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農村を活性化させる為には?

農地をむらから切り離してはならない②

引き続き農文協の「主張」リンクより転載します。
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お門違いの高齢者農業・農地法犯人説
 財界や菅直人首相が大規模化や強い農業を叫ぶとき決まって持ち出すのが平均年齢65.8歳という日本農業高齢化の実態だ。そして、だからあと10年で農業は成り立たなくなる、だから新しい血、たくましい企業に門戸を開かなければならない、それを妨げている農地法の更なる改正=一般法人への農地所有権解禁が必要だ、それをしないから耕作放棄地がどんどん増える……とくり返す。思いつき総理の名にふさわしい、どんどん飛躍する「論理」である。

 第一に高齢化のために農業は成り立たなくなる、という想定は誤りである。そもそも米農家に後継者がいない訳ではない。だが“米では飯を食っていけない”から兼業に出て、定年になったら年老いた親とバトンタッチして米作りに励む。順繰りの世代交代なのだ。「このようにして、高齢農家が次々と新しく生まれてくる。高齢化の構造とは、このようなものである。今後、高齢化が進み、その結果、農業者が激減する、という想定は、こうした実態を見ようとしない者、あるいは、見ることのできない者が犯しやすい誤りである」(森島賢「TPPと日本農業は両立しない」農文協ブックレット1『TPP反対の大義』2010年)。

 農地法が一般法人への農地所有権を閉ざしているから企業が参入できず耕作放棄地も増えるというのも事の本質をはきちがえた俗論だ。本当に農業をする気なら「別に農地を所有しなくても借地で十分であり、借地なら農業生産法人方式でもいいし、農業法人の要件クリアが煩わしい、あるいは経営支配を確保したいというのなら、現在では株式会社がストレートに借りることもできるようになった」(田代洋一「日本農業のネックは農地法なのか?」農文協ブックレット2『TPPと日本の論点』2011年)。にもかかわらず所有権に拘るのは農業以外の何か別の目的があるのではと疑われても仕方がないと言わざるを得ない。

 耕作放棄地についても、そもそも農外企業が耕作放棄地に進出しないのは採算の見通しが立たないからであって、農地法が関所になっているからではない。

 東京大学准教授の安藤光義氏は、全国農業会議所や農水省の各種調査を踏まえ、耕作放棄地が増える原因は直接には高齢化・労働力不足だが、その背景に米価の下落を始めとする「経営環境の悪化」があり、それが「農地需要の縮小となり、耕作放棄地の増加をもたらしている」と指摘している(安藤光義「農地保有の変容と耕作放棄地・不在地主問題」シリーズ地域の再生第9巻『地域農業の再生と農地制度』2011年、農文協)。

 その上で安藤氏は長野県上田市の「農地なんでも相談会」や福島県相馬市の、子どもを含む市民を巻き込んだ耕作放棄地削減の取り組みを紹介している。そして、「担い手が不在の地域こそ耕作放棄は深刻な問題なのである。そうした地域では構造再編と耕作放棄地解消を結びつけるのではなく、地域活性化を前面に据えた取り組みのほうが有効ではないだろうか」と結んでいる(安藤、同上論文)。

 また右シリーズの続巻である『里山・遊休農地をとらえなおす』(仮題)では日本の里山・草地が生物多様性を維持してきた過程を長い歴史にそってつぶさに振り返りながら、地元農家だけでなく市民と共にそれを維持・再生していく「新しい入会制」=総有を提唱している。農地制度を見直す必要があるとすれば、そんな脈絡でのことだろう。

 以上、日本農業の構造問題の一端だが、このように農業や農村の現実は政府や財界が権利調整したり農地法を更に改正すればすむという単純なものではない。そして、単純ではない現実を熟知しているのは、他ならぬ農家農村だ。
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続く


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