FC2ブログ

農村を活性化させる為には?

多種多様な生物層の共生が、大地の力、土壌の力を生み出す。

近代農業では、土地を耕し、除草剤・殺虫剤・殺菌剤をまき、結果として不足する養分を補う為に肥料をまく。
このような近代農業は詰まるところ、高い技術力を要せず、効率的かつ大量に、そして同一規格の作物を生産するために「開発」されてきたと言え、近代農業とはすなわち市場原理が生み出した近代市場農法・農業と言えるだろう。

自然の摂理に則って考えれば、この近代農業が異常な生産方法であることは明白である。

自然状態では、土地を耕さなくても、肥料をまかなくても、非常に豊かな森が育っている。292655、292713、292775と「雑草」と「農業」についての追求を行ってきたが、これら雑草類は土中微生物の栄養源となり、微生物と共生しながら豊かな土壌を生み出している。このようにして育まれた微生物群が、豊かな森を育んでいるのである。

もちろん、自然の大地の力、土壌の力を生み出しているのは、これら雑草や微生物だけではない。昆虫類やセンチュウ類など、多種多様な生物層の共生が、大地の力、土壌の力を生み出している。

市場原理による近代農業を超えた、新しい農業を考える上では、この自然の摂理の事実構造を掴む必要があると思われる。

以下の「日本土壌協会」による「有機栽培を理解するための基礎知識」では、自然の土壌が育む豊かな生物層について詳細な分析・追求がなされており、非常に参考になる為、紹介しておきたい。

以下、リンク
********************************************************************
1.有機栽培と慣行栽培の違い
自然生態系において土壌生成の原動力であり、主体となっているのは、植物や土壌生物である。これら生物量の豊否が土壌の化学的・物理的機能の発現量に大きく関わっていることは、土壌学、生態学、生物学、地球科学等の各学問分野における広範な研究によって、明らかにされてきている。

従って、地上部と地下部の生物量を高めることにより、ある一定レベルまで土壌の「植物生産機能」を高めることが可能である。
しかし、農業という経済活動においては効率性、作業性が重視されることから、単位面積当たりの収穫量を短期間に増加させ、大きさや外観品質、食味を向上させるための栽培技術が発達し、育種もそれを前提に行われてきた。
すなわち、養分が不足すれば化学肥料を与え、土壌が固くなれば耕起を行い、病害虫が発生すれば殺虫剤や殺菌剤を散布し、雑草が養分や日光を競合すれば除草剤を散布するという技術である。これらは「速効性が高く」、栽培上の 「問題点をピンポイントで解決」でき、さらに農家にとって特に「高い技術は必要としない」 ため、すぐに普及拡大し、近代的な栽培技術として次々に採用されてきた。 これにより20世紀後半から、作物を高収量で安定的に生産できるようになってきた。

このため、現在のほとんどの農家には、土壌の機能が「土壌養水分を蓄える培地」か「植物を支える支持体」程度にしか認識されていないのではないかとさえ危惧されるほど、「本来の土づくり」がおろそかにされているように見られる。各都道府県の土壌改良目標においても、土壌の化学性、物理性に重きが置かれ、土壌生物に端を発する土壌機能についての指標は僅少である。

一方、有機農業は、「土壌が本来有する機能を発現させる」ことが基本となっており、慣行栽培に取り入れられてきた上記技術は基本的に行えない。そのため、有機栽培農家は「緩効的あるいは遅効的」であり、「総合的に問題点を解決」し、「農家の技量や知識に依存する」農業技術の修得が必要となってくる。

従って、慣行栽培に慣れ親しんできた農家が有機栽培を行うに当たっては、 初めて直面することが多く、迷いが多いことは容易に推測される。
そのため、有機農業を理解するにはまず、耕地生態系や土壌機能の複雑な関わり合いについての知識を学び、理解することが肝要である。

現在、有機栽培を実践している農家は、栽培を通して土壌の変化、作物の反応 (生育、 収量、 品質、 病害虫など) 等を観察 ・ 記録し、その土地に最も適した有機栽培体系を模索しながら構築してきている。また新しい有機農業技術の導入を試行錯誤しながら取り入れて適用性について検討を行っている。

現在の有機農業技術レベルは、化学肥料や化学合成農薬を施用しなかった昭和初期の栽培方法に戻っているわけではなく、分子生物学、生化学、物理学、植物学、動物学、昆虫学、微生物学、 土壌学、 作物学、 園芸学、 生態学などの各学問分野において、分子、組織、個体、個体群、生態系の各レベルで長年研究が行われ、「自然の本質」を追求することによって得られた研究成果によって、有機農業技術のメカニズム、適応性や有効性の範囲が明確になりつつある。

以下本項では、 有機農業の可能性について理解を深めることを目的として、有機農業技術の基礎をなす自然生態系機能のうち、主として有機栽培
の土壌管理技術を支える研究情報を中心に紹介する。

2.土壌動物の機能
土壌中には種々の生物が存在しており、大きく土壌動物と土壌微生物に分かれる。土壌動物のバイオマスは、土壌微生物より少ないが、 土壌の物理性の向上と維持という面では、なくてはならない存在である。
金子(2007)は、既存の土壌動物生態研究を引用し、自然土壌、いわゆる 「発達した土壌」は、生物によって作り出される様々な機能的な場(Domain) を構成していることを説明している。

①デトリタス圏
 (落葉層で細菌やカビによる有機物が進行する。土壌動物の餌となる)
②根圏
 (根から糖類やアミノ酸などの形で微生物に利用しやすい炭素、窒素源
  が供給され、微生物が増加する。 また根や根に共生する菌根菌が
  土壌から水分と栄養塩類を植物に運ぶ。)
③土壌孔隙圏
 (土壌の隙間は土壌生物のすみかとして重要な意味を持つ。)
④団粒圏
 (保水と排水の両方の機能を持つ。)
⑤ミミズ生活圏
 (土壌に穴をあけるだけでなく、様々な作用を引き起こし、土壌を改変
  する。)
⑥シロアリ圏
 (集団で巣を作り、土壌に孔隙をあけ、多量の有機物を移動させる。
  巣の周辺では栄養塩類の集積が起こったり、 他の土壌動物の生息
  が変化したりする。)
⑦アリ圏 (同上)

このように土壌を巨視的から微視的まで階層的に見ると、 多種多様な生物が、それぞれの生活空間を確保し、 物質循環と複雑な生物相互作用を行っていることが分かる。 金子(2007)は、 土壌が土壌として存在 ・ 維持されるには土壌生物の働きが必須であり、 土壌動物の機能は特に重要であると述べている。

このような多種多様で豊富な土壌動物を増加させるためにはどうしたらよいかであるが、中村(2005)は、不耕起、無農薬、前作残渣被覆、雑草刈取り放置でダイズとオオムギを9年間栽培し、土壌中の大型動物の数と種類を詳細に追跡している。

その結果、不耕起無農薬栽培区のヒメミミズとササラダニの種数と個体数は、実験開始 1 年目から慣行栽培区に比べて高く、その後も経過年とともに増加する傾向が見られた。ミミズの数は4年目から増加し、9年目には1m2 当たり200個体以上になっていた。

農耕地土壌にミミズ(大型ミミズ)が出現すると、その他のヒメミミズ、トビムシ、ササラダニ及び他のダニの個体数を増加させる。これはミミズが土壌中に作るミミズ孔が重要な役割を果たしているとされている。ミミズ孔の壁にはつやつやした層 (厚さ1~2mm) が形成される。
この層にはミミズの粘液がしみ込んでおり、微生物が繁殖し、微生物食性のトビムシやセンチュウが多く、中村(2005)は、ミミズ孔が土壌生物の世界を創っていると説明している。

有機物とともにミミズを入れて作物を栽培すると、ミミズ無投入区に比べて収量が高くなる(中村2005)。これはミミズ孔による巨大な通気孔や透水孔を形成すると共に、ミミズ糞が団粒構造を発達させるなど、土壌物理性を向上させたことに加えて、土壌養分供給能力を向上させる化学的効果があることも認められている。

土に稲わらを表面施用と鋤込み施用を行い、 それぞれにヒトツモンミミズを入れたところ、ミミズを入れた処理区で土壌中の無機態窒素量が増加していた。 またミミズを投入した場合であっても、稲わらを土壌中に鋤込むよりも被覆した方が、効果が高く現れていた。
これは、ミミズを介した有機物分解は、ミミズの生態特性によるものが大きく、自然状態と同様に粗大有機物は土壌表面に施用した方が、効率が高いためと考えられる。

ミミズは地表の有機物を孔の中に引き込み、摂食、消化し、廃棄物により低分子化された窒素化合物が土壌中に放出している。すなわち果樹及び茶の有機栽培において、施用した有機物の肥効を高めるためには、土壌動物のすみかと餌となる植物残渣を土壌表面に施用し、さらにその地域に生息するミミズを積極的に投入することが一つの肥培管理技術として有用と考えられる。

