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農村を活性化させる為には?

日本人が低い食料自給率を気にしないのは何故?

気にしていないのは国民というより上流側での意識、ここを改善しないといまの状況は変わらない。

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■農林水産省は8月9日、2016年の食料自給率を38%と発表した。過去数年間は39%台で推移しており、昨年のこの数値は僅かな減少となったが、その原因は、昨年の台風続きで米などの穀物の収穫量が減少したことで説明がつく。しかし、たとえこの自然災害がなかったとしても、低価格のオーストラリア産牛肉、カナダ産豚肉、チリ産ぶどうなど様々な輸入食品の影響で、日本人にとって昔からの食品である米が食事に占める割合は徐々に縮小してきている。

■但し日本は、食料自給率を熱量(カロリー)ベースで計算している数少ない国の一つ。これは、国民の1日1人当たりの国産供給熱量が1日1人当たりの供給熱量をどれだけ満たしているかを示すものだ。このため、国連委員会が作成している世界食料安全保障指数(The Global Food Security Index)では、2016年の日本の順位は109カ国のうち21位と、上位を占めている。

■国の食料安全を保障するためには、どれほどの割合を国産品で満たせば良いのだろうか。その評価は、専門家の間でも大きく分かれている。中には80%以上を国産品とすべきで、残りは他国からの輸入で構わないとする主張もある。一方、社会学者であり、ロシアの中小企業家組織連盟「ロシアの支柱」の評議会員を務めるドミトリー・ネスヴェトフ氏はこの考えを否定している。「スプートニク」編集部による取材の中で同氏が述べた見解を以下、引用する。

■「国の食料安全を示す基準というものは存在しません。国連世界食料安全保障委員会ではかつて、何らかの基準を定めようとする試みもあったのですが、各国の状況があまりにも異なっているため、全ての国を共通の物差しに当てはめるのは不可能だと分かったのです。但し、食料安全に関して2つの見方が注目されるようになりました。それは、物理的または経済的な利便性です。物理的利便性とはインフラ発達度のことを表しています。これには、全ての国民が全ての居住地域において、定められた国民栄養基準に合った量と種類の食料を購入することを可能とする流通インフラの発展度合いも考慮されます。もう一つの経済的利便性とは、これらの食料を購入できる国民の購買力に関連しています。そして各国の状況を物理的および経済的利便性という2つの指標で考えてみると、結果は大きく異なったものとなります。数年前まではグローバル経済の傾向が優勢で、貿易障壁はかなり低く、どの国でもその経済合理性に応じて自国の判断で様々な食料の生産量と購入量を定めることが可能でした。ですが、今や時代は変わりました。グローバリズム思想は批判と危機に曝され、現在では国家保護主義の傾向が再び強まっています。時代は大きく後退しているのです。しかし今のような状況でさえも、100%の食料自給率を目標に掲げるような国は、北朝鮮を別として、あり得ないでしょう。」

■日本の食料自給率の低さは食料安全上のリスクとならないか、との本編集部の質問に対し、ネスヴェトフ氏は以下のような考えを述べた。
「これは経済的な確信を示すものです。国産品の占める割合が僅か3分の1という日本の状況は、自国に充分な自信があることを表しています。つまり、充分な資金と海外食品市場を持ち合せていることから、国民の利益を満たせるであろうという自信です。これに関連するリスクについては、日本政府は低く評価しています。もちろん、グローバル思想が危ぶまれ保護主義が再興する中では、国産品によって更に完全な食料安全を保障するのは、リスクのない方法でしょう。しかしながら、あらゆる代価を払ってでも国産品だけで食料安全保障を目指すのは現実的ではなく、経済的にも不利なことです。」

■興味深いことに、世界で豊かな国とは、農作物の主要輸入国でもある。世界中から食料を買い上げている日本もこれらの輸入国の一つだ。日本に食料品を供給している国は50カ国以上、その主要国として中国、米国、台湾、香港、タイ、ベトナム、オーストラリア、カナダなどが挙げられる。日本の輸入品目で多いのは、豚肉、とうもろこし、生鮮野菜・果物、タバコ、アルコール飲料。この他、農林水産省が公開した品目別貿易実績一覧によると、薪や豚の皮といった品目も輸入されている。

■日本への食肉輸出を準備するロシア
トランプ米大統領が日本や他のアジア・太平洋地域諸国との環太平洋パートナーシップ(TPP)協定からの離脱を決定した後、日本は7月にEUと自由貿易について合意した。今後、欧州産のチーズやワインなど美食家が喜びそうな食品がこれまでの3倍の勢いで日本に流れ込んでくることも考えられる。このため、日本政府がその宣言どおり2025年までに食料自給率を45%に引き上げるのであれば、国内農業生産を発展させ支援すると共に、今後の輸入を自由化・多様化するという複雑な課題を、自国農業セクターの損失を最小限におさえながら解決していかなくてはならないだろう。





