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農村を活性化させる為には?

【書籍紹介】バイオビジネス 本物技術と顧客満足の追求者  東農大編

書籍紹介

東農大生物企業情報学科 編「バイオビジネス3 本物技術と顧客満足の追求者」 家の光協会 の紹介です。

本文中で、いくつか紹介されている事例の中で「サカタのタネ」の営業システムを抜粋紹介します。

■サカタのタネの営業システム
 ――ニーズ把握と信頼獲得のノウハウを一般化――

 サカタのタネの前相談役佐久間寛氏は、入社以来、一貫して営業畑を歩み、会社の成長に大きく貢献した。

1)種苗業界ではじめての販売活動の展開
 坂田種苗は、通信販売が中心で創業者は「良いもの(種子)は売れる」という考え方で、種子を持ち歩いての営業や販売は皆無であった。野菜では、全くの後発メーカーであったが、種子をカバンに入れて、福島県、東北地域を手始めに営業活動を開始し、後に大発展することになる。当時の種子販売は、地方に代々続く種屋(種子商店)と農家との一体感が強く、後発の知らないメーカーから種子は入れないという厳しい状況であった。
 種苗の営業は、野菜の春蒔きと秋蒔きの時期に、全国の種苗店を順次回って営業活動を行う。そのために種苗店といかに信頼関係を築くかが種苗メーカー最大の課題。

2)信頼を勝ち取る営業ノウハウ

①人と話すときは、相手の目を見てしっかり話せ。
 「相手の目を見て話をすれば、相手は、絶対に嘘は言えない。だから必ず商売のことでもなんでも、目を見て話をすることが大事である。」

②お店に行ったときに、伝票の氏名や住所は何も見ないで書け。
 「店に入る前に覚えればいいんです。それから前の年に何をどれくらい注文してもらったのか、全部頭の中に入れておく。その産地の状況も把握して会話をする。そうすると、『あ、この人は自分の産地まで勉強してくれているのか』ということになって、信頼感をもってくれる。」

③産地の情報をできるだけ収集せよ。
 「市場に行くと、どこの県のどこから何が入ってくるのかが全部わかるんですよ。市場に行って勉強して、どこからどういうに荷姿で入ってくるのかを見るのです。」

④会った人の特徴や性格などは覚えておけ。
 「必ずその人の特徴なりを全部頭の中に入れておいて、2回目、3回目に会うときに、その人の特徴にそった話題で話を進める。そうすると必ず本音で話せるようになる。信頼もできてきて、困ったときに逆に助けてくれるようにもなる。」

⑤相手が間違ったことを言ってもその場では否定せず、次回会ったときにその誤りを丁寧に説明せよ。

⑥お客さんが他社の種を使っていても、批判や自社の宣伝は一切しない。5年先、10年先を見越して、自社種の栽培試験を依頼する。そしてそのときは圃場の真ん中で行うようにお願いする。
 「相手の取り扱っている種子が100%他社の種子であり、地域特性から最適な種子でない場合など、『他社の種子よりうちの種子のほうがいいですよ』なんて1回も言ったことはない。そういう品種が長続きするわけがないんです。必ず3年先5年先にはそのつまずきがきます。ですから、必ず試験栽培だけはしておきなさいと。その栽培のなかにサカタの品種を入れてくださいとお願いします。

⑦産地作りのはじめは農家の奥さんたちに説明せよ。
 「われわれが産地作りをしたときは、男の方は来る必要はないと、全部農家の奥さんたちを夜、公民館に呼んで、それでトマト、キュウリの作り方を教えたんです。男の人は酒を飲むだけで、農家で仕事をしているのは奥さんなんです。奥さんが熱心になれば、それで奥さんに現金収入ができれば皆で旅行しようじゃないかと、温泉旅行しようじゃないかということで、経済連の課長、部長それから県の普及員の先生、県の園芸担当者の方にも来てもらい、夜、2時間なり3時間なり、公民館で話をするわけです。少しずつ利益が出るようになると結局、親父連中が本気になって、産地を作って行くわけです。」

以上のような営業マンとしての基本姿勢を常に心がけながら保守的な農家や農協の壁を打ち破り、信頼の輪を大きく拡大していった。種苗店や農家のニーズを徹底的に解明して、技術部門に伝えて、最も望まれる新品種の開発をともに行った。開発された新品種は有力農家の圃場で試験栽培をお願いし、その結果をもって地域の農家、種屋、農協への普及と名前の浸透を図るとともに、市場(卸売りや仲買人)への売り込み、そしてスーパーなどの大手取引先の開拓など、生産から消費全般にわたる産地ケアー体制を確立して、産地作りを指導した。
 こうした佐久間氏の努力の結果、東北地域全体にわたってキュウリ、トマト、ダイコンの大産地をいくつも作り上げることに成功した。こうした営業システムと技術力が結びつき、サカタに飛躍的な発展をもたらしたのがプリンスメロンの開発。
 1982年佐久間氏は、本社の卸部(野菜種子営業部)次長に就任。営業を順調に増進させ、同社最大の売上利益をもたらす営業部となった。翌年の決算では売上高200億円の大台を超えた。




長谷暢二
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