ミミズはいわゆるデトリタス連鎖の中では、 有機物分解の最初の段階に位置する動物であるため、ミミズの積極投入により、たとえ C/N 比が高く、分解性の低い有機物であっても比較的早期に無機化を促進させることが可能である。

土壌動物の中でセンチュウ類は、ネコブセンチュウ、ネグサレセンチュウ、 シストセンチュウなどの植物寄生性のものが作物に加害するので、悪いイメージを持たれている。 しかし、センチュウの種類は、調べられているだけで2万種に上り、 その生態や生活環も多種多様であるが、その実態について多くは知られていない。
岡田 (2002)は、センチュウを食性から5つに分けている。

このように作物に加害するのは植物食性のみであり、自然土壌では、雑食性、細菌食性、糸状菌食性センチュウが90%以上を占めるとされている。
また肉食性、雑食性、細菌食性、糸状菌食性のセンチュウは、土壌中の有機物分解に大きな役割を果たしている。さらに病原糸状菌を食べるセンチュウも存在している。細菌食性と糸状菌食性センチュウは、窒素の無機化に大きく貢献していることが分かっており、種々の C/N 比をもつ有機物を施用し、センチュウを投入すると無機態窒素濃度が高くなり、しかも C/N 比が高くなっても、 窒素無機化速度があまり低下しないので、 ミミズ同様、土壌肥沃度の向上に貢献していると言える。

岩切(1986)は、花崗岩、三紀層、玄武岩の母材の異なる3地点のミカン園において、 除草剤(ブロマシルとパラコート)を連用している園と除草剤無使用園のセンチュウを調査している。その結果、 全ての除草剤連用園では、植物寄生性センチュウの割合が高く、中でもミカンネセンチュウが圧倒的に優先していた。
一方、 除草剤無使用園では、植物寄生性センチュウの割合は3地点の全てにおいて減少しており、その代わりに植物に無害で土壌生成や養分循環に寄与する自活性センチュウ (雑食性、細菌食性及び糸状菌食性)と捕食性センチュウの割合が増加していた。
またセンチュウの多様性指数が高いほど、植物寄生性センチュウの割合が低下していた 。

このことから、除草剤を使用せず、ミカン園を雑草草生管理することが、 土壌中の生態系を量、質ともに豊かにし、センチュウの多様性を高めたために、植物寄生性センチュウ割合が減少したものと考えられる。
土壌中には肉食性センチュウだけでなく、原生動物、ミミズ、クマムシ、ダニ、甲虫等多種多様な動物が生息しており、これらの一部はセンチュウを捕食して生活している。
センチュウは土壌中の個体数が多いことから、多くの土壌動物の餌ともなっており、有機栽培の果樹園における土壌養分動態に対する影響も大きい。

土壌動物の中で、トビムシは中型乾性動物類の中で、サララダニと共に密度が高いため、「土のプランクトン」 と言われており、様々な動物の餌となっている。 一方、トビムシは病原性糸状菌を摂食することにより、 病害を抑制する機能を有している。 中村 (2005) によれば、 寒天培地上に病原糸状菌を繁殖させ、トビムシをその容器に入れると、表面の菌糸を移動しながら摂食し、その行動様式はトビムシの種類や病原糸状菌の種類によって異なったという。
例えばアイイロハゴロモトビムシは、白紋羽病菌を培地表面がツルツルになるほどに食べるが、培地は食べなかった。ヒダカホルソムトビムシでは、菌糸を食べ終わった後に、菌糸の増殖により変色した培地を食べた。土壌中において、菌で育ったトビムシは根の周囲を徘徊し、菌糸を食べるが根は食べない。 これを応用してトビムシ移入実験をしたところ、キュウリつる割れ病(開花まで)、ダイコン萎黄病(発芽から3週)、キャベツ苗立枯病 (発芽から 3 週)、アズキ白紋羽病(発芽から3週)の感染抑制が確認されている(中村 2005)。

(引用終わり)



西谷文宏

にほんブログ村 企業ブログ 農業へ
スポンサーサイト



直売所の歴史と今後の展望②

リンク

私は直売所を流通形態の一つとして見るのは間違いだと思う。その原始的直売所が地域の老人に生きがいを持たせる起爆剤になったように、直売所は常に地域との関係性抜きに存在しないし、してはならない。
地域との関係性の一つとして、直売所は地域の農産物生産構造を変える力を持っている。これまでの農協の産地づくりは単品大量生産の団地づくりを目指していたが、直売所ではこの価値観は通用しない。既に全国の直売所では実施しているところもあるが、直売所を核にした多品種少量生産に地域の生産システムを転換するのである。この転換は単に直売所向けの商品づくりを目的としていないことに注目しなければならない。現在の単品大量生産の産地づくりは、連作を強いるので農地が痩せ、その対策として化学合成の農薬や肥料を大量に使用しなければならない。更に単品産地として一定量を市場に出荷しないと商品の産地ブランド力が低下して農家収入が落ちるので、大型産地はこのジレンマから脱却できない。多品種少量生産に転換すれば、手間暇はかかるが、連作障害は無くなり、天候による被害も品目を変えた作付け変更により対処でき、地域の環境負荷低減に貢献できる。

このように直売所とは地域の農産物を販売するところではなく、名前も「直買所」として地域の環境を皆で買うところ「地域環境直買所」としたらどうかと思っている。そこに集まる人は消費者ではなく、地域の環境の持続的発展を願う人たちなのだ。

中山間地の耕作放棄地の多い地域では棚田米による差別化販売だけでなく、田んぼの生きもの調査に基づく「田んぼの健康診断」を実施することを薦めている。それは棚田米を高く買うことによって耕作放棄地を解消する方策と合わせ、地域の国土である棚田を維持管理する費用を直接支払いする「民間型の環境直接支払い」という寄附行為を直売所で展開する方策も合わせて実施すれば、幅広い支援が受けられるようになるからだ。
田んぼの健康診断とは、田んぼの生きものを環境負荷との関係でABC分類し、田んぼの健康状態を計る仕組みで今年から実施している。従来は「食の安全」という視点だけで田んぼを見ていた消費者が、「国土の健康度」という視点で田んぼを見るので、その時点で消費者から国民に転換している。この視点の転換ができれば「環境直接支払い」という税金の使い方が自分たちの住んでいる国土の保全につながることが分かり、その国土の管理者としての農家に管理料を支払うことに誰もが納得する。これは田んぼを起点とした地域の国土健康度調査であり、水田だけでなく、畑や森林や鎮守の森等の地域全体で行えば、地域全体の健康度が計れる。
直売所はこのような健康診断に基づいた地域の国土健康情報を発信し、その健康診断に参加できるような情報を提供することが大切である。

直売所は従来の流通の一つの形態ではないので、商品経済のマーケティング理論で経営をしてはいけない。道の駅の本来の目的である地域振興に貢献する拠点としての活動を展開しなければならない。
それは地域経済の発展を優先課題にするのではなく、地域の国土環境を維持発展させなければならない責任がある。国土環境のなかには民地である農地も当然含まれ、そこを起点として国土全体の健康保全を図ることこそ道の駅の存在理由であると思う。
 



TA

にほんブログ村 企業ブログ 農業へ

腐る野菜は自然の摂理に反している。野菜は、枯れる・発酵するもの。

野菜を買って数日置いておくと、冷蔵庫の中で腐っていく、このような光景は良く見ます。しかし、野菜は本来枯れる・発酵するものです。草木からつくられる肥料も、本来の自然では温度維持が重要で、栄養分はほとんど無い。
一箇所に、腐敗物を大量に含んだ肥料が、逆に野菜の力を下げてしまっているそう。私たちの常識を変えていく必要がありそうです。

※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※

ナチュラルハーモニー「野菜は腐るもの?それとも枯れるもの?」リンク参照

枯れる野菜と腐る野菜の分かれ目とは!?
野菜が腐る大きな原因のひとつは、肥料にあり
野山の草木が腐っていくことはありません。植物は本来枯れるものなのです。

冷蔵庫の中で野菜が「腐る」という経験は誰もがお持ちだと思います。「あ~腐っちゃった……」なんて、仕様がないことのように思ってはいませんか?でもこれって、よくよく考えればおかしなことですよね?あなたは、山や野原がドロドロと溶けている姿を見たことがあるでしょうか?植物が「腐る」ということは自然界ではありえない現象なのです。

植物である以上は「枯れていく」、これが本来の姿です。自然の植物は「枯れる」のに、買ってきた野菜はなぜ「腐る」のか?自然の摂理に背いた結果ではないだろうか?そんな違和感を覚えます。

その原因を辿ってみると……、「肥料を入れる」こと、つまり有機・化学を問わず、肥料に問題がある場合が多いのです。作物を育てるのに肥料を入れる、誰もが当たり前にしている常識ですよね。学校でもそのように教えているのですから。

