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農村を活性化させる為には?

農村の後継者はこうして育つ②

引き続き農文協の主張リンクより転載します。
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60代は「若い衆」、70代が「壮年部」、80代からようやく「高齢者」
 1月号「主張」では、直売所は「むらの財産を守り継承する農業」を実践する集落営農=新しい「社会的共同経営体」との連携、そして地域の商店街との連携というふたつの新しい連携によって「地元に雇用、仕事を増やす。こうして、(中略)田舎暮らし志向の若者が活躍する場、都市で暮らす地元出身者がもどれるような仕事、地域産業を興す。『地域の再生』の中心的な課題がここにある」と述べた。
 その課題を実現しつつある直売所の典型例として、農文協刊『季刊地域』2月号(8号)の特集「後継者が育つ農産物直売所」で紹介した、長野県伊那市の「産直市場グリーンファーム」の取り組みをみてみよう。
 グリーンファームは1994年、60戸の農家が参加し、わずか800万円で建設した200坪の売り場からスタートした。創立から18年の今年、登録出荷会員は2150名で年間売上は約10億円。1000万円以上売り上げる農家は2、3人で、大半は100万~200万円である。多くは兼業農家だが、後述するように、農地をまったく持っていない「出荷者」もいる。職員数は60名でうちパートは5名。まさに地元に雇用、仕事を増やす直売所だ。
 現在は400坪となった売り場、3300坪の敷地は、もともと代表取締役会長である小林史麿さん(70歳)の叔父さんの耕作放棄されかけていた畑だった。「ここは農村だぞ、誰が買うんだ」の言葉通り、急勾配の河岸段丘を市街地から4km登った人家のまったくない土地で、あるスーパーのコンサルタントは「絶対に失敗する。やめておいたほうがいい」と断言した。そこにいま、年間56万人のお客がやってくる。その集客の秘訣はぜひ『季刊地域』をご一読いただきたいが、ここではグリーンファームの代替わり=後継者育成の仕組みに注目したい。
 小林会長はこう述べている。
「グリーンファームは創業時の生産者の平均年齢70歳でスタートし、それから18年が経過した。当然高齢化は進み、平均88歳の域に達しているのではと思いきや、今も相変わらず平均年齢70歳だ。これはこの18年間、生産者の数が飛躍的に増加したことにもよるが、生産者をつぎつぎ更新してきたからだ。新たに加わる生産者が、直売所就農人口の平均年齢を引き下げる役割を果たしている」
 たとえば実績主義の流通最前線の会社で定年を迎えた横田千秋さん(68歳)。伊那市出身の妻の実家の近くに家を新築、自然豊かな信州で「悠々自適」の生活を夢見て東京から転居してきた。だが、友人も知人も、地域とのつながりもない。何もすることがない。そのうち妻の実家の野菜づくりに少しずつ手を出し、グリーンファームへの出荷を手伝うようになった。義父母は80歳を過ぎているというのに毎日楽しそう。農作業も、軽トラックで出荷に行くのもつねに夫婦同伴。晴れた日は野に出て、雨が降れば納屋でわら仕事。いやになれば近所の高齢者を集めてお茶を飲む。これこそまさに悠々自適ではないか。
 まもなく義父が急病で他界。約10aの農地を相続することになった。今度は手伝いではない。3年間ほどのお手伝い農業から、自身の農業へ。グリーンファームでは新たな知人やつながりもでき、近所の耕作放棄地を新たに借り受け、耕作面積は30aに。農業所得も当初目標の100万円を超え、150万円となった。
「64歳で年金を満額受け取るまでは兼業農家」と、定年後も長野県土地開発公社の嘱託職員をしている中村初治さん(62歳)は、年金プラス100万円の直売所農業をめざす。一昨年、86歳で亡くなった父親の榮市さんは林産物の直売が得意だった。とくに庭木として需要の高いイチイの苗木の出荷は大きかった。秋にキノコ採りのかたわら実生のイチイの幼木のなかから、4、5年生くらいの素性のよい幼木を見つけて自宅に運ぶ。2年も畑に植えておけば、グリーンファームの苗木売り場で1000円くらいにはなる。特別手間暇をかけずに数千本のよい苗木を販売してきた。初治さんが榮市さんから引き継いだ苗木はまだ数百本はあるという。
 グリーンファーム生産者の会の役員で、「出荷するものがないときにも顔を出す」という竹松駒太郎さん(81歳)は、残念ながら昨年、体調を崩した。息子の慶一郎さん(52歳)は工務店に勤める大工だが、昨今は工務店の仕事も少なく経営もきびしい。この際工務店を辞め、大工仕事と直売所農業で生計を立てようとグリーンファームに参入。約1haの田畑でコンニャク、サトイモ、ネギ、ウコンなどを栽培して出荷している。社長の愚痴を聞きながら働いていたときより面白い。週1回現金精算のグリーンファームは「宝の山」だと手応えを感じ、生産者の会の役員会には父親の代理で参加している。
 ここグリーンファームでは、60代は「青年」「若い衆」、70代は「壮年部」、80代からようやく「高齢者」と呼ばれているのだ。
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続く



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