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農村を活性化させる為には?

設立一年目にして、2億円を売り上げ、1千万円の営業利益計上した農業集団

独自の生産・販売システムを構築して成功している農業人たちがいる。株式会社信州がんこ村という生産集団だ。

創立者である横森氏は就農当時から「国家公務員なみの年収」「生産者と流通業者が共存できる関係」を目指し、まずは個人として農協を通さずに愛知県にあるスーパーサンヨネと独自の直販ルートを構築。個人農家として成功をおさめた後、株式会社信州がんこ村を設立した。

同社の事業内容は、生産者への技術指導・農業資材の販売・農産物の集荷・予冷・販売などいわば農協と大枠は一緒であるが、その中身は以下に記すように大きく異なる。

●成功の秘訣(その1)は、既存の市場の枠組みに囚われず、皆が喜ぶ新たな流通システムを構築したこと。

具体的には、
・物流コストはスーパー側が負担
・受注生産方式による安定需給
・最低価格保証

とりわけ最低価格が保証されている点が大きい。生産者は安心して農業に取り組むことができるから、金銭的および精神的な余裕ができ、土づくりや栽培によりエネルギーを割くことができる。結果として、商品の質はアップし、消費者の満足度もアップする。

これは当然スーパーにもメリットとなる。

スーパーサンヨネの営業部長は両者の関係継続の理由として、商品力(レタスは甘くておいしい)、人柄(常に前向き。人生の師と仰いでいる)を挙げているが、このほかにも、レタスだけでは4トントラックが満載にはならないため横森氏が紹介した地元の野菜・乳製品を混載してスーパーの物流費の負担を軽減しているなど、お互いの工夫と配慮がこのシステムを支えているようだ。

●成功の秘訣(その2)は、農家=「生産者側」、スーパー=「消費者側」という対立概念を捨て、自然外圧や消費者の期待圧力に対して協働関係を構築できたこと。

横森氏曰く「流通は消費者相手の商売。店は一日も休めないので安定供給を求める。一方、一般的な生産者は、農協や卸売市場に出せば終わりだ。両者のギャップを埋めなければ両者がメリットを得ることはできない。特に、生産者にはなぜ一度決めた契約、出荷量を守らなければならないのかということを理解してもらうのに苦労した。」

例えば、台風で参加農家が収穫を休んだ場合、信州がんこ村の社員がその農家の畑に出向き、代わりに収穫をするということもあったという。すると、農家も家の中にじっとしてはおられずに一緒に収穫作業をするようになった。ユーザーにとって安定供給がどれほど大切かということを、横森氏は身をもって生産者に示し、理解を得たという。

●成功の秘訣(その3)は、参加農家メンバの間で生産能力評価のヒエラルキーを構築したこと。

当初、同社には30名以上の生産者メンバがいたが、栽培技術・野菜の品質・営農意欲にバラつきがでてきた。横尾氏は設立当初に「5年間で栽培技術を高める」という課題を参加農家へ一律に課したわけだが、能力差の問題にぶつかったわけだ。

苦渋の決断として、2005年からは20名については「がんこ村」というブランドで販売を継続し、残りの生産者ついては本人の意思を確認した上で、ブランドを外し、ノーブランド商品を求める売り先とマッチングさせることとしたという。

つまり、既存の市場システムが作り上げてきた「生産者」「流通業者」「消費者」という相対立する概念を取っ払い、お互いを戦略パートナーとして意識し、皆が喜ぶ新しいシステムを模索し、構築しえたことが彼らを成功に導いたといえる。

しかし、彼らの成功を根底で支えているのは、やはり商品力であり、その更に奥には、横森氏自身が祖父から教わったという「土づくり」がある。

>高度経済成長のころ、農薬や化学肥料に頼る「近代農業」が当たり前だった。でもそれは循環型の農業ではなかった。最大の問題は、土がぼろぼろになってしまうことだった。人間ができるだけ楽をして、土の方をぼろぼろにしてしまったのが「近代農業」だから、これが長続きするはずはない。
 やる以上、危険も犯さなくてはといろいろ挑戦した。県普及センターで、自己負担で六年間、試験データをとり、炭に対して勉強した。炭にプラス・アルファすることで、まだまだ素晴らしい結果が出る。炭によって、人生が変わった。素晴らしいエネルギーを持った野菜ができたんです。
 いい土を作るためには、まず、いい堆肥を作ることから始める。堆肥こそ、土の中に住む微生物の栄養源となるものだからだ。堆肥の原料には牛糞、稲わら、樹木の落ち葉などを使っており、私はさらに木酢液も入れている。堆肥に木酢液を振りかけて、それを畑にすき込んで行く。堆肥以外にも、さまざまな栄養の補給を心がけている。だいたい十種類ぐらいの資材は常に手に入れている。<

祖先への感謝、大地への感謝、自然の摂理への感謝が彼、そして信州がんこ村の成功の一番根底に横たわっているように思う。

<参照>
・長野県におけるレタス生産動向と佐久穂村(株)信州がんこ村の取組み(青山浩子)

・国柄探訪: 夢と誇りを持てる農業を

・〝正しい農業〟=横森正樹さんの熱い思い

六文銭
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