しかしこの常識にとらわれず、身の周りの野や山に目を移してみると、自然界と相反していることに気付きます。
野や山のどこにも、肥料は使われていないのです。野山でも糞尿は確かに土に入りますが、特定の一ヶ所だけに集中して、大量に入ることはないのです。単位面積あたりの量が野山の自然界と有機肥料・化学肥料を使う田畑とは比較にならないのです。


「落ち葉が肥料ではないか!」、そんな声も聞こえてきそうです。でも肥料というよりは、「自然の循環」といった方が無理のないように思います。落ち葉そのものには肥料になるような成分はほとんど含まれていません。これは肥料ではなく、土の保湿・保温、もしくは新たな土を作るためのものと言えそうです。

自然界の植物たちは、肥料を施されなくても、栄養失調にもならずに、逞しい姿を見せていることに改めて気付かされます。岩場の松の木も、山の樹も、野の草花も、チッソ・リン酸・カリを補わなくても、育っている。つまりチッソ・リン・カリ以外の何かによって、自然界のなんらかの仕組みによって育っているということが考えられるのです。


「腐る」と「枯れる」の違いは、肥料で育てた野菜か?土や自然界の仕組みが育てた野菜か?この違いになるのです。つまり、栄養過多で、本来の力を出せずに、健康を崩した野菜か?たくましく、土や作物の本能が引き出されて育った野菜か?ということになります。

腐る野菜・枯れる野菜について行った実験があります。「肥料を入れた野菜」と「肥料を入れない野菜」をそれぞれビンに詰めフタをします。あくまで確率の問題ですが、時間の経過とともに、肥料を入れた方の野菜は腐る確率が高くなります。作物の生理に反した収穫、保存、流通をした場合にも腐る場合があります。



動物性の家畜糞尿を豊富に含んだ肥料を使えば腐りやすく、植物性のものだけなら枯れやすくなる。こうした場合もあります。どうしてそうなるのか?それは「土」への理解を深めることで分かってくるのです。

土は岩石の風化のよる鉱物、そして植物を中心とした有機物。そこに微生物などの活動が加わって作られます。植物が枯れて大地に落ちる。そこに雨などの「水分」が加わる。さらに地熱や太陽光線といった「熱」が注がれる。ここにバクテリアなどの微生物が働くことで植物の腐植は進んでいきます。
これを繰り返し、膨大な年月をかけてようやく土になっていく。自然界は表土1センチの土を作るのに100年~150年もの時間をかけるといわれます。膨大な時間をかけて土は作られていくのです。

人や動物など、あらゆる生き物は土に還っていきますが、主成分はあくまで「植物」。だから「植物性肥料」を使った方が、自然に添っていてクオリティーが高くなる。そのように考えることができるのです。


次に田畑に使われる「肥料の量」ですが、一般にはたくさん与えることでたくさん収穫できると考えられています。栄養が多いことは良いことだ。これでは土なのか、糞なのか、よく分からない。そうしたことも実際にあるのです。生き物の本質は「不足には強いが過剰には弱い」といわれますが、肥料の過剰投入は作物のクオリティーを下げる要因にも繋がるのです。

また「肥料の熟成期間」が短いと虫や病気を呼び込み、腐りやすい作物になりやすくなります。使われた肥料はどのくらいの期間を寝かせたものなのか?これも良いお米や野菜を選ぶための重要なポイントになるのです。

肥料の熟成については「完熟堆肥」という言葉が使われますが、明確な定義はありません。諸説あって何ともいえませんが、目安は「5年程度」。とにかく時間をかけて寝かせたものでない限り、使用をしてはならない、もしくは極力使用を控える。このことが基本となるです。
でも実際は3ヶ月から半年程度の未熟な状態で、田畑に投入されるケースも少なくありません。また場合によっては、そのままの糞尿を田畑に投入することも実際にはあるのです。中には臭いさえ消えればそれでよい、臭いがあってもそれで良いと言わんばかりに使われるケースも見られるのです。その結果、作られた野菜は虫や病気などに見舞われやすくなります。


このように、野菜を見極めるポイントはさまざまです。買う側が積極的に栽培に使われた肥料の情報を求める姿勢が不可欠になります。残念なことではありますが、使われた肥料の中身を明示しているところは自然食業界でも、ほとんどないのが現状です。

本当により自然で安心な野菜とは、本来の自然のリズム・仕組みを活かして育ったものではないでしょうか?

「自然食」、私たちは何気なくそのように呼んだりもしますが、その本質はというと、自然界をお手本にして作られた食べものといえます。食べものを選ぶ際は、「自然に添っているか否か」このことを基準に判断する必要があります。それには、自然を知っていく必要があるのです。

(参照以上)



橋本宏

にほんブログ村 企業ブログ 農業へ

自給する村づくり 島根県柿木村の有機農業


「雑草とは何か? 雑草は土地を荒らすのではなく、土地を豊かにする」(292713)で紹介されていた、「有機農業の明日を考える」講演をされた九州東海大学農学部教授片野学氏が、究極の目標として挙げられたのが、島根県柿木村という山の中の村。
講演の最後にこう紹介されています。(リンク)

>柿木村には有機農業研究会の組織があります。ここは選択的規模拡大、単作規模拡大の農協路線では無理だということで、自給する村づくり運動をやってきました。売る農業を見直して、自給する村づくりをやった。高齢化が進み、60歳、70歳のおじいちゃん、おばあちゃんばかりです。ところが、ここの村は減反による耕作放棄地がゼロです。そして、ゲートボールで遊んでいるおじいちゃん、おばあちゃんがゼロです。みんな農作業をしている。
なぜか、理由は簡単です。ゲートボールなんかやっていられない、高齢者の年間所得が600万円です。遊んでいられない。それだけじゃなくて、生協などが向こうから「お宅のものを売って下さい。」と来るんです。売りに行く必要がない。お客さんいらっしゃいで、みんなに喜ばれる。

有機農業に取り組んで来られた柿木村のおじいちゃん、おばあちゃんの話を、島根夢探訪U・Iターンマガジンの記事リンクから紹介します。

~~~~~~~(以下、紹介)~~~~~~
●自分たちが食べる野菜を作る、すべてはそこから始まりました。
 「土が命ですわね」
 野菜を仕分けしていたおばあさんがそうつぶやいた。収穫が終わったばかりの畑には、黒々とした土がこんもりと盛ってある。触れてみると、さらさらとしてきめが細かくずっしりと重い。耕している人の人柄までも伝わってくるような、見るからに元気そうな土だ。こんなところで育つ野菜は、さぞかし美味しいことだろう。

 島根県柿木村といえば、村をあげて有機農業に取り組むことで知られる。この村に「有機農業研究会」が発足したのは昭和55年、今から20年以上も前のことだった。
 当時、日本は高度成長の真っ只中。化学肥料や農薬を使う近代農業が急速に広まっていた。しかし、一方ではミミズやモグラなど、どこの田畑にもいた生き物たちが、姿を消していった。

 「いつか、わしらがやられる」
 柿木村の農家の一部の人たちが抱いた漠然とした疑問が、有機農業への転換を決意させることとなった。しかし、ハードルは思った以上に高かった。
 「最初は、村内でも有機農業は成功しないと言われ、変わり者と呼ばれたこともありました」
 有機農業研究会の会長を務める齋藤尚介さんはそう言って、当時を振り返った。待ち受けていたのは数々の試練。予想を上回る手間、病害の発生、虫食い野菜が売れるのか…。

 「虫を一匹一匹手で取り除いたり、試行錯誤の繰り返しでした」
 ようやく雑草を抜き終わった畑にイノシシが出て、一晩で野菜が全滅した農家もあったという。病害虫や獣害対策など身につけなければならない知識はいくつもあった。
 毎日、尽きることのない苦労。それでもメンバーたちは気付いてきたのだ。無農薬でも立派に野菜ができることを―。

 自然と対話する昔ながらの農業は、先人たちの知恵の結集だった。3年目、4年目と年を重ねるごとに不安は自信に変わり、収穫も少しずつだが増えていった。
 ありがたいことに、「安全な食」を求める人たちとの出会いもあった。山口県岩国市の消費者グループが、野菜の共同購入システムを申し出てくれたのだ。岩国市は柿木村から車で1時間ほど。野菜を運送するための小型トラックを購入するときには、消費者グループからのカンパもあったという。

 「収穫のない時があって、お父さんともう畑はやめようと決めたんですよ。そしたら、お客さんから手紙をもらってね。がんばってください、そんなこと書いてもらったらやめられませんわ」
 農作業をしていたメンバーの一人が朗らかな笑顔で語った。有機農業は自然だけではない、人の輪によっても支えられている。

●安全な農薬なんてないんだよ。
 有機農業研究会の野菜はスーパーマーケットで見かけるような、きれいな野菜ではない。曲がっていたり、少々小粒だったり。でも、野菜の持つ生命力はどこにも負けない。作り手と買い手、その両方の愛情を受けて育った野菜が、元気いっぱいに陽差しのなかで微笑んでいる。

 現在、柿木村では有機農業が村内に広まっている。有機農業研究会のほかに「有機野菜組合」「有機米研究会」などのグループも発足し、裾野もしっかりとしてきた。
 こうしたグループが供給する作物の流通を手助けしようと、平成11年には農協の有機農産物流通センターも完成した。この施設を拠点に、有機農業研究会では学校や病院、福祉施設などの新しい販路を開拓することを計画している。

 「最終的には有機農業という言葉をなくすことが目標。日本中が有機農業になれば、わざわざ有機農業をうたわなくてもいいんですよ」 
 昔ながらの農業は地球環境を保護することにもなる。安全な作物を届けるだけでなく、「有機農業の輪を広めて地球を守ろう」とメンバーたちの志は高い。志のある人生と、志のない人生。その違いは大きい。柿木村の人たちの笑顔に曇りがないのは、真っすぐな志を持っているからだ。

 自然を壊すことは、人間を壊すことになる。なぜなら自然は人間の「ふるさと」なのだから。柿木村の田畑は静かにそう教えてくれている。
 この村で志同じくして暮らす。そのとき、身体の中に流れる時間は自然と調和した格別なものへと変わっていく。
~~~~~~~(紹介おわり)~~~~~~



