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農村を活性化させる為には?

日本の農業も転換期 ~「農林水産環境政策の基本方針」が目指すもの2


(続き)

3、転換のバロメーター
当然のことながら、この方針は「豊かな自然環境の保全・形成のための施策展開」のための基本方針だ。ところが、日本の農業と農政の最大の「闇」は、その自然環境の実態と、百姓仕事との関係がまだよく認識されていないことである。
だからこそ、農と自然の研究所が設立されたのだが、方針では「水田周辺地域の生態系の現状を把握する[田んぼの生きもの調査]を実施します」と宣言している。この認識を高く評価する。間違いなく、この調査を誰がやるかが、今後の「環境政策」を行方を占う上で最も重要になる。
 
私は百姓がやるしかないと考える。同時に、それを支援する公的な機関の存在が不可欠になる。
なぜなら、
(1)自然環境を守る主体が登場し、環境の実態を自覚しなければ、この後の環境政策の展開の主体がまた「関係機関」になってしまうからだ。
(2)百姓だって、簡単にはゲンゴロウとガ虫の区別はできない。作物の栽培を勉強し、研究したように、百姓も自然環境の調査・把握法を学習しなければならない。そしてそれを百姓の独学に頼るのではなく、支援・教育する体制を組み立てないといけない。(蛇足だが、それを普及センターや農協がやらないなら、土地改良区や共済組合や○○○がやってもいいのである。どこもまだ素人だから)
(3)全国くまなく、自然環境の衰えを(豊かさをと言いたいのだが)つかむには、そこに住む百姓がやるしかない。その情報は「生物指標」としていかされ、その調査技術は農業技術に格上げされていくだろう。
(4)この調査の本当の目的は、自然環境を再生してことである。そうであれば、自然の生きものがどういう百姓仕事によって支えられてきたかを突きとめなければならない。そして新しい「環境技術」(ほんとうは古いものの中にあるのだが、気づいたときには新しく光を放つ)形成の主体は百姓以外には存在しえないからである。

そう言う意味で、この調査がどう進むかが、日本の環境政策の成否を占うバロメーターになる。

従来の農業技術や農業経営は内部経済(カネになる世界)だけで、考えられてきた。しかし、農業の価値はカネにならない世界も大きい。自然環境に優しい農業技術に対して直接支払が行われれば、非カネがカネになるのだから、これを「外部経済の内部化」と表現する。これが環境政策の基本理念になる。
しかし、外部経済の内部化だけが大切ではない。カネにならなくても、自分が褒め、みんなが褒めればいいのである。そういう「国民合意」がえられればいいのである。そのために何をするかが重要だ。

::以上引用:::::::::::::::::

※現在のマスコミの論調は、日本の農業の弱さは零細農業・兼業農業に原因があり、生産性の低さ・市場競争力の弱さがそのまま農業全体の衰退を招いていると分析している。
そこで今後の戦略として考えられるのが、企業による農業への参画であり、大規模化・効率化・市場商品開発分野での高度化を実現することで、この停滞を打破し、国際的な競争力をつけること、さらには自給率問題も解決することを目標としている。

しかし農業の「市場化」だけが現代の農業問題を解決するとは考えにくい。上記のサイトでも指摘されているが、「農業の価値はカネにならない世界も大きい」。
このカネにならない価値を明確に定義することは難しいが、大きな判断軸として、「必要か否か?」という判断に基づく選択を考えたとき、現代の価格価値は必要性の乏しいものに法外な値段が付いたり、その逆もあったりしているのが事実であり、多くのひとがこの違和感を持っている。

農業に関して考えてみても、上記サイトの提言にあるように、農家・農業の自然環境の変化を調査する行為や、過去の農業技術(先人の知恵)を伝達・継承していく勉強会、さらには地域社会・共同体・婚姻形態の歴史調査などまで枠を広げて考えた場合、それらの調査・追求・発信は、次代を考えるうえで非常に有効な提言となり、多くの人にとって「必要な行為」と認められるのではないだろうか?
(これも農業に対する大きな期待となる)

市場化を推し進め競争力を獲得する課題と、農の持つ多面的な価値を再発見し、次代に継承していく課題とどちらが「必要な課題」であろうか?

現在はEUも含めて政府主導で農業政策の大転換を進めようとしているが、それが実現されるかどうかは、私たちの認識転換にかかっていると感じる。

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