つまりこの農業インターンシップそのものは、当面の利益には直結しない、社会性の高い活動なのである。就職だけでなく、実際学生からは金を取ることも困難であろう。
そして需要はあるが積極的に遂行する,あるいは遂行できる主体が不足していくことになるだろう。

おそらく本来は学生の受入は一法人が行うのではなく、「ムラ」が行うべき性格のものなのであろう。実際特に稲作等はその地域と密着したものであり、特に水管理などはムラの共通の課題である。だから宿泊先も各農家で分担するか、公民館や寺に宿めて、村の人が順繰りに話しをしにいってやるという姿が望ましいのであろう。何よりも学生は、農業を行ってきた人の経験や、村の生活や文化にも触れたがっているのだから。
(ただし現状はムラの人の意識と都会人のギャップは結構大きいし、かつ家に外の人を泊めるのを敬遠する人が大半であるので、これはこれで困難が大きいが・・・)
その意味で研修事業や学生の受入は単一の主体(農家や法人)ではなく複数主体のグループとしての合意と協同が不可欠であろうし、その方が来る学生にとっても、その地域が良く分かり、多面的な経験が可能になるのではないだろうか。(因みに以前上げた山形県の高畠町でも「たかはた共生塾」という形で、地域の意欲の高い複数農家が結束して受入を行い、夫々の経験を連日、研修や体験に来た人に分担して、語っている)
北村浩司
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