岡本誠 

にほんブログ村 企業ブログ 農業へ

藻(微生物)の力を利用した”儲かる(?)自然農法” 岩澤農法

雑草類の生育を是とする「自然農法」
自然の摂理に則った農法であるが、一方で管理が大変で”儲からない”現実もある。

儲かる自然農法は存在し得ないか。

以下の引用で紹介されている「岩澤農法」は”儲かる自然農法”として十分な可能性があると思われる。

以下、リンクより引用
********************************************************************
1.すべては<福岡正信>から始まった
今から約26年前、私は「福岡正信氏」(伊予市)の自然農法を、京都大学農学部教授・坂本慶一氏のエッセー(京都新聞'73.11.10)で知った。
その農法とは:『無耕起・無肥料・無除草・無農薬・無剪定』とまさに「無」の一語につきる驚くべき内容であった。しかも通常農法の2倍ほどの収穫がある、という。ではお百姓さん達の今までの苦労は何だ!?、大学で教える「農学」とは一体何だ!?、人間の知性の結晶であるはずの「科学」とは一体何だ!?。根底的な疑問に圧倒された私(当時学生)は、彼の農法を学ぶため1カ月ほど伊予市に滞在した。その頃から、彼の思想は“自然派活動家”達のバイブルとなる。

(中略)

2.<福岡農法>の「欠点」
 しかし私が伊予市で学んだこと、さらにその後多くの「福岡農法の実践家」達の報告から学んだ事は、次のような福岡農法の「欠点」である:(ちなみに私も実践したかったが、私には田畑がない...(^^;)

 a)収穫量が不安定
   -> 通常農法の2倍の収穫がとれるかと思うと、半分のときもある。
 b)作業時間が長い
   -> 機械も使わないので、けっこう「手間」がかかる。

 そこでいろいろな「改良」が試みられてきました。その一例は、今年の99年1月24日にテレビ朝日系で放送された桜井市・川口氏の自然農である。
 この放送の面白いことは、川口氏と隣接して、有機農法の東氏、通常農法の吉岡氏、の水田があり、その三者の比較をしたことだ:


川口氏(自然農法)-> 不耕起・無肥料・無農薬・初期のみ人手で草刈り.
東 氏(有機農法)-> 機械で耕す・有機肥料・無農薬・機械による除草.
吉岡氏(通常農法)-> 通常の農薬・化学肥料による農法でもちろん耕す.

(1反当りの比較) 川口氏    東氏    吉岡氏
         (自然農) (有機農)  (通常農)
 1)作業時間    138時間   40時間    24時間
 2)収 穫 量    7俵    8俵      8俵
 3)売価/俵   \ 20,000   \ 20,000   \ 14,000
 4)経  費   \ 1,000   \ 56,800   \ 15,000
 5)収  支   \139,000   \103,200   \102,000

ここで川口氏は、福岡農法の欠点a)を克服して、毎年安定した収穫量を得ることができている。しかも自然農による米は台風冷害や病気などに極めて強いから、通常の現代農法よりも収穫が安定している、と言える。
しかし、福岡農法の欠点b)は解決されていない。通常農法の吉岡氏がテレビのレポーターに言った:「川口さんのやり方ではトシをとったらできないよ・・」
確かに、川口方式の自然農法は、時間が現代農法の5倍以上かかるので、いくら自然農法が良いといっても、現代の経済社会には残念ながら現実的でない。
そして結局は通常、少なくとも1回は除草剤を散布する方法がとられる。ただしこれでも市場では立派に「無農薬・有機栽培」として販売されているが..。(ひどい場合には、通常農法の農薬タップリの作物が「無農薬・有機栽培」として売られるケースも多い)

3.欠点をついに克服した<岩澤農法>
そして、ついに福岡農法の欠点を克服して、あらゆる意味で現代農法を凌駕する自然農法が現れたのである!。私はこの事実を伝えるのに強い興奮を抑えることができない。日本不耕起栽培普及会(千葉市)の会長・岩澤信夫氏が指導する「自然耕のコメ」農法である。彼も福岡正信の大きな影響を受けて、その農法に改良を重ねてきた一人である。私は「サヤミドロ自然農法」と呼んでいる。まず先程の比較表と対比させてみよう。

(1反当りの比較)   岩澤農法
            (自然耕)
 1)作業時間      15時間   通常農法の6割以下
                  (機械も積極的に使用)
 2)収 穫 量      8~15俵   平均12俵といった所
                  (東北等は多収穫可能)
 3)~5)   現在試算を依頼中

もちろん完全に無農薬!!・完全に無化学肥料!!・無耕起・無除草である。
除草は不要どころか、この農法では「サヤミドロ」という藻の一種の雑草を、逆に絶対に必要としており、これ無くしてこの農法は実現しない。雑草必要農法とでも言うべきで、サヤミドロは米の「共生植物」=仲良しさんなのである。

ちなみに収穫量だけでいうと、九州の日本バイオという会社がバイテクを用いて反当たり27俵という驚異的収穫を得ているが、試験段階である。
岩澤農法の田圃では、ドジョウやメダカ、タニシ等で満ちあふれ、アキアカネやトンボ、ホタルが飛び交い、冬には雁が4万羽!(宮城県田尻町)もこの自然耕の田圃をめがけて飛来した(これには雁の専門家も驚いて、今月の5月コスタリカで開催されたラムサール国際会議にて発表)。

この農法の実践農家は現在全国で約千軒、まだまだ少ない。ただし今年からは、滋賀県の湖北町小倉地区が「琵琶湖をきれいに」の合い言葉で、この自然耕の農法に全面的に切り替えていこうと試験栽培を開始するなど、飛躍的増加が期待されている。

4.<岩澤式・自然耕のコメ>の概要
1)不耕起
農「耕」が始まってから約1万年と言われる。だとしたら人類は長い間とんだ思い違いをしてきたことになる。大学でも、農業試験場でも、「耕す」ことが大前提として研究が進められてきた。
では<何故、不耕起栽培の方が良いか?>

「有毒ガスが発生しないので根腐れしない」
田植え後に水をはった時、耕した田では有機物が水底下の土中で分解してメタンガス等の有害ガスを発生(プクプクと底から泡がでるのを見た人もいるだろう)して根腐れの原因となるが、不耕田にはそれが無い。メタンガスは二酸化炭素の20倍近い地球温暖化の要因となっている。(具体的数字として、日本におけるメタンガス放出の24%は田圃からであり、1反当たり65Kgであるが、不耕起農法なら5Kgと十分の1以下)

「根が野生化して太くて強くなる」
不耕田の土はとても固い(踏んでも足が入らない)ため、田植えされた苗は簡単には根を土中に伸ばせない。耕された柔らかい土では考えられない。大きな負荷を与えられた“やつら”は、生きるためにエチレンというホルモンを大量分泌させて根を太くて強くするのである。つまり稲の根が逆境のため“野生化”して、通常の稲と比べて体積比で10倍以上となる。ちなみに土が固いことはモグラやヒルを発生させ難くする。

「土地の酸化還元電位を還元側にする」
耕転することは酸素を土中に入れることである。今までは酸素は多いほど良いと信じられてきた。しかし最新の医学の研究でも、「病気の85%の真因は活性酸素にある」とか、「酸素は本来、生命進化上での考察からも猛毒として作用していた」(NHK特別番組等)等が明らかになったことで、酸素を土中に入れることは、酸化還元電位を酸化側に傾けると考えられるので、好ましくないはずである。人間も作物(植物)も、生命という観点から考えれば、その健康管理も共通しているはずである。今後の農学者の研究が待たれるところである。

