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文献紹介2:
まともな食べ物を取り戻す会編「新版・まともな食べ物ガイド」学陽書房
ロックフェラーの経営するカーギル社等の穀物商社の食品は、農薬、化学肥料漬けであり、危険で食べたくない・・こう考える人々が70年代から、自前の無農薬、無化学肥料の食品の生産流通網を形成して来た。組織の数は、本書に紹介されているだけでも日本国内で数百組織、そこに関わる人間の数は百万人を優に超える。
これだけの数のロックフェラー包囲網が、既に出来上がっている。本書を一覧すると、カーギル等を押さえ込む事はかなり容易である事が分かる。
本書に紹介された組織は、流通から出てきたもの、生産者の集団から発展してきたもの等、諸々ある。少し整理すると・・
1. 有機農業の生産活動に専念し、農業技術の研鑽に専念している個人、組織。
2. 1を組織し、生産者団体、流通組織、消費者団体を組織し、有機農業の生産=流通=消費=リサイクルの「社会組織形成」を目指すネットワーク集団。また後継者育成の教育にもこのネットワーク集団は熱心である。
3. 1、2の自然発生的な組織の経験を踏まえ、地域、国家の食糧自給率の向上を目指し、行政等に働きかけ、総合的な食糧自給計画策定を目指すグループ。地方議会、国会の議員とそのスタッフ・グループ。政治集団。
4. 日本の食糧自給率アップは、WTOとその背後にある多国籍の穀物商社との激しい「対立、せめぎあい」によってしか達成出来ない。多国籍企業穀物商社の世界の「食糧支配戦略」を読み解き、分析するグループ。このシンクタンク機能、戦略策定グループが、日本の有機農業には決定的に欠けている。
以上の1~2までの組織、有機農業の「実働組織」は膨大な数が既に日本に存在し、過去30年をかけ十分過ぎる程、経験と実績を積み上げて来た事が本書で分かる。
今後は、3~4のトータルな食糧自給体制確立を目指した政策作り、実行と、多国籍の穀物商社の活動の分析、対抗基軸の明確化が課題となって来ている。
ロックフェラーは市民生活への寄生虫であり、寄生しないと生きて行けない。危険な穀物商社の食品は食べない買わない自前で用意する、そうする事によってロックフェラーは「枯死に」する。原油、エネルギー問題も同様である。富=紙クズのドル紙幣、ユーロ紙幣をいくら大量に持っていても何の意味も無い。ドル紙幣、ユーロ紙幣、金塊をどんなに大量に持って来ても、私達はロックフェラーにはジャガイモ1つ売らない。
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猛獣王S
