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農村を活性化させる為には?

週休五日制の三世代菜園家族構想②-菜園家族を社会のあり方から観る

□菜園家族とは
菜園家族は、週に五日は家庭菜園など自給的生活を送り、週2日は賃金労働を送っている子・親・祖父祖母の三世代で暮らす家族形態です。

このような家族形態と社会構造の再生を提唱するに至った背景には、現在の社会が抱える問題と、生命現象についての洞察があります。

■現在の社会問題を背景に家族の役割を再認識する。(以下著書『菜園家族21』などからの要約・編集及び筆者との会話などを通してまとめたものです。)

家族というものは本来“いのち”と“もの”を再生産するための人類にとってかけがえのない場だった。人類史上、人間が未発達で、能力も全面的に開花していない段階にあっては、人類の諸能力を引き出す優れた“学校”としての機能も果たしていた多機能体だった。

その家族は産業革命以降、社会的分業化が進んだことで、上の諸機能は家族の外へ流出し、家族の基盤は根こそぎ揺らぎ始めた。

果ては工業と農業が家族の外に追いやられて、大地を失い賃金で生きざるを得ない状態になってしまった。この結果、大地を失ったことで子どもに継承するべきものさえ失い、その結果代替物としての“教育”熱が過熱することとなった。

そしてその流れで、社会は「学歴社会」へと移行していき、学歴社会のヒエラルキーの中では、ごく一部の勝者のみが勝ち残るという構造が生み出された。また、同時に都市化も生じ、都市への流入によって、自然そのものと子どもがふれあう時間が減り、また家族の解体により、下の子の面倒を見たり、祖父母の世話をしたりという、子どもの成長段階に準じた「役割」自体も失われてしまった。

このようにして、家族はばらばらの行動を余儀なくされ、空洞化→これが新たな社会問題を噴出させるという悪循環を催すに至っているのが現代社会の姿である。

現代の社会状況を振り返ると、最も大きな問題点(転換点)は産業革命によって、急激に生産手段が失われ、根無し草同然になった現代賃金労働者とその家族のありようにある。

よって、この家族たちに生産手段を取り戻し、現代賃金労働者という面とその両方を再結合した「菜園家族」を創出し、疲弊しきった家族を自立したみずみずしい家族にすることが、菜園家族構想の根幹になる。(ここでいう「家族」の形態は従来でいう「核家族」や「大家族」というもののみ拘泥するわけではなく、例えば血縁とは無関係な様々な形態の「擬似家族」も想定できる。)

市場原理主義の社会にあって、市場競争の荒波に耐え、家族がまともに生きていくためには、まず家族は、生きるために必要なものは、大地に直接働きかけ、できるだけ自分たちの手で作る、ということを基本にすえる必要がある。このことにより、現金支出の割合をできるだけ小さく抑えることができる。

また、五日間は地域ですごすことになるので、家族や地域での交流の時間(滞在時間)が増え、自家の生産活動をはじめ、地域での創造的で人間性豊かな活動に携わり充足を得ることができる。

菜園家族の際立った特徴は、三世代の家族だが、週に五日間、菜園の仕事をすると同時に、家事や育児や子どもたちの教育、それにこうした新しい文化活動をしながら、両親を基軸に、子どもたちや祖父母の三世代家族が、全員そろって、協力し合い、支えあっている点にある。
 
両親が基軸になって活動しながらも、子どもたちは年齢に見合った活動をし、祖父母は祖父母の年齢にふさわしい仕事をすることになる。それぞれの世代、性別によって仕事の種類や年齢はきわめて多様だが、この中で菜園家族に蓄積された技が親から子へ、子から孫へと代々継承されてゆく。

しかし、一方で菜園家族は単独では存在し得ない。菜園家族を創出するためには必要不可欠なものは、社会がその仕組みを保障することのほかに、「森と海を結ぶ流域地域圏」の再生であり、「菜園家族」と「森と海を結ぶ流域地域圏」は不可分かつ同時に創出すべきものである。

森と海を結ぶ流域地域圏の基礎単位に菜園家族をすえるということは、その農的な性格上、流域地域圏では「森」と「水」と「野」という三つの自然要素リンケージを基礎に、新たな“共同の世界”がよみがえらせ、それを熟成する方向をたどるこどである。その結果、近世のムラの系譜を引く、今日の衰退した「集落」は、新たな地域再生の基盤として生まれ変わっていく。それが、「なりわいとも」である。


千葉裕樹
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