農業経営という観点からのメリットを述べると

「労働力の4割以上を削減できる」
耕さないのであるから、当然に「田起こし」や「代かき」が不要なので、それだけで通常農法の労働力の4割が削減できる。

「省エネ・低コスト化を実現」
農業機械でいちばん高価な機械=トラクター等が不要となる。根が不耕起という逆境に克服し、野生化してかえって健康に成長するのは興味深い事実である。アマちゃんに育てる(耕す)と結局は脆弱となるのは人間も同じである。森の巨木を見よ!、誰がその土を耕しているのか?平成5年の大冷害による「米騒動」の際、不耕起栽培の稲はほとんど被害を受けず、収穫も十分にあったことから、それまでは冷淡だった国も一転して不耕起栽培の見直しに重い腰を上げたらしい。

2)苗作り
しかし固い土に対抗する逞しい稲を作るためには、人間でいえば乳幼児期にあたる苗作りが大切である。従来の稲作では温室で育てた“稚苗”を植えるが、自然耕では低温の外気で育てた“成苗”を使うしかも足で踏んだりして刺激を与えて“特訓”する。こうして強い苗を育てるからこそ、固い土にしっかりと根を張り、雑草にも負けないのである。

3)独自開発の田植機
不耕田は足が入らないほど固い。しかも草だらけである。そんなところでは通常の田植機では田植えができない。そこで、固い土の一部をカットして植苗する特殊カッター付き田植機が考案開発された。いくら自然農法が良いといっても、手間ばかりかかれば現代のニーズに適合しない。福岡農法の欠点b)を克服する大きなツールである。

4)鯉の放流
稲の共生植物=サヤミドロが繁茂するまで、除草の目的で鯉を田圃に放流する。

5)サヤミドロを基盤とする生態系
土を耕さないから残った根は土中で無数の根穴を作る。このため、土はスポンジ状の自然に耕した(自然耕の)状態に変わる。また同じく残った昨年度の稲わらは水中で分解(土中で分解しないから有害ガスが発生しないのでしたね!)され、それを養分として、サヤミドロと呼ばれる藻が大量に(ほんと大量に!)発生するのである(ちなみに、一般の田圃に発生する藻にアオミドロがあるが、これは水面に繁茂して日射を遮るので害がある。反対に、サヤミドロは水底に繁茂するのが大きく違う)。そして、サヤミドロは水中に多量の酸素を放出する。そのために、田圃の水の溶存酸素量は多く(先述の土中酸素量でないところがミソ)、クリーンな水作りに寄与してメタンガスが発生しない。植物性プランクトンが発生し、これをエサとする動物性プランクトンが増殖する。やがてトンボやドジョウ、タニシ、ホタル、ザリガニなどのさまざまな小動物が大量に(ほんとに大量に!)生息するようになる。こうして生まれた食物連鎖の輪から、生物の排泄物・死骸が、微生物に分解され、そのまま膨大で天然の肥料となるのである。もちろん害虫も発生するが、その天敵となるアメンボウやタガメ、クモなどの生物も大量発生する。つまり「農薬・化学肥料を使わない」のではなくて、農薬・化学肥料を使ったら絶対に困る自然生態系ができあがって稲の生育をサポートするのである。

6)水の管理
ある時期、稲穂をたくさん実らせる目的で、田圃の水をタップリ供給する。また通常農法と違って、収穫まで水を張ったままである。こうしてできあがった稲は、米の粒が普通の稲作より20%も大きくコメ1粒1粒もずっしり重い。

7)コメの味
肉質が緻密な自然耕のコメは、炊きたてはもちろん、おにぎりなどにして一晩置いても、弾力や風味はあまり損なわれないようだ。これは表面にミネラルやアミノ酸を多く含む「サビオ層」と呼ばれる層が従来農法のコメより厚く発達して保水の役割を果たしているためだという。

8)独自の流通ネットワークの整備
以上見てきたように、自然耕のコメは“良いことづくめ”である。
しかし、いくら良い、と分かっていても、現代社会において、単純に言ってしまえば、「儲からなくては従来の現代農法から切り替える訳にはいかない」、と言うのが農家の本音であった。そしてついに、福岡農法の欠点を克服した“儲かる自然農法”の岩澤農法が出現したのである。だが、つい数年前までは、“規制の壁”という障壁がまだ存在していた。
数年前、コメの自由化が施行されたおかげで(政府もたまには良い事をしたものだとつくづく思う)、やっと良いことづくめの「自然耕のコメ」が流通するようになった。いくら良いものでも、売れなくては普及しないですからね?

(引用終わり)




西谷文宏

にほんブログ村 企業ブログ 農業へ

【直売所】生産者の主体性・追求力を引き出し、多種多様な高品質農産物が並ぶ都内一位の直売所

連日、お客さんが詰め寄る人気直売所。あらゆる商品が隙間無く並ぶ中、あっという間に商品が売り切れるそう。その人気の要因は、小規模な農地をうまく活かして、輪作により多種多様な農産物を生産・販売する土地に根ざした生産方法。そして、商品・量・価格はすべて生産者の自主性にゆだねつつ、消費者の声をしっかり生産者に伝え、品質向上を図っています。
生産者の主体性・追求力が、直売所の魅力の源泉。さらに、その吸引力が新規就農者を生み出す、地域再生の力にもなっています。

新鮮な生産物とお客さんの活気があふれる「地元の直売所」リンク参照
■地の利を活かした輪作の野菜づくり
 こうして誕生した「秋川ファーマーズセンター」には現在、120人の生産者が登録し、このうち30~40人が1年を通して、ほぼ毎日、四季折々の野菜を直売所に出している。
 
多彩な品揃えを支えると同時に、栽培方法にもプラスの影響をもたらした。「このあたりはもともと、小さな農家が多いので小回りがきくのです。常設の直売所ができたことで、いろいろな種類の野菜をつくって出す。出せば、売れる。売り上げが伸びるにつれて、昔の農家でやっていたような栽培方法に帰ったのです」と、谷澤さん。

 一昔前まではどこの農家でも、家族の食卓を満たすために四季折々の野菜を小量ずつ畑につくり、1年間の食糧の大部分を自給していた。秋川ファーマーズセンターの生産者は、そんな昔ながらの「輪作」の方法を継承して、多種類の作物を組み合わせて野菜をつくっていると、谷澤さんはいうのである。

 輪作を行うことで、連作による障害を防ぐことができ、結果として、農薬の使用量を減らすことにもつながる。多種類の野菜を組み合わせてつくることが、安全・安心の野菜づくりとも結びついているのである。

■生産者と消費者を結ぶ食の提案
 輪作の知恵を駆使して、年間80種類、四季を通して、毎日50~60種類の新鮮な季節の野菜が並ぶという強みのほかに、スーパーなどでは敬遠されるような野菜が、積極的に販売されていることも、秋川ファーマーズセンターの大きな強みだ。生産者からの提案ともいえる変り種野菜もとても歓迎してくれるお客さんがいる。

 直売所の固定客ともいえる地元のお客さんは、購入した野菜がおいしいいと生産者の名前を憶えてくれる。そして、「あの人の野菜はおいしい」と口コミで評判が広がる。この日の朝、開店直後に売り切れとなったIさんのフルーツ系トマトも、評判が評判を呼んで人気となったのだそうだ。だから、もし不出来なものを出すと評判が落ちてしまうから、生産者は競争して、いいものを出すための努力を絶やさない。

■売り上げは生産者の創意と工夫しだい
 秋川ファーマーズセンターに並んでいるすべての農作物は、パッケージのラベルに値段とともに、生産者の名前と生産者番号が記されたシールが貼ってある。また、店内の壁の一角には生産者の顔写真が掲げられていて、その横には、生産者番号から検索するタッチパネルが設置されている。「この野菜はどんな生産者がつくったのだろう」と、関心をもったお客さんにが検索すれば、ひとりひとりの生産者の農業にかける思い、得意とする野菜の種類などを見ることができ、消費者と生産者の信頼関係をむすぶツールとなっている。

 「ここに直売所を開いて15年。私たち生産者は地元のお客さんに教育してもらって、ここまで続けることができた。だからこれからも、ウソいつわりのない正直な仕事をしていかなければならなりません」

 谷澤さんは続けて、「直売所での販売を中心にした農業は、生産者自身の創意と工夫につきます。お客さんからお金をいただくのだから、生産者は技術を向上させ見聞を広めながら、常に一定レベルのものを出そうとがんばっています」と語る。

■年間販売額、都内で1位
 秋川ファーマーズセンターの成長は、データでも裏付けることができる。JA東京中央会の資料によると、都内には島しょを含めて42ヵ所の農作物直売所がある。平成18(2006)年度の数字を見ると、秋川ファーマーズセンターは1日あたりの野菜等の出荷数は他2ヵ所と並んで1位、年間販売総額は2位の直売所を大きく引き離して、5億2千万円で1位。

 販売総額のうち、登録生産者120人による農作物の販売額は3億1千万円で、これも1位。生産者1人あたり平均の年間販売額も1位で、262万円となる。

 「120人の登録生産者のうち、年間1千万円前後を売り上げる農家さんが10人くらいはいます」と語るのは、JAあきがわの職員で、直売所・センター長の平野淳さん。秋川ファーマーズセンターの運営にあたっているJAあきがわは、意欲ある生産者の活躍をバックアップしている。

