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農村を活性化させる為には?

魅力ある都市農業をめざして ~白石農園の取組み③ 畑がディケアの場になった-メンタルケアの場としての農園作業-~

■畑がディケアの場になった-メンタルケアの場としての農園作業-
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●畑がディケアの場になった
風のがっこうの参加者の一人に、練馬区の保健相談所に勤める保健師さんがいます。私が障害者の受け入れも考えていると話したのを聞きつけたらしく、「精神障害のある人(精神分裂病)を、ちょっと畑に連れて行ってみたいのですが」と、98年5月に打診がありました。

(中略)

その保健師さんは、精神障害のディケアを週に1回行っているとの事で、彼らは精神病院に入院するほどの状態ではないけれど、社会になかなか適応ができない。
それは、受け皿がないからです。
社会復帰の準備・リハビリをする目的で働ける協力事業所を斡旋していくのも、保健師さんの大切な仕事だそうです。

畑がディケアの場になるわけで、私にとっては望むところです。
「とりあえず連れて来てください」とだけ答えて、翌々日には彼らが畑にやって来ました。
そのときは6人(男性5人、女性1人)が顔を見せ、やがて4人の男性が定期的に訪れることになりました。

●てきめんの効果に、みんなが驚く
2年間通った20代の1人の状態には、非常に大きな変化がありました。
ディケアの場ではすぐ妄想のような感じが出てしまい、10分も座っていられなかったのが、畑に通いだして1週間くらいで1時間座って作業できたのです。
半年後には、半日でも続けられるようになりました。
それまで、仕事らしい仕事はしてこなかったそうです。別の保健師さんが様子を見に来られて驚いていました。
「保険相談所に来ているときと全然違います。どうして、こんなに頑張れるのでしょうか?」

どんな作業かというと、ほうれん草を畑から運んできて、黙々と束ねるのです。
「1束つくると基本給に20円プラスしてあげるよ」と話したところ、自立したいという気持と、お小遣いが欲しいという思いを良い意味で刺激して、集中力へとつながったようです。
彼は1ヶ月に1回、精神科医の訓練を受けに行き、農園の話を15分ぐらいひたすらするといいます。
それまでは座っていられないから、診療室にいてもらうのさえ大変だったのに、農園の話に没頭するまでになったわけです。
そして、「先生、きょうの話はこれで終わりです。次にまた報告します。」と元気に言って帰るようです。
畑での作業が彼にとってはとても良い方向に作用し、就労活動を開始するまでになりました。

●自立を促す一歩進んだケアの形を模索
私は最近、彼らに病気から立ち直っていく努力をもっとしてほしいと考えています。
彼らが農作業にだいぶ慣れ、付き合いが深まるにつれて、もっとできるはずだと思い始めてきたからです。
ところが、実際にはなかなか先に進めないのです。何が壁になっているかというと、「精神障害者である」ということへの彼ら自身の甘えがどこかにある点だろうと。
農作業を足がかりにして、社会復帰していこうという意欲を引き出す方法を模索したいと感じています。

わが農園は現在、通院のかたわら働く福祉作業所としての役割は果たしています。
とはいえ、社会復帰へと意欲的に働き出す刺激にまでなっているかというと、十分とはいえません。
たしかに初歩段階では「毎日、通えるところができた」だけでいいでしょう。しかし、通うことと農作業にある程度慣れたときには、次のステップへ進むための仕掛けが必要になってきます。

社会復帰のための受け皿としての役割を担っているのであるから、もっと社会へつなげる工夫を考えなければならないと思っています。
彼らにとって農業という環境は、とりあえずなじみやすい。だから、頑張って続けています。しかし、そこで甘んじるのではなく、もう一歩進めないと、本当の社会復帰にはつながりません。
安易に「頑張れ」と言うのは良くないだろうけど、現状から抜け出そうとする強い意志をもたないと、農園は居心地の良いぬるま湯に終わってしまいます。それを私は懸念しています。

私の農園にいつまでもいるのはラクかもしれません。でも、正直なところ、それではダメだと思っています。
「このくらいしかできないだろう」という自分への先入観を突き破り、外に出て行こうとする意志を育まないと、お手伝いの域を出られません。
専門家によれば、実際にそういう状況が多いのだそうです。
(中略)
彼らのケアの場として農場をどう位置付けたら良いか。どういうステップを踏んでいけばいいのか。それが今後の大きな課題です。

私がこの分野の専門家になることはできません。けれど、障害者とかかわる現場を数多く経験している人から情報や知恵をもらって、役立てていかなければならないと思っています。
精神科の医師やソーシャルワーカーと情報交換し、勉強していこうと思っています。



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