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農村を活性化させる為には?

「セミプロ農業が日本を救う③ 日本農業再生の意味

■「セミプロ農業が日本を救う」
 ~成熟化社会を先導する「農」の新たな役割 大澤信一著

以下、本文より抜粋。

【第5章】人口減少・高齢化が農業に与える影響

●農業における高齢化問題
今後の日本社会で最大の構造変化といえば、人口減少と高齢化であるが、農村においてはより一層深刻な問題となっている。たとえば、国民全体で2000年の全人口に占める65歳以上の人の割合は17%であるが、これに対して農業就業人口に占める65歳以上の割合は同時期にすでに53%に近い数値を示しており、2003年の数値では56%を超えている。農業分野の高齢化というのは、国民平均の半世紀ほど先を行っているのである。

●プロ農家育成が不可欠
この問題に対して、家族経営の農業では、生産力という点で今後の農業高齢会に対処することが難しい。この点からは少数精鋭のプロ農家、あるいは法人格をもった農業企業を育成していくことが不可欠である。しかし、日本の農業は高齢化という構造問題や、プロ農家育成問題に十分なスピード感を持って取り組めていないというのが現実である。

●セミプロ農家がトリガーになる
実は日本の食は、少数のプロ農家と、多数派の兼業農家からなるプロ・セミプロ農業の複合体によってしか支えることができない構造になっているのではないか。また、この農業におけるプロ・セミプロの有機的複合体は「食」を支えるだけでなく、今後のわが国の屋台骨もしっかりと支えてくれるだけの力を持っているのではないだろうか。

【第6章】日本農業のミッション

●日本農業の優位性
第一点は、多くの農業分野で、その品質がトップクラスに位置しているという事実である。和牛や、高級果物の食味のよさや、外観の美しさは国内外でよく知られている。また日本の米は非常に美味しいという評価が一般的であるし、農作物全般について、「安全性が高い」という評価も、一般的なイメージとして獲得しつつある。

●本格的に構築すべき日本型サスティナブル農業
日本の農業は地域の限られた諸資源を最大限活用して、人間に有用な諸価値を生み出していくという点では、すでに現在でも国際的に相当なレベルに達しており、またこの分野の技術、ノウハウで独自の役割を果たせる可能性も示しはじめていると思われる。今後は、脱工業化社会の新しいサスティナブル農業のモデルとして、高い国際競争力と意義をもち得る可能性があるのではないか。ここで注目されるべきポイントとなるのは、「限られた資源の有効活用」という点である。

●長い歴史を持つ日本のサスティナブル農業
日本では江戸時代の末期には、江戸の住民の排泄物が堆肥として循環的に利用されていた。この時代に江戸と並ぶような巨大都市となっていたロンドンやパリでは、このような仕組みはなかったというから、日本人のサスティナブルなセンスは、歴史的に見ても相当よい線をいっていた。

鬼頭宏上智大学教授の指摘では、江戸時代末期の江戸では、し尿の堆肥利用が非常に進んでいて、人間10人が1年間に排泄するし尿は、金二分から三分で取引されており、それは米換算で100キログラムに当たる金額だということである。(鬼頭宏著「環境先進国 江戸」PHP新書)。

また、稲作農業の副産物である稲藁の再利用なども伝統的に徹底したものであった。脱穀後の稲藁は田に還元されて翌年の肥料として活用されるほか、各種の藁細工、家畜の粗飼料として利用され、家畜の糞はさらに田畑に還元される・・・など、無駄なところは全く無く、完全利用されていた。

このような日本農業のサスティナブルなセンスは、日本農業の持つ価値そのものであり、これからの脱工業化の時代にこそ、さらに磨き上げていく必要がある。




小松由布樹
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