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農村を活性化させる為には?

日本の農業が、世界で勝つためのヒント

農協を核とした地域完結型から、広域連携する農家の登場や、企業と連携し、生産から販売まで一貫した独自のモデルを構築しようとしているなど、日本の農業は今、大きな転換期を迎えている。

東洋経済ONLINE
『日本の農業が、世界で勝つためのヒント』
(リンク)より転載。

茨城県龍ケ崎市でコメを作る横田農場の横田修一社長。その耕作面積は、昨年もまた約15ヘクタール増えた。高齢化した周辺の農家が、横田社長に農地の耕作を依頼するためだ。こうして増えた耕作面積は、今や東京ドーム約22個分の103ヘクタール。横田社長は「今年はさらに7ヘクタール増える」と言う。

横田農場ではこの広大な田んぼを社員8人で耕作する。その際使う機械はコンバイン、田植機がわずか1台ずつ。コシヒカリだけでなく、収穫時期が少しずつ異なる6品種のコメを栽培し、繁忙期の作業を分散させる。ITを活用し、各圃場の水温や水位、特徴、生育情報などを一括管理する。その結果、横田農場の生産コストは、全国平均の半分以下に抑えられている。

政府も今後、担い手への農地集約を後押しする。ただ、横田社長は単に大規模化すればいいという風潮に警鐘を鳴らす。栽培技術、IT、そして機械の効率利用……。生産場所や要員体制に合わせ、複数の技術を組み合わせることが必要だという。

龍ケ崎市は都心から近いこともあり、後継者のいる農家がほとんどない。「同級生の中で農家になったのは僕一人だけ」。横田社長は今後も耕作依頼が増えると予想している。「300ヘクタールになっても対応可能な体制を作る」ことが、次の目標だ。

■成長へのキーワードは「海外」と「連携」
農家の平均年齢が66.2歳、耕作放棄地は滋賀県の面積に匹敵する──。マクロで見れば、日本の農業の現状は厳しい。だがその一方で、横田社長のように、高い競争力を持つ農家が増えているのもまた事実だ。

安倍政権は医療や介護などと並び、農業を成長分野に位置づける。農地の規模拡大や、生産から加工、販売まで手掛ける6次産業化の推進などにより、農業所得を10年後に倍増させる青写真を描く。

農業を成長させるには何が必要か。第1のキーワードは、「海外」だ。農産物の国内市場は1990年代をピークに縮小している。一方で世界の食市場は拡大が続き、特にアジア市場は2020年までに3倍に膨らむとみられている。縮む国内市場だけでは、今後の展望は開けない。

政府も農林水産物・食品の輸出額を20年までに1兆円へ倍増させる目標を掲げる。昨13年の輸出額は東日本大震災前の10年を超え、55年の調査開始以来、過去最高となる見込み。輸出推進の旗を振るジェトロの下村聡農林水産・食品部長は「海外の展示会では日本のブースが一番人気がある。日本の食品に対する潜在的ニーズは大きい」と言う。

日本から輸出するだけでなく、アジアで現地生産に踏み出す農家も出てきた。フィリピンのルソン島北部。300ヘクタールに及ぶ農地で日本式のコメの栽培が始まった。15名の現地スタッフを率いるのは、埼玉県のコメ農家、ヤマザキライスの山崎能央社長だ。

山崎社長は就農14年。埼玉県で約70ヘクタールの田んぼを耕す。昨年法人化し、国内では事業を軌道に乗せた。次の焦点はアジアだ。

フィリピンで紹介された農地は、当初コメがまったく取れないといわれていた場所だった。だが、現場に赴いた山崎社長は、周辺の水や雑草を見て、30秒で「取れる」。問題は苗の植え方だった。東南アジアでは苗をできるだけ多く植えようとする。それに対し、日本式はある程度間引いて、苗が本来持つ、自ら伸びる力を引き出す。栽培したのは現地の品種だったが、当初思ったとおりの収穫高を確保できた。

山崎社長の元には、現地の農家から「自分の農地を耕してほしい」という要望が引きも切らない。「フィリピンでも農家は儲からないと思われている。だが日本式の技術を持ち込めば、十分にやっていける」(山崎社長)。今後軌道に乗れば、ジャポニカ米の生産を始め、上海や香港などへの輸出も視野に入れる。世界の穀倉地帯としても注目される東南アジア。ここで日本の技術を生かす余地は大きい。

成長に向けたもう一つのキーワードが「連携」だ。有力農家の間で、農協を核にした地域完結型農業から脱し、広域連携を図る動きが加速している。今後TPP(環太平洋経済連携協定)が締結されれば、海外の安い農産物がさらに増える。TPP時代を見据えれば、日本の農業も本格的にコストダウンを追求しなければ生き残っていけない。

農家同士だけではない。すでに1200社以上の企業が農業への参入を果たしており、最近では企業と有力農家との連携が目立っている。

写真を拡大山梨県でトマトなどを栽培するサラダボウル。同社は今春、北杜市でオランダ式のトマトハウスの建設を始める。ハウスの面積は約3ヘクタール。三井物産などと組み、約10億円の資金を調達する。

農業大国として知られるオランダでは、同じ面積から日本の8倍ものトマトを収穫する。高い単収(単位当たりの収量)はなぜ可能なのか、労務管理はどうしているのか……。狙いはそれらを学び、ほかの一般のハウス栽培に応用することだ。
サラダボウルの田中進社長(42)は、こうした世界先端の生産技術を取り入れながら、企業とも連携し、生産から販売まで一貫した独自のモデルを構築しようとしている。「将来はグループで50ヘクタール程度の農地を手掛けたい」(田中社長)。

農業は今、間違いなく大きな転換期を迎えている。そして、すでに農家は動き出している。強い農業を作るヒントは必ず見つかるはずだ。

(週刊東洋経済2014年2月8日号)



永峰正規
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