■品質管理、品質向上に手を抜かない
 秋川ファーマーズセンターの生産者とJAあきがわは協力して、安全安心の野菜づくりのための品質管理と品質向上に取り組んでいる。
 直売所の運営システムは、生産者は自分がつくった野菜に、市況を見ながら自分で値段をつけ、朝7時30分から開店時間前までに搬入し、売れ残ったものは閉店後に引き取るというもの。生産者は売り上げの10%を販売委託料として直売所に支払うことになっている。また、野菜が傷んでいたなど、お客さんからクレームがあった場合は直売所職員が対応し、生産者に伝えられる。

 2005年4月から、作物ごとに農薬、化学肥料の使用回数・使用量などを詳細に記録する「生産日誌」をつけ、登録生産者は2、3ヶ月に1回、JAあきがわに提出することにしている。さらに今年(2008年)4月からは、これをパソコンで管理する「生産履歴管理システム」がスタートする。

 「JAの役目は販売の場所を提供し、販売のお手伝いをすることです。生産者にとてもやる気があるから、ここまで成長することができたのです」直売所は生産者がつくっていると、平野さんは強調する。(中略)

■新規に就農する人も増えている
 やりがいのある直売所に、新しい人たちも加わりはじめている。農畜産物直売コーナー運営委員会会長の谷澤さんの息子さんは、「勤め人より、農業にやりがいがある」と数年前に脱サラして就農。また、50アールの小規模な農地に、年間50種類もの野菜をつくり、売り上げを伸ばしているNさんの息子さんもいったんは他所で就職したが、故郷での農業に惹かれてもどってきた。

 「このところ、30歳前後でUターン就農する人が増え、生産者120人中、30~50歳台の人が20人以上になりました」と、谷澤さんはうれしそうだ。登録生産者のなかには、定年帰農する人も増えている。

 「農家は意欲がないといわれますが、一生懸命つくった農作物の販売手段があり、それが売れれば、やる気が出るんです。農業を続けたくなるのです。私は若いころは農業が好きでなかったが、今になって思うといい仕事ですよねえ」。ひところは耕す人がなく、荒れるにまかされた農地が目立っていた秋川地域だったが、今では年々、休耕地が少なくなっているという。

(八田尚子 フリーライター)
※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※



橋本宏

にほんブログ村 企業ブログ 農業へ

雑草とは何か? 雑草は土地を荒らすのではなく、土地を豊かにする

292655で「雑草と共生し、雑草とに学ぶ」川田農園を紹介したが、そもそも雑草とは何なのか?興味が出てきたので調べてみた。

以下の引用から考えると、「雑草は土地(田畑)を荒らすのではなく、雑草が土地を豊かにする」のではないかと思えてきた。
雑草は土中にビタミンやミネラルなどの微量元素を供給し、土中微生物を育成、さらには強い根によって土地の保水力を上げ、土中温度も上昇させる。
氷河期の荒れた大地に誕生した雑草類は、土地を荒らすのではなく、土地を豊かにし、大地を蘇らせる。これが自然の摂理なのではないか。

そう考えると、雑草が生えるのを非とする、近代農法は自然の摂理を大きく逸脱しているように思われる。

「雑草が土地を豊かにする」

この認識に立って農業生産を考えられないか。
更に追求してみたい。

以下、『雑草について考える』 九州東海大学農学部教授 片野学氏による講演「有機農業の明日を考える」から抜粋(リンク)
********************************************************************
雑草の話を私はよくします。雑草がこの世になぜ存在するのか。雑草とはいったい何か。病害虫とはいったい何か。薬をかけてはいけないとなると、発想が全部変わってきます。なぜ草が生えてくるのか、なぜ病気がつくのか、なぜ虫がつくのかということを、ここ20年間くらい延々研究しています。

雑草は自然生態系には存在できません。天然林とか天然の原野、あるいは川の横では、雑草は成長できません。種を蒔いても生きられない。雑草は昔からあったわけではありません。雑草という植物がこの地球上に登場したのは、人類よりも後です。人類は500万年前です。雑草の登場は10万年くらい前です。氷河の時代から登場しました。日本でも4回氷河が襲っています。実は、雑草の第1起源は氷河時代だと教科書に書いてあります。とても大切な記載だと思います。

なぜ氷河時代に雑草が誕生してくるのか。
地球表面はものすごく美しいみどりに被われていました。ところが北極、南極から氷河が下りてきて、美しいみどりの衣を、このグリーンカバーを支える薄皮一枚の土壌を全部はがしてしまいます。そうなると、残ったところは、まったくの裸地ができてしまいます。不毛の土地です。地球をガイヤという生き物として考えるということを、イギリスの物理学者のラブロック博士が書きました。ガイヤ仮説、地球そのものが生き物である。たぶん当たっていると思います。

氷河によってはがされた土地は、裸の土地で不毛の土地です。人間に例えれば、私たちは転んで怪我をすると傷口ができます。しかし、いつの間にか新
しい皮膚を作っていく。あるいは、傷口がいつの間にか治ってしまう。こういう現象が起こります。地球が一つの生きた個体だと考えると、氷河によってはがされた土地は傷口ではないか。当然、地球は傷口を癒すために努力をする。
普通の植物は不毛の土地では生活できません。地球は巨大な力を持って、一年生草本、木ではない短期決戦の植物を出現させる。1年生草本とは、1年で芽が出て花が咲き実をつけるものです。1年生草本が地球上に現れたのは、それほど古い話ではありません。地球上に草が登場するのは、今から2
000万年前だとわかっています。古生物学には書かれています。それまでは、地球は温暖だったので、全部木でした。

木と草の違いというのは、芽が地上にあるのが木で、芽が地面の中にあるのが草です。植物学的には草と木の違いだけです。今から7000万年前
の白亜紀の地球は、寒冷と乾燥状態に突入します。今まで生き物が経験しなかった寒冷と乾燥という地球の巨大な気象異変があり、芽を上に置いたら寒さで死んでしまう、芽を守るために地面の中に入れ生き延びた。種にして寒さと乾燥から身を守った植物たちが1年生の草です。南極や北極の植物の本を読むと、雨が降るのはほんの一時です。1カ月経たない間に芽を出して、花を咲かせ、実をつけて、また、種で1年間堪え忍ぶ。短期決戦の一年生草本の中では、選抜隊が選ばれ、普通の植物なら発芽して生育することができない不毛の土地に生活できるようにするために突然変異が起こりました。この植物が雑草なのです。非常に厳しい条件の中でも成長できる。

雑草の第2起源は1万年前です。人間が農業を始めた時期です。人間が木を切り倒して土を耕す。今度は人間が地球表面をひっぺ返し始めました。4大文明の発祥地が全部砂漠になり、荒廃した土地になりました。人間の農業がやはり未熟だったんですね。有名な言葉があります。「人間が通った後に砂漠が残った。」まさに人類の農業のまずさです。結局、砂漠化させてしまった。もちろん一番大きなことは塩類集積です。これも耕すことによって、塩類が地上に吹き上げてしまった。

雑草とは何か、結局、堆肥を施す役割と同じです。
死んだ不毛の土を生きた肥沃の土にする。このために生えてきたのではないか。

「草取りが大変だ。」とみんな言います。私もそうです。雑草を取るときに、どういう姿勢で草に向かったらいいのか。これも笑い話がたくさんあります。意味がよくわかっていない奥さんやご主人がやると、草取りは単なる労働で辛い労働にしか過ぎません。
まず、雑草たちをよく見て下さい。実に美しい生き物です。葉っぱも花も根っこも実に美しい。そして、実にたくましい。死んだ土地を生きた土地にするために生えてきてくれる草たちですから、草を抜くときにも雑草に感謝しながら抜いていく。ものに感謝しながら農作業をやると、彼らが言っていることもわかってくる。「このやろう」と思って雑草を抜くと、すぐに疲れる。「雑草さん、ありがとう」という気持ちで草に向かうと疲れません。

病害虫もそうです。熊本、九州ではウスバキトンボという黄色いトンボが飛んでいます。最近全体的に薬の強い物がなくなったせいかもしれませんが、昔、赤トンボはオーガニックの田んぼの上だけ飛んでいたという観察がたくさんあります。隣の農薬をふった田んぼはエアカーテンが敷かれたようにUターンするという観察がたくさんありました。最近は少ないかもしれません。ミカン山とか畑でも、トンボやモンシロチョウの行動を見ていると、農薬をふられた農耕地には入らないということも観察されている。皆さんも観察して下さい。カエルの鳴き声はどっちなのか。ホタルは一番敏感です。病害虫で一番わかりやすいのはウンカです。ウンカは30センチの畦の右と左、弱った作物しか攻撃しません。元気いっぱいのオーガニックの稲であれば、ウンカが行ってもまた逆もどりする。「俺の来るところじゃなかった。」と、弱った稲のところに行く。たくさん観察があります。メイチュウもそうです。

