FC2ブログ

農村を活性化させる為には?

みずほの村市場3~品質競争原理を導入する様々なルール、消費者会員制度

「みずほ」では、価格競争は農家をつぶすことになるとはっきり自覚し、これを封じる仕組み、そして商品の品質競争を促す仕組みを独自に導入している。
このように「組織的な生産計画と作付け計画」「本物を生産する品質・安全管理」「品質競争原理を導入する様々なルール」等を通じて生産者を強固に組織化してきたことではじめて、消費者との信頼関係を構築し会員の組織化にも成功したと言えるだろう。

【みずほ20年の歩み-農業の新しい時代を切り拓く-】(2010年11月 株式会社農業法人みずほ)より抜粋して紹介する。
―――――――――――――――――――――――――――
■品質競争原理を導入する様々なルール
最近になり乱立している多くの直売所は、商品の品質競争ではなく価格競争に陥りがちなため、流通経費が抑えられるにもかかわらず、生産者の手取りが市場出荷とあまり変わらない事態を招いているようである。農家は、単価が安い農産物をつくるためにコスト削減を余儀なくされ、それが農産物の品質低下を招いている。品質が悪くなると商品が売れなくなるので、さらに価格を下げて他者との競争に勝とうとする。何としてもこの悪循環から抜け出さない限り、農家は自分で自分の首を絞め続けるのである。「農産物は価格ではなく品質で勝負してこそ消費者の信頼が得られる」と考える「みずほ」では、生産者(農業経営者)間に品質競争を促す3つのルールを設けている。

第一に、安売り競争を防止するために、設立当初より決められていたルールとして、「既に販売されている品目に後から参入する場合、既存のものより安い値段をつけてはならない」というものがある。自立した農業経営者になるには、「再生産可能な値段を生産者自身がつけるべきである」という考えのもとで、新規参入者が価格破壊を起こすのを抑制するという効果がある。再生産可能な価格を維持できれば、能力以上の大量生産や過剰なコスト削減の必要がなくなり、安売りによって引き起こされる品質低下の可能性は低くなる。また、価格に見合わない品質の商品は消費者から選ばれないので、生産者は自分でつけた値段に最後まで責任を持つことになる。このようにすることにより、いやでも品質向上に努めざるを得ないのである。

第二に、1998年に制定された「権利金、反則金及び報奨金制度」がある。生産者は、年間の販売期間に応じて毎年権利金を納めなければならない。通年販売であれば30万円を年初に支払い、年度末に返還される仕組みである。農業経営者が自分の商品に責任と自覚を持つために取り入れられた制度であり、権利金を支払ってでも「『みずほ』で販売したい」という決意と、それだけ自分の商品に自信や責任を持った生産者でないと「みずほ」への参入は難しいということである。また、この権利金を元にして最低売上額と売上目標額を算出する。この権利金には、生産者の売上げが最低売上額に達しない場合には、不足分の15%を反則金として支払い、売上目標額に達した場合には、超過分の15%を報奨金として受け取るというルールが付属している。このような明確な目標があると、生産者は、目標の達成に向けて経営面、技術面ともに様々な戦略を練り、最大限の努力をすることが期待される。この制度の導入により、多くの生産者は、その売上げを大幅にアップさせることになった。

第三に、2000年に制定された「商品管理ペナルティー制度」がある。この制度の目的は、品質に問題のある商品が消費者の手に渡ることを未然に防ぐことにより、生産者と店を守ることにある。その具体的な方法は、商品として相応しくないものの自主回収が生産者に義務付けられていることである。商品として相応しくないものとは、売れ残って明らかに鮮度が落ちた商品などであり、実際にはこれが大部分を占める。「みずほ」は高品質の農産物を置くことで消費者の支持を得ているため、これに相応しくない商品は店に置くことができない。
店のスタッフがそのような品に気づいて回収した場合、生産者は検品ができなかったということで、ペナルティーが課せられる。その時のペナルティーは、自ら出荷したにもかかわらず、販売価格で自ら商品を買い取らなければならないというものである。このペナルティーがあることによって、誰が見ても相応しいと思える品質のもの以外は店に置かないよう、生産者は商品の状態に細心の注意を払うようになった。この制度により、生産者の品質管理の意識が高まり、クレームの減少につながった。



■消費者会員制度
「みずほ」は「消費者との信頼関係を築くためには、消費者に対して公平に接しなければならない」と考えている。顔見知りの客には値引きして販売するなど、一部の消費者を特別扱いした接客を避けるため、消費者会員制度を導入し、会員になった消費者には公平なサービスを提供している。

年会費1,000円を支払った消費者にポイントカードを発行している。買い物の際、購入金額の1割をポイントとして加算し、1,000ポイントたまると1,000円の値引きが受けられる仕組みである。また、会員に向け年3回のイベント情報や販売スケジュールなどを載せたダイレクトメールを発送している。販売額の約6割を消費者会員の売上げによっているため、非常に効率の良い宣伝効果が期待できる。
消費者のポイントカードには、一部のイベントで一般より安い会員価格を設けたり、ヒマワリや落花生、カボチャやヘチマなどの苗をプレゼントする企画を用意したり、様々な会員の特典を設けている。店と消費者双方にメリットがある仕組みになっている。

次に、消費者会員とその家族だけが参加できるイベントの「農場めぐりツアー」について紹介する。このツアーは、一回に3ヵ所の生産現場を回り、実際の生産現場を見ながら生産者の説明を聞くイベントである。毎回、農業や食に高い関心を持つ会員が参加しているので、参加者から積極的に質問が出て、生産者との対話になることも多い。「農場めぐりツアー」は、もともと消費者モニター会において、消費者モニターに農業や生産者の実態についてより深く知って貰うために生産現場を回ったのが始まりであった。

実際にツアーに参加してみた感想を聞くと、「農家の人の話から、自分達やお客が納得できないものは『みずほ』には出せないというプライドが感じられ、価格が高い理由が納得できた」、「安全・安心な食材であることが理解できた」、「農家の方と接して、苦労の多いこと、大変なことを痛感した。野菜や果物に対する見方が変わり、食べ物を大切にする気持ち、感謝の気持ちを持つようになった」などの声が返ってきた。現場を見て農家からじかに話を聞くことで、農業や「みずほ」の方針に対する理解が深まり、農産物への愛着や農家に対する信頼も生まれてくる。自然の中で命を育てる農業という仕事に対して「畏敬の念を抱くことすらある」ということである。「農場めぐりツアー」は、消費者の理解と信頼を得る良い機会として、今後も開催していきたいイベントの一つになっている。
―――――――――――――――――――――――――――



岩井裕介 
スポンサーサイト





にほんブログ村 企業ブログ 農業へ

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://gensenkeijiban4.blog.fc2.com/tb.php/497-17663b3d
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)