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農村を活性化させる為には?

みずほの村市場1~直売所のデータ、20年の歩み

全国に広がる農産物直売所の中でも屈指の成功事例といわれる「みずほの村市場」(茨城県つくば市)。
その成功の秘訣は何か? 設立から20年の歩みを見ると、実に様々な手を打ってきているが、一貫しているのは「本物の農産物を提供する」「再生産可能な適切な価格設定」「品質と技術の向上」といったあたり。つまり、「生産者=農業経営者の意識を引き上げて、強固に組織化すること」が中心ポイントだと考えられる。

【みずほ20年の歩み-農業の新しい時代を切り拓く-】(2010年11月 株式会社農業法人みずほ)より抜粋して紹介する。
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■「みずほ」直売所のデータ ※全て2010年11月時点の情報
①設立年月:1990年(平成2年) 10月

②運営の仕組み:「みずほ」は農産物の生産者との聞に委託販売契約を取り交わし、直売所「みずほの村市場」で農産物を販売する。

③取扱い品目と販売額(2010年7月決算時点)
野菜・果実等・・3.70億円  花木・苗等・・1.19億円
自然食品・・・・0.77億円  蕎舎・・・・・0.52億円  その他・・0.82億円

④生産者の組織と活動
直売所「みずほの村市場」で農産物を販売する生産者は、現在49名である。創業当初と比べて生産者の平均年齢は若くなり、若者が増加している。生産者は、1994年から「生産者みずほ会」を組織し、活発な活動を展開している。恒例の行事となっている年越し蕎麦の販売、米作り体験活動、みずほの村祭りの開催、手打ち蕎麦愛好会の活動、子供達のための「ひまわり迷路」などのイベントに取り組み、消費者との交流を深めている。経営の組織構成は、農産物直売所、蕎舎(そばや)、食品加工所、堆肥センター(堆肥舎)、みずほ農場(ハウス)、みずほの村市場合同会社などである。

⑤消費者会員
会員数:約14,500名(年会費1,000円の会員証の発行数)
年間延利用者数:約30万人 1人当たり客単価約2,000円 
利用者の居住地域:茨城県つくば市、土浦市、取手市、牛久市、龍ヶ崎市、千葉県我孫子市、柏市、野田市、流山市、松戸市、東京都(全体の約一割)、栃木県、埼玉県、群馬県など

⑥敷地と施設(敷地:4,040㎡)
農産物直売所(売り場)・・・300㎡  花用のハウス(売り場)・・・330㎡
苗用のハウス(売り場)・・・660㎡  事務所・研修所・・・・・・300㎡
食品加工所・・・・・・・・ 50㎡  蕎舎(そばや)・水車小屋・・200㎡
堆肥舎・・・・・・・・・・400㎡  駐車場・・・・・・・・・1,800㎡



■みずほの歴史
農業生産者自らが再生産できる価格をつけ、「安売りより品質で勝負する直売所を立ち上げよう」という長谷川社長の決意のもと、1990年10月、3戸の農家が出資し、「有限会社みずほ」を設立した。オープン当時、農産物を出荷する生産者の数はわずか8戸からのスタートであった。

消費者を「平等に扱う」という目的で、消費者会員制度をいち早く取り入れた。お店のコンセプトは、①「花は心の栄養」、②「体の栄養が農産物」、③「安心できる無添加食品」の3つに絞った。長谷川社長の知人に花の業者がいたため、直売所での花の販売が決まった。メインの農産物は、栄養のある高品質のものを再生産可能な値段で販売しようとした。生産者を選ぶ際にも「本物を守る」ことにこだわり、友人や仲間ではなく、地或の野菜作りの名人達に直売所への出荷をお願いした。さらに、農産物だけで充分でない品揃えを無添加食品で補おうとした。

商品に対する「こだわり」を意識して品質の良いものだけを置いたところ、「直売所は値段が安い」という固定観念を持つ消費者からは、値段が高いことに納得を得られず、当初は「高い」という評判だけが広まった。それでも、品質の良さを理解していただける人達の間で会員も増え、設立1周年を待たずに、年商1億円を達成した。

生産者の数は5年目で35戸と設立時の4倍以上に増え、最近では50戸前後で安定している。設立当初と比べて農業後継者や新規就農者といった若者の参入が増えている。日本農業の担い手の高齢化が進む中、「みずほ」の直売所で再生産可能な価格で農産物を売ることができる生産者には「後継者がいる」という事実がある。

生産者の組織である「生産者みずほ会」が設立されたのは1994年である。現在では「みずほ農業経営者会」と名称を変更し、目的も「会員相互の協力と自己主張と自己責任の基に、消費者との信頼関系を構築することにより経営の安定的向上を図り、地域社会と共生し、その発展に寄与することを目的する」と設立当初から大きく進化している。「農業者は経営者である」ことを強く自覚させる内容であり、農業者として最低限の資質があることを前提に、さらに「意識が高い農業者」であることが求められるようになった。「みずほ」の生産者が最初から特別なのではなく、時間をかけて生産者の意識が変わっていったからこそ「みずほ」もここまで成長できたといえるのかもしれない。

1997年には、創立7周年記念事業として「ひまわり迷路」が作られ、8月の1カ月間開園し、10,000人を越える来場者が訪れた。以後「みずほ」が毎年借り上げて、農業体験を交えた「生産者と消費者の交流の場」として活用されることになる。

1998年には「権利金制度、報奨金・反則金制度」を導入して、生産者の意識改革を行った。また、この年には、消費者モニター制度が導入され、年4回のモニター会議が開催されるようになり、生産者と消費者の交流による信頼関係が更に深まるその切っ掛け作りが行われた。

2000年には、本物の食文化の提供を目的に「蕎舎(そばや)」を開店し、意識改革の一環として「商品管理のペナルティー制度」を導入した。また、千葉県の浦安魚市場への土日の出張販売も始まった。当時の年間売上額は約4億円と、現在の6割程度であり、「みずほ」で売り切れない農産物を市場出荷するなど、他の流通経路を通して販売する農家も多かった。そこで、新たな売り場として浦安魚市場での販売を決めた。

2001年からは、消費者会員に向けた「みずほ」のオリジナルカレンダーを作り、無償で配布するようになった。出荷・販売の計画も、以前より正確になり、様々なイベントも恒例になってきたことから、前もって消費者に年間のスケジュールを伝える手段として作成された。毎年テーマを設け、「生産者全員の顔写真」を入れたり、「旬の農産物」をクローズアップしたり、月の満ち欠けが判る「太陰暦」(旧暦)をテーマにしたりした。

2005年には、直売所の全面土間化・レジの増設・売り場の改善等の店舗改装が行われ、携帯電話により販売の状況が逐次メールで送られる新POSシステムを導入した。より的確で迅速な売上げ状況を知ることができるようになり、生産者が無駄なく追加納品できる良い判断材料が提供できるようになった。

20年の歳月をかけて、「みずほ」の直売所の総売上げは、約1億円から7億円超にまで増大し、生産者(農業経営者)一戸当たりの売上げも平均で約850万円に増加しており、これまで一貫して「再生産価格」を堅持し、消費者との信頼関係を構築することが出来たと考えている。
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岩井裕介
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