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農村を活性化させる為には?

日本経済の再生はちょっとした郷土愛や祖国愛で実現可能

『2009/01/25 JOG-Mag No.582 愛国心で経済再生』(Japan on the Globe-国際派日本人養成講座)より転載します。
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■4.日本のおかしな食糧事情■

自給率と言えば、食料の問題もある。日本は世界最大の食糧輸入国で、食糧自給率はカロリーベースで39パーセントと、主要先進国で最低の水準である。

その一方で、政府はコメの減反政策(作付面積を減らして生産量を抑える政策)を続け、今や減反面積は水田の約4割に達した。米作の生産性向上により供給が増える一方で、食生活の変化によりコメの消費量が減り、売れ残りが生じてきたためである。耕作放棄地も、この狭い国土で埼玉県に匹敵する面積となっている。

この状況は国民の大半がおかしいと感じている。95パーセントが食料の確保に不安を感じ、85パーセントの人が減反政策を見直すべき、と考えている。[3]

自給率の低下は安全保障上の問題を引き起こすだけではない。国土の荒廃をもたらし、国民生活に損害を与える。日本学術会議が平成13(2001)年に発表した「地球環境・人間生活にかかわる農業及び森林の多面的な機能の評価について」によると、農地と森林は毎年、次のような効用を生んでいる。[4,a]

・洪水防止機能      3兆5千億円
・水源涵養機能      1兆5千億円
・土砂崩壊防止機能      5千億円
・土壌浸食防止機能      3千億円
・保健休養・やすらぎ機能 2兆4千億円

合計8兆2千億円と、国民一人あたり年間6万5千円もの価値を毎年、生んでくれている。言い換えれば、農地・森林が失われることで、洪水や水不足、土砂崩壊、さらには観光資源の減少によって、国家経済上も大きな損失を被ることになる。

■5.地球0.4周分の食料輸入距離■

さらに海外からの食料輸入は、ムダなエネルギーを使う。

消費される食料の量に運搬距離をかけ合わせたフードマイレージという尺度がある。我が国の食料輸入量(平成13年)は5万8469トン、平均輸送距離は1万5396キロメートル(地球の約0.4周分!)で、フードマイレージは約9千億キロ・トン。世界ダントツの一位で、2位の韓国、3位のアメリカの約3倍と突出している。

全国民の食料の6割を、地球の0.4周分もはるばる運んでいては、輸送エネルギーも膨大である。輸入小麦で作った食パン1斤を国産小麦製のものに変えるだけで、クールビス2日分以上のCO2抑制効果がある、という。

結局、国民が食料安全保障にも、国土保全にも、地球環境にも気を使わず、安くて良いものなら、どこからでも買うという自己本位の消費を続けた結果が、こんな矛盾を生んでいるのである。

■6.「地域の共同体が農業を支える」■

さて、この問題にも磯前教授の提案する「愛国心で経済再生」のアプローチが有効である。実際に各国でそのような運動が始まっている。[5]

北イタリアで始まった「スローフード運動」は、現在100カ国以上に広がっている。ハンバーガーやフライドポテトのような「ファーストフード」が大量生産された輸入食材を使い、世界どこでも均一化された加工食品を提供するのに対して、「スローフード」は「郷土料理や質の高い食品を守る」「素材を提供する生産者を守る」「消費者全体に食の教育を進める」といったテーマのもとに、「地方の食文化」を伝え残そうという活動である。

「農と自然の研究所」代表理事の宇根豊氏はドイツでのこんな体験を紹介している。[4]

ある村ではリンゴをジュースに加工して付加価値を付けて販売していた。そのリンゴジュースが飛ぶように売れているのだそうだ。・・・町の人たちは「このリンゴジュースを買って飲まないと、あの村の美しい風景が荒れ果ててしまう」と言って買うのだそうである。・・・リンゴはリンゴだけでは育たない。

同様に米国でもCSA (Community Support Agriculture)という取り組みがある。「地域の共同体が農業を支える」という意味で、一年分の農産物の購入を事前に契約するなど地域の農業を消費者が支援し、環境保護と地域コミュニティーの維持を目指す活動である。

我が国でも「地域の産物を地域で消費しよう」という「地産地消」活動が広がっている。



猛獣王S
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