としてこの組織体が機能していそうです。



かなめんた

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農業という地域産業の活性化事例~モクモク手作りファームに学ぶその2:現実課題発のコンセプトが根強いファンづくりの基盤に~


『農業という地域産業の活性化事例~モクモク手作りファームに学ぶその1~』に続いて財団法人 都市農山漁村交流活性化機構(リンク)より引用します。
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②地域資源を活かす視点
0.地域への視点

●ここは良いところ?地域の良さを活かそうとしましたか?
⇒この事業における最も重要なポイントは、「ものづくり」が中心に据えられ、それが「しっかりとしていること」が何より重要だと考え取組まれている点である。
その意味で、この地域で生産される豚や小麦や野菜が契約によって仕入れられ、手づくりハムや地ビール、そして農家風食堂のメニューとして利用されている。また、豚の生産においても、豚の品質を上げるため抗生物質の使用制限や、品種・飼料を統一するなどを協議会の方針とした。


1.地域資源の利・活用状況

●地域資源の発掘の手法は?
●地域資源を誰と掘り起こし、磨いたか?
●活かしている地域資源の種類は(もの・人・技術・情報)?
●事業実施の上で、地域資源の何を・どのように利・活用しながら事業展開をおこなってきたか?
●資源を活かす上での、地域の人たちのかかわりは?
●地域資源にどのような価値を見いだしたか?(経済価値・教育価値・美的価値・エネルギー価値・福利厚生価値など)
●価値を交流につないでいるか?それはどの程度か?その推移はどうであったか?(通販含む)

⇒この事業のきっかけは、当時伊賀地方の養豚産業が、輸入の自由化と産地間競争の影響を受け、非常に厳しい状況となっていた。その状況を打開するため、差別化を図って独自性のある豚肉作りが必要と考え取組んだことから始まっている。
すなわち、置かれた状況を打開するための取組みであった。

⇒木村氏は、まず地域を知ることが重要と述べられた。その上で、ブランド化を図るため「ストーリー性」を作り上げることが重要と考え実行(反対に、観光と言う切り口での集客はだめという確信を持って事業を推進)。多くの一次産業は、1.5次産業止まり(商品ではなくレベルの低い加工製品だ)となっているとの認識から、消費者ニーズを取り込んだマーケティングに支えられた品質、味、パッケージなどを調え、ドキュメンタリータッチのストーリー性を備えた商品を世に出すことを基本とした。

そのため、「本物であること」を基本に置き、ハム作りにおいて、機械も本物のドイツ製を導入した。
この考え方の基本にあるのが、①「普通の豚に伊賀豚と名前をつけて流通させる」にはどうすればよいか。
そして、②成功している農業公園事例を調査し、すべて「ものづくりがしっかりしていることが基本」であることを確認し事業を組み立てている。
ストーリーを作り上げるため、例えば実際の成功例として「伊勢の赤どり」が話題となった。これは、木村氏が中心となって伊勢の赤福のおめでたいイメージから「赤」に注目し、フランス産の鶏(レッドブロー)を輸入し育て「伊勢の赤どり」というストーリーづくりに成功させたこともこの事業の背景にある。
すなわち、常に「ストーリーをつくる」、そして「品質は一流」、これが製品と商品の違いであるとの確信を持って全ての事業を推進している。

(中略)

4.地域資源の活かす方策

●地域資源に新たな価値を付与するにあたって、利用した事は?
●例えば、積極的なIT利活用や、地域の小学校での出前事業など新たな価値を作り出す上で、工夫をしたことは何?
⇒当初苦労した手づくりハムの販売において、工場の見学会や手づくりウインナ体験を地元幼稚園のPTAの人たちを対象にして実施したことから話題となり、事業が軌道に乗った。すなわち、消費者ニーズを直接把握する仕組みを積極的に活用し、ファンづくりに成功したことが事業を成功に導いた大きな要因である。
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モクモクファームに行ったお客さんの感想を見ると「加工品はちょっと値段が高いけれど、それに見合った美味しさがある」というものをよく目にします。
またモクモクファームの様々な取り組み内容を見ても、いわゆるテーマパーク型の農園とは違ったものを感じていました。
それは上記の通り「観光という切り口ではもはやダメである」「本物をつくること」というコンセプト段階から一線を画していることがわかりました。

それらも全ては現実課題(安い外国産豚肉や他地域産に対抗するにはどうする?)を突破する為の方針がコンセプトとなっているということが大きそうです。
だからこそ、現在のように事業規模が拡大してもその軸がブレずに、常に高い品質を保っていられるし、それらが根強いファンづくりの基盤になっているのでしょう。



千葉敏昭

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