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農村を活性化させる為には?

世界の小農に宿る「自給の思想」が未来をひらく、3.アメリカでも小規模農業を守る動きが

農業関係の書籍、雑誌を出版している「農文協」の主張より(現代農業・2009年1月号)。

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以下引用・・・・

アメリカでも小規模農業を守る動きが

 企業的大規模経営の御本家、アメリカでも家族・小規模経営を見直す動きが広がっている。

 1981年、カーター政権の農務長官をつとめたボブ・バークランドはアメリカ農業が抱える構造的な問題について1年半をかけた実証的研究を行ない、「選択の時4」と題するレポートを公表した。「化学物質や石油に依存しきった慣行農法により、構造的な生産力の低下が生じていること、大規模な農場に利潤が集中する偏った利益構造が存在すること、農業生産では大規模化がもたらす経営採算上のメリットが乏しい」ことなどを指摘して、規模拡大を助長している農政の抜本的転換を訴えたのである。

 この訴えはアメリカ農務省「小規模農場に関する委員会」に引き継がれ、1988年のレポート「行動の時」によって大規模経営偏重農政の見直しが開始され、小規模農業のもつ多様な公的価値を追求していくことになる。

 たとえば、日本有機農業研究会がすすめる産消提携をルーツにしたCSA(Community Supported Agriculture 直訳すると「地域に支えられた農業」) が注目されている。子育てや生活技術の伝承の場である小規模家族農家を核に、数十人から数百人規模の消費者が協力し補完しあうコミュニティづくり活動である。一方、カリフォルニアでは学校菜園「エディブル・スクールヤード」を活用して、持続的な農業の取り組みとともに、地域の自然と文化の多様性を守り、「荒れる学校」をよみがえらせる食農教育活動が3000校以上に広がっている。

 アメリカの大規模経営による化学物質に依存する収奪的な農法に反省を求めた先駆者として、F・H・キングがいる。ウィスコンシン大学教授であり、農務省土壌管理部長も務め、アメリカの土壌物理学の父とされたキングは、今から1世紀前の1909年(明治42年)に日本、中国、朝鮮の農業を視察し、アメリカ人の目で初めて、東アジア農業に光を当てた。「4000年にもわたって、なお現在これらの3国に住んでいるがごとき稠密な人口の維持のためにその土壌に充分な生産をなさしめることが、いかにして可能であるかを知りたいと願った」キングは、4カ月半にわたって農業と農民の暮らしを見つめ、その見聞記を『東アジア四千年の永続農業』としてまとめている。

 キングが見たものは、たとえば「厖大な廃物を忠実に貯蔵し、毎年田畑に返却している」事実であった。「極端に文明化せる西洋人は経費をかけて塵芥焼却炉を設け、汚わいを海中へ投じているのに、中国人はその両方を肥料として使用している。それでは衛生上どうかといえば、中国の衛生学は中世英国に比較すれば、より優っていると思われる。事実、最近のバクテリアの研究によれば、汚わいや家内の塵芥はそこで自然の浄化作用が行われる清浄なる土壌に返されることによって、最もよく分解されるからである」

 このキングの東アジアへの旅は「巡礼」だったと、キングの翻訳本の解説で久馬一剛氏(京都大学・滋賀大学名誉教授)が述べている。「…ここに見るべきは、19世紀末から20世紀初頭にかけてのアメリカ農業が、豊かな処女地を求めての西漸の過程で、略奪農法による広汎な土壌肥沃度の収奪と表土の侵食による激しい土地荒廃をもたらしていた事実である。キングはこの現実を見て、有史以前から連綿と行われてきた東アジア四千年の農業の中に、その永続性の鍵となるものを自ら探り当てたいと考えたに違いない。かくして、キングの旅はさながら求道者の修行に似て、車中であれ船上であれ、農地のたたずまいと農民の働きを観察し続け、農家に足を運んでは進んで農民に話しかけ、彼らの作業の意図を問い、生活の実態を記録する日々を重ねたのである」。

 廃物利用だけでなく、運河(用水路)の整備と底泥の活用、燃料や建築資材、織物原料など、生産と生活の全般を見聞したキングが心に焼き付けたのは、狭い耕地を総合的に使う東アジア農民の「自給の思想」だったにちがいない。

・・・・引用続く

レオンロザ
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