つまり、病害虫とは何かというと、病害虫という特殊な生き物たちを作り出して、この弱ったものたちを攻撃して、一刻も早く土に戻してやる。自然浄化作用で地球の表面をきれいにしましょう、というように考えると全部つじつまが合ってくる。

私の大学時代の先生は大変面白い先生で、「大学でゼミをやるよりも農家から学んでこい。」という人でした。いろいろな試験場にも行きました。大正時代から化学肥料プラス動物性の肥料(昔は馬糞で今は牛糞)をずっとあげつづけている水田が日本に何カ所かあります。会津坂下に福島県農業試験場の会津支場があり、これが一番古かったと思います。

この田んぼの稲の根を調べに、助手の先生と私が派遣されました。出穂期と収穫期に2度ほど調査に行きました。根を調べるので、土ごと丸ごと取って根を見ます。化学肥料を長年やった田んぼの土はカチカチです。改めて唖然としました。また、青森県黒石市に青森県農業試験場があります。埼玉県鴻巣市の農業試験場にもあります。ここはレンゲ連用田もありました。これら3カ所の調査に行ったことがありました。収量は全然落ちません。

化学肥料と糞尿を何十年もやり続けた稲は、解体していてニカメイチュウを何度も見かけました。とにかく固くてカチカチです。しかし、収量は固さとは関係がない。なめると苦いです。味も違います。結局、雑草はこの冷たい乾いた、固い、苦い、死に損ないつつある地球表面に、まず芽を生やすことによって、固い土を柔らかくする。

そして、自らの根からはいろいろな物質が出ています。糖類、アミノ酸、ビタミン、各種の酸も出ています。いろいろな物質を植物の根から出して、そして、土壌微生物を養っています。土壌微生物はそのお返しとして、例えば、リン酸を吸収しやすい形で植物にお礼として差し上げる。
根粒菌もそうです。根粒菌は豆科植物の、根の中に根粒菌が食い込むので、豆科の植物から栄養分をいただいて、根粒菌は空中チッソを合成して、植物にチッソのお返しをしている。根粒菌の場合は根っこの中、蘭や松の根は外生菌根菌、根と菌が共生関係で根の一部になっています。根から物質が出るよりもっと確実に植物から養分をいただくシステムになっています。

とにかく、いろいろな物質を出すので、豊かな土壌微生物の世界が必然的に作られます。有機物がどんどん溜まっていきます。そうすると、保温力が増します。さらに、団粒構造が順次発達していくので、乾いた場所と湿った場所が併合してきます。これは実に劇的で、私が聞いた中で一番びっくりしたことは、北海道の経験です。春遅く、あるいは秋早く霜が降ります。霜が降りると、畑や田んぼや果樹園からは上昇気流が出ます。この話は有機・自然農法の畑でした。有機・自然の畑の地温は温かいので、霜が降りてくると畑からの上昇気流が立ち、霜を自分の畑には降ろさせないで、霜の害から防げたという経験があります。九州ではおそらく11月から12月だと思いますが、初雪が降ったときに、どっちの畑、どっちの田んぼが早く雪が溶けるかが勝負です。
オーガニックをやっている畑等々では、当然地温が温かいので、雪が降っても化学農法で冷やされた土地よりも早く溶けなければおかしいです。

(引用終わり)



西谷文宏

にほんブログ村 企業ブログ 農業へ

愛媛県:内子フレッシュパークからり☆~作るだけの農業から経営者へ~

愛媛県にある直売所“からり”がすごいんです!
⇒愛媛県にある道の駅:内子フレッシュパーク「からり」リンク

新鮮な直売所が評判を呼び、年間70万人を超える人が集まり、また、うち7割がリピーターだそうです。また、参加する農家数は内子農家の20%にあたる430名にまで拡大しているそうですが、何より、参加されている農家のみなさんのエネルギーがすごいんです♪
80代を超えた高齢の農家さんも、商品の販売情報(POS情報)を獲得し、自ら判断し、その日の商品を並べます。

その成功事例は、どこにあるのでしょうか?

Publica 「農業への活用-「内子フレッシュパークからり」【地域活性化とICT④】」 リンク より引用します。

****************************

>「内子フレッシュパークからり」は、内子町の農業を変えたといえるでしょう。新鮮な直売所は評判を呼び、年間70万人を越える人が集まるようになりました。うち7割がリピーターだそうです。会社としての売り上げは、7億円を超えました。参加する農家数は最初200名でしたが、約430名(内子農家の20%)まで拡大しました。兼業農家では、平均して月10万円前後の副収入が見込まれ、年収1000万を超える専業農家も現れたということです。

>この「内子フレッシュパークからり」がなぜ成功したのか、その要因を列挙すると、第一になんといっても、信頼がもてる農産物であることが挙げられます。内子町は独自の土壌診断や残留農薬分析を実施しつつ、防虫ネットや対抗植物を活用した低農薬農法を実践しています。そしてトレーサビリティシステムにより、消費者はネットで農作物の安全性を確認できます。なによりも産直所にいけば、そこにいる農家の方が作っていることが分かります。このような「農家の顔が見える」ことが、消費者の安心感の醸成に役立っています。

>第二に、出荷農家の自主性・自発性が土台になっていることがあげられます。前述のように、この直売所は、農家の女性が中心となってはじめ、自分達の問題を自分達で解決しようという「塾」から始まりました。システム導入時には、参加者に高い意欲と問題意識があったことは重要でしょう。さらに「からりネット」は共通していても、このシステムをどう活用するかは、各農家の自主性に委ねられています。工夫の余地が農家のやる気を刺激しているといえるでしょう。

>第三に、農業だけでなく、地域全体を活性化しようという運動との相乗効果が挙げられます。内子町は、江戸から明治にかけて、木蝋や和紙の生産により繁栄した歴史があります。そこで旧市街地にある伝統的な町並の保存運動が住民から起こっていて、町並み観光と「からり」での買物が、相乗効果を生み出し、町全体のイメージを向上させ、リピート客を生んでいることが、アンケートなどからも明らかになっています。

>第四に、行政が手厚い支援をしていることが挙げられます。「内子フレッシュパークからり」の運営には、内子町から出向された行政職員も参加しています。また資本金のうち、2分の1を内子町が出資している他、システムの導入などにおいて、国・地方から各種補助金を受けています

***************************

引用は以上です。

ここで注目したいことは、第二の「出荷農家の自主性・自発性が土台になっていること」です☆

>この直売所は、農家の女性が中心となってはじめ、自分達の問題を自分達で解決しようという「塾」から始まりました。

ここでいう塾とは、学習会「知的農業塾」です。

産官学の道しるべ「内子フレッシュパークからり」 リンク より引用します。

****************************
(引用開始)
>◆学習会「知的農業塾」を舞台に 

>こうした内子の原動力は、1985年から活動を開始した「知的農村塾」という学習会である。塾長は、愛媛大学農学部教授の白石雅也氏であり、農村における高齢者や女性の役割についての学習会を行った。

>高齢化や人口減少が進む内子町の山間部では、後継者不足や価格低下によって、主要地産品の1つである葉タバコの生産減少が課題となっていた。また、「山ぎりの農業」すなわち、山間部の農業で「いいものを作れば売れるはず」という思いの限界や、将来への不安があった。JAの規格通りに「言われたままに作る」ことには展望がなく、後継者が育つはずがないと考えていた。
(引用ここまで)
******************************

「いいものを作れば売れるはず」という思いの限界を知り、自ら考えはじめた農家さん達☆
現在、農業経営者として誇りと自信を持った女性や高齢者が国内外との交流を広げており、農業をやってみたいという県外からの若者も増えているそうです。
自ら考え、動くことで、その勢いはどんどん拡がっています。
どの産業でも、また何歳になっても、“自らどうする?を考え動くこと”が成果に繋がっていくんですね!
 