長曾我部幸隆 

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教員生活から羊農生活へ。北海道厚真町の山田さんの挑戦。

「タロちゃんー。ペコちゃんー。まりあっちー」。
1頭1頭に名前を付け、人間の子供たちに接するように羊を集める山田忠男さん。名古屋での教員生活を終えて故郷へUターンし、北海道の厚真町で唯一の羊農家として暮らしています。当初は羊を飼うとは夢にも思わなかったそうですが、今では羊たちが持つ“癒し”にどっぷりと浸かる毎日。
あづまジンギスカンのブランドを守るとともに、短い命を全うする羊たちの幸せを願って取り組む“健康でおいしい羊づくり”に妥協はありません。山田さんは、厚真町から羊を絶やさぬためにも、羊による新しい取り組みにチャレンジしてくれる起業家をサポートしたいと言います。
第2の人生は、
町で唯一の「羊飼い」
山田さんは厚真町出身ですが、定年退職したら地元に戻ろうと考えていたのですか? なぜ羊を飼おうと思ったのでしょう?
山田:もともとは田舎暮らしだったので、やっぱり都会よりも心が落ち着きますからね。教員の仕事を終えたら地元で農業をやりたいと考えていました。でも、最初は羊を飼おうとは全く思っていなかったんです。私が名古屋から戻って来たのは平成17年でしたが、当時、北海道では確実に過疎化が進んでいて、農業を基幹産業とする地域は新規就農者でも割と参入しやすいタイミングでした。まずは小さなハウスで野菜を作ることにすれば農業委員会に就農を認めてもらえると思っていたのですが、なかなか厳しかった。そこで、友人に相談したところ「羊が見直されてきていて将来性のある農業分野だと思うので、羊農家になってみてはどうか。また営農計画をしっかり持っていなければギブアップということにもなりかねない」。そこで各地の羊農家や家畜改良センター等を視察して猛勉強をしました。農業委員会に営農計画書を提出し、また面接も受けて無事農業者として認められました。そして、平成18年にテクセル種3頭とサフォーク種14頭を購入し、牧場が始まりました。
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——当初は思いがけない形で羊飼いを始めたということですが、実際に羊を飼ってみて魅力はどこにあると思いますか?
山田:癒しですね。特に子羊は、かわいいから抱きしめたくなるんだよね。でも、実は生まれて2〜3日の子羊を抱っこすると人に懐かなくなるんです。羊は弱い動物だから、自由を奪われることを恐れるわけ。どうすればよいかというと、寝ている時に頬を触る。首から後ろを触ってはいけません。目を開けそうになったら触るのをやめる。成長して屋外に出るようになり、親羊と一緒に過ごしている時もそういった接し方を繰り返していくと、だんだん羊の方から「なでて〜」と寄ってきます。羊を飼って11年経ちますが、羊のことについて、まだまだ分からないことがいっぱいあるように思います。毎年、一つずつ羊のことが分かってくる感じです。
——経済動物だけれども、一緒に暮らしていると自然と愛情がわき上がるのでしょうか。
山田:間違いなく、愛情がわきますね。私は1日に何回か羊を見に行って、声を掛けています。「おーい、まりあっち。元気かー」と。その時に顔とふんの状態を見て体調を見極めるんですが、「いいふんをしているから、お前は大丈夫だな」とか。喧嘩をしていたら「喧嘩するな。喧嘩したらつまらんからなー」とか声を掛ける。そうやって暮らしていると、どうしても羊にもっともっと幸せになってほしいと思うんですよ。
山田:とても簡単で、よく太って脂がのっていることが大事です。羊には脂身と赤身しかなくて、牛肉のようにサシが入ることはありません。脂は皮膚の下やあばら骨などについていますが、それがたくさんあること。実際のところ脂身は売り物にならないし全て除去するので、それなら始めからない方がいいと思うでしょう。ところが、全然違う。脂がのっている赤肉だからうまい。逆に脂肪の厚みが4〜5cmにもなってしまうと、赤身がほとんど取れなくて業者泣かせになってしまう。歩留まりが悪いということです。
——その微妙なラインをコントロールするのですね。
山田:私の管理方法は至ってシンプルなんです。1年中、羊の自由にする。小屋の扉は常に解放してあるので、羊たちは太陽が登る30分前から日没後30分くらいまで外に出て、自由に草を食べます。雨が降れば、小屋に戻って寝ます。そうやって外にいる間は草を食べたり、寝たり、遊んだり、走ったりすると、適度な運動になるので良い肉質になるんです。羊農家の中には1日に与える餌の量を100g単位で調整して、緻密に管理している人もいます。でも、それはやりたくない。あくまで羊の自由にさせたい。もちろん草だけでは太らないので、くず大豆を煮たものや糠を与えたりもしますが、そのままだと反すうできないので干し草にからませてやる。羊は四つの胃を持っている反すう動物ですから、しっかり反すうさせることが健康な体を作ります。
山田:いきなり何百頭を飼うと販路の問題が出てきますが、細々とやっている限りは町内に卸すので十分。それだけではなく札幌の会社に卸したり、ホテルと契約したりするのもいいかもしれないですね。というのは、国際会議が行われる時のホテルのディナーは、宗教上の問題から豚肉や牛肉を提供できません。ですから羊肉の需要が高い。その代わり、ホテルと契約する場合は肉の品質を超一流にしなくてはなりません。さらに、切れ目なく肉を出荷する必要もあります。そういった交渉が大変かもしれないですね。でも交渉ごとの感覚は、農業者よりもサラリーマンをやっていた人の方がするどいのではないでしょうか。その他にも羊を呼び水にして農家民宿やレストランをやるなど、羊ビジネスの可能性はいくらでもあると思いますよ。
 




大川剛史

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