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農村を活性化させる為には?

農耕の園 杉・五兵衛①~農業は空腹しか満たせんもんじゃない~

最近農への関心が高まってきている。この農への関心の高まりは、危機感だけではなく同時に今後の何らかの可能性=期待感を内在している。そしてこの期待感とは農の多面的価値=意識生産にある。

『【企業が農業に参入するのは何で?】第十五弾 ~農業とは「物的生産」ではなく「意識生産」である~』(リンク)

この農の多面的価値に注目し、今後の日本の農業を見つめ続けてきた『農園 杉・五兵衛』を紹介したい。(農業経営者より引用)

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堅島(のじま)五兵衛さんは専業農家である、数百年前から先祖代々、ここ枚方市郊外で農業を営んできた農家の長男だ。しかし、この人には「果樹農家」「施設園芸農家」といった型にはまった肩書きが付けられない。

自作地4㎞、借地1㎞の園内には、畑も水田もあり、スモモやブドウ園があり、柿、グミ、ミカン、山桃、梅の木があり、イチゴハウスがある。かと思うと、花菖蒲やアヤメ、ボタンなどの花々や、タケノコを収穫する竹林、タラの木もある。「栽培品目数なんて数えたことがない」と本人がいうほどの超多品目栽培なのだ。

さらに、池には鯉が泳ぎ、「目がかわいくて」飼い始めたというロバと、馬(道産子)が約30頭。ウサギや羊、ヤギまでいる。ちなみに、ロバや道産子は、農地への堆肥供給の役割を担う。羊やヤギは、夏場になると園内の"除草役"も果たす。そして、他の動物たちとともに、農園を訪れる消費者たちを楽しませる"景観動物"でもある。

堅島(のじま)さんが就農した1973年当時、園内は一面の畑だったという。根菜類を中心に大阪方面へ市場出荷する、典型的な都市近郊農業だった。農業基本法のもとで、単品大量生産による産地形成が全盛だった時代のことである。

ところが就農した堅島(のじま)さんは、逆にイモ畑をつぶしてレストランを作り、野菜畑に果樹や花々を次々に植え始めた。そして、園内で収穫される農産物を「農園料理」としてレストランで提供する、生産・加工・販売の一貫経営に転換した。

筆者が初めて堅島(のじま)さんにお会いしたのは7年前のことだ。「飽食の時代といわれているのに、なんで隅から隅まで野菜を作らないかんのや」と笑った堅島(のじま)さんが、その時こういった。

「農業が空腹しか満たせないようやったら、ただの農場や。俺は、農業は空腹しか満たせんもんじゃないと思っている」

もともと農耕とは、種を播き、土を耕し、作物を育てて食べるまでの過程全てを包括していた。花が咲き、実がなる風景は人々の心を和ませ、収穫される農産物は、それをいかに食べこなし、貯蔵するかという食文化も生み出してきた。堅島(のじま)さんが目指したのは、そんな農耕の園だった。

農産物を生産するだけの農場ではなく、農耕文化がもともと持っている様々な要素を生かした農園。まずは、そこで働く自分自身にとって快適な空間であり、同時に、消費者にとっても魅力があり、ビジネスとして経営が成り立つ空問。それを具体化したのが「農園杉・五兵衛」だった。今でこそ、農園レストランも市民権を得ているが、1970年代当初に「加工・直売は農業経営の一貫だ」と主張して、堂々とレストランを作った農家は珍しい。

後に詳述するが、昨年5月には、新たに喫茶部門としてテラスハウスも建設している。これも、「"焼く"という行為によって、果樹や野菜も、料理とは全く違う使い方ができる」と考えて始めたという。

そこではケーキやパンだけでなく、タケノコの佃煮やジャム、干し柿などの加工品も販売する。レストランもテラスハウスも、堅島さんにとっては、あくまで「加工直売所」なのだ。
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②へつづく

三浦弘之
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