久保田彰子

にほんブログ村 企業ブログ 農業へ

「雑草と共生し、雑草に学ぶ」 川田農園


通常、常識的に農業では雑草が生えると、農地が荒れると考えられ、休耕地であろうと隣接する田畑に影響を与えないように、必ず雑草の除去が行われる。

「雑草が農地を荒らす」原因としては、動物が侵入しやすくなったり、害虫を呼びやすくなるなど色々な要因が考えられ、確かに田畑を維持管理する上では
雑草は天敵であるかのように感じられる。

そのような中、「雑草と共生する」ことをコンセプトにした農地開拓を行い、「野菜の味が濃い」野菜を生産している川田農園という農園がある。

 川田農園ブログ→リンク

この農園の経営者である川田修氏は、トラック運転手から、アトピーになってしまった子供達に安全な食材を供給する為に、農家に転身し、独学・自力でこの農園を開発した。
この農園で作られた自然の力あふれる野菜は、口コミで広がり、今や都内の高級レストラン等100件以上に直接契約で野菜を卸している。

「雑草が農地を荒らす」と言う常識を疑い、文字通り「未知」の世界を追求して切り開いた全く新しい農法。それは一方で恐らく人類の最も始原的な農法であるように思われる。
独学で可能性を切り開いたその追求力とバイタリティには驚かされるばかり。
このように「常識」を疑い、追求していかなれば、どのような分野でも可能性は開いていけないのだと感じさせられた。

以下、リンクより引用
********************************************************************
川田農園代表 川田修

1971年栃木県生まれ。高校を1年で中退し、18歳で結婚。
20代終わりまで運送業で生計を立てていた。
しかし、30歳の頃、子供がアトピー性皮膚炎を発症したことがきっかけで「農薬を使わない野菜を作ろう」と決意。仕事を辞め、夫婦で有機栽培で農業を始める。
農業経験ゼロから始めたが、最初は失敗の連続。
4ヶ月後の初収入は4000円、子供の靴下も買えないほどの貧乏生活だった。
そんな川田さんを勇気づけたのが創作料理「春秋」の料理長。野菜の味はもちろん直接配送する姿に共感し、ぼろぼろの野菜も引き取ってくれた。
その後、料理人のあいだで川田農園の野菜の噂が広がり、今では契約料理店が100店舗以上にもなった。
川田農園のこだわりは、耕作放棄地を使った広大な耕作地で自家配合の天然肥料を使い、年間180種類の野菜を有機栽培で作ること。
また朝収穫した野菜をその日のうちに首都圏の料理店まで配送をすること。
一分でも早く相手に届けて、美味しいうちに使ってもらいたいと創業当時から続けている。
川田農園と契約をするには、基本的には使用している料理人の紹介のみ。
また、契約前と年一回は畑の手伝いをしてもらうことがきまり。
「野菜作りの大変さを分かった上で野菜を大事に使ってほしい」という川田農園と料理人との間の信頼関係を大切にしている。
********************************************************************

以下、リンクより引用
********************************************************************
ソロモン流 8月25日放送で紹介していた茨城県益子町の 川田農園 川田修さん

こちらの川田さんも 草や虫を敵とせず かえって助けてもらいながら
できるだけ自然の営みの中で 育てていらっしゃる方でした

30歳までトラック運転手だった 農業経験ゼロの川田さんは、娘さんのアトピーを きっかけに 「食」 の大切さを感じ、独学で農業を始めました


番組の後半部分

代々続いている農家の皆さんに向けて川田さんが 有機農業の講座をしている映像がありました

質問コーナーで

本当に雑草も抜かないのですか?

雑草も抜きません

例えば ズッキーニは ある時期にアブラムシが大量につきます
雑草が近くに生えいると、そこに てんとう虫などが飛んできます
そのてんとう虫が アブラムシを食べてくれます

雑草も無駄ではないんです

という回答だったかなうろ覚えです(笑)


講座を終えた農家の方の感想で、野菜に薬を使わないで済むのならやってみたいです!ということでした

(中略)

他の場面でも
生えまくっている雑草(笑) を見て 
次に植える作物の土づくりのヒントにするとのことでした

雑草の色が緑が濃ければ その部分は肥料が足りている
色が薄い緑色であれば その部分は肥料が足りていないから肥料を多目に撒く判断をするそうです

それも独学!!!

なぜ?うまく育たないんだろう?
どうしたら?いいんだろう?

と考え辿り着いたそうです


アブラムシが大量に発生して大変なことになっていると連絡があり、何をするのかと思ったら

ただひたすら・・・
そーっとそーっと アブラムシがついている雑草を抜いてハウスの外に捨てる

それを繰り返す

自然の虫たちにも 半分食わしてやるから半分はおれたちの取り分にくれ!(野菜を)ってことだねと


自然と共生ですね

(引用終わり)




西谷文宏

にほんブログ村 企業ブログ 農業へ

効率的な大規模農業がもたらすものとは?日本の自給率向上のために何をすべきか。  

大規模な農業形態は確かに“効率”が高いと言えますが、あくまでも“経済的効率”であり、廉価な石油がふんだんに使えると前提があってのことですし、長期的には自然環境を破壊していきます。

日本が自給率を改善していくにためには、国内農業に力を入れていくことと合わせて、市場原理から脱却することが必要なのだと思います。


////////引用開始////////
 農業生産の投入量と産出量を貨幣換算した上での経済学的な尺度でいえば、一つの農場が平均200haといった規模のアメリカの大規模農業は「効率的」で「生産性が高い」ということになるのです。しかし、熱学的な尺度による「エネルギー効率性」を見ると、アメリカ農業は世界でも最も「非効率」で、最も「生産性の悪い」、世界最悪の農業ということになります。

 現在、WTOの農業自由化によって、途上国で広く展開されている畜力農業が「非効率」のレッテルを貼られて淘汰されています。途上国は穀物自給率を低下させるとともに、米国などからの穀物輸入量を増やしています。途上国の側は、小規模農家の穀物生産が淘汰され、代わって前の記事の写真にあるようにアブラヤシ、コーヒー、ゴム、綿花、バナナ、コショウなどなど、輸出向け商品作物のモノカルチャー経営がますます興隆しているのです。競ってそれらを生産すればするほど供給過剰になって国際価格は下落するので、自給率を下げながら輸出作物を伸ばそうと頑張れば頑張るほど農業部門の貿易収支は悪化していき、米国で旱魃などが発生した場合の飢餓の危険性を高めるわけです。。
 熱力学的なメガネで見れば、エネルギー効率の非常に優れた畜力農業が、エネルギー効率が最悪の米国型機械農業に侵食され、地球生態系の破局と石油資源の枯渇を早めているだけということになるのです。

 熱力学的な観点に立つとどのようになるのか、例えば、『エントロピーの法則』(祥伝社)の著者として有名な米国の文明評論家ジェレミー・リフキンは、近著の『水素エコノミー』(柴田裕之訳、NHK出版)の中で次のように書いています。

<引用開始>
「熱力学の観点にたつと、近代的農業は歴史上もっとも生産効率の悪い農業形態ということになる。つまり、近代農業が一定のエネルギー量を産出するために投入するエネルギー量はこれまでのどの時代よりも多い。(人力と畜力のみに依存していた時代の)小農は通常1カロリーのエネルギー消費につき10カロリーのエネルギーを生み出す。これに対して、最新の技術を用いるアイオワ州の農場主は、人間の労働1カロリー当たり6000カロリーのエネルギーを生み出すことができる。とはいえ、この数字はエネルギーの純益を生み出すために使われるエネルギーの総量を計算すると、その輝きを失う。270カロリーのトウモロコシの缶詰一個を生産するために、農機具を動かし、合成肥料や農薬を与えることで2790カロリーが消費される。つまりアメリカのハイテク農場は、正味1カロリーのエネルギーを生産するために、10カロリー以上のエネルギーを使っているのだ。」
ジェレミー・リフキン著(柴田裕之訳)『水素エコノミー』(NHK出版、2003年、212頁)
<引用終わり>

 つまり、人力と畜力のみに依存していた農業はエネルギー投入1に対して10の産出をもたらしますが、米国農業は輸送や加工まで含めればエネルギー投入1に対して0.1の産出しかもたらさないわけです。米国型農業は、エネルギー収支で見れば、とてつもなく「非効率」で「生産性が悪い」のです。人間の労働力を省力化する代わりに、全てを石油ガブ飲みの機械で代替してきた結果です。

 石油の値段が安い限りにおいて、米国型農業が貨幣的な収支では「効率的」とされるわけですが、ピーク・オイルを迎えると言われる昨今にあっては、経済的な観点での「効率性」もいつまで続くか定かではありません。石油の値段が上昇を続ければ、遠からず人力・畜力農業の方が経済的にも効率的になる日がやってくるのです。

 生態学のメガネで見ても米国型農業は破綻しているといえます。フィリピンの写真にあるように小農経営の農地の境界には必ず林や茂みがあり、そこに鳥や昆虫などが多く生息しているので、それらは農地に害虫が発生した際にそれを食べる天敵として機能します。
 重機を導入し易くするために、米国型農業はそうした林や茂みを全て除去したので、天敵がいなくなりました。その結果、農薬散布量が増え、さらに害虫が農薬耐性を持つようになるので、農薬散布量をさらに増やす・・・・・というイタチごっこに帰結したのです。このイタチごっこの最終形態が、毒素を分泌する殺虫成分を作物の遺伝子に埋め込んで害虫を駆除するという、殺虫性遺伝子組み換え作物の登場なのでした。

 さらに水循環を無視した地下水の大量汲み上げも米国農業の「持続不可能性」を保証しています。ネブラスカ、カンザス、オクラホマ、テキサスなどの米国の西部穀倉地帯の農業は、オガララ帯水層という化石水を汲み上げることによって成立しているのですが、オガララ帯水層の化石水は既にかつての半分程度にまで減少しており、もう20年ほどで枯渇に直面すると言われています。

<なぜ小規模自作農家を守らねばならないのか? ②>「代替案」より
リンク
////////引用終了////////




TA

にほんブログ村 企業ブログ 農業へ