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農村を活性化させる為には?

【直売所】生産者の主体性・追求力を引き出し、多種多様な高品質農産物が並ぶ都内一位の直売所

連日、お客さんが詰め寄る人気直売所。あらゆる商品が隙間無く並ぶ中、あっという間に商品が売り切れるそう。その人気の要因は、小規模な農地をうまく活かして、輪作により多種多様な農産物を生産・販売する土地に根ざした生産方法。そして、商品・量・価格はすべて生産者の自主性にゆだねつつ、消費者の声をしっかり生産者に伝え、品質向上を図っています。
生産者の主体性・追求力が、直売所の魅力の源泉。さらに、その吸引力が新規就農者を生み出す、地域再生の力にもなっています。

新鮮な生産物とお客さんの活気があふれる「地元の直売所」リンク参照
■地の利を活かした輪作の野菜づくり
 こうして誕生した「秋川ファーマーズセンター」には現在、120人の生産者が登録し、このうち30~40人が1年を通して、ほぼ毎日、四季折々の野菜を直売所に出している。
 
多彩な品揃えを支えると同時に、栽培方法にもプラスの影響をもたらした。「このあたりはもともと、小さな農家が多いので小回りがきくのです。常設の直売所ができたことで、いろいろな種類の野菜をつくって出す。出せば、売れる。売り上げが伸びるにつれて、昔の農家でやっていたような栽培方法に帰ったのです」と、谷澤さん。

 一昔前まではどこの農家でも、家族の食卓を満たすために四季折々の野菜を小量ずつ畑につくり、1年間の食糧の大部分を自給していた。秋川ファーマーズセンターの生産者は、そんな昔ながらの「輪作」の方法を継承して、多種類の作物を組み合わせて野菜をつくっていると、谷澤さんはいうのである。

 輪作を行うことで、連作による障害を防ぐことができ、結果として、農薬の使用量を減らすことにもつながる。多種類の野菜を組み合わせてつくることが、安全・安心の野菜づくりとも結びついているのである。

■生産者と消費者を結ぶ食の提案
 輪作の知恵を駆使して、年間80種類、四季を通して、毎日50~60種類の新鮮な季節の野菜が並ぶという強みのほかに、スーパーなどでは敬遠されるような野菜が、積極的に販売されていることも、秋川ファーマーズセンターの大きな強みだ。生産者からの提案ともいえる変り種野菜もとても歓迎してくれるお客さんがいる。

 直売所の固定客ともいえる地元のお客さんは、購入した野菜がおいしいいと生産者の名前を憶えてくれる。そして、「あの人の野菜はおいしい」と口コミで評判が広がる。この日の朝、開店直後に売り切れとなったIさんのフルーツ系トマトも、評判が評判を呼んで人気となったのだそうだ。だから、もし不出来なものを出すと評判が落ちてしまうから、生産者は競争して、いいものを出すための努力を絶やさない。

■売り上げは生産者の創意と工夫しだい
 秋川ファーマーズセンターに並んでいるすべての農作物は、パッケージのラベルに値段とともに、生産者の名前と生産者番号が記されたシールが貼ってある。また、店内の壁の一角には生産者の顔写真が掲げられていて、その横には、生産者番号から検索するタッチパネルが設置されている。「この野菜はどんな生産者がつくったのだろう」と、関心をもったお客さんにが検索すれば、ひとりひとりの生産者の農業にかける思い、得意とする野菜の種類などを見ることができ、消費者と生産者の信頼関係をむすぶツールとなっている。

 「ここに直売所を開いて15年。私たち生産者は地元のお客さんに教育してもらって、ここまで続けることができた。だからこれからも、ウソいつわりのない正直な仕事をしていかなければならなりません」

 谷澤さんは続けて、「直売所での販売を中心にした農業は、生産者自身の創意と工夫につきます。お客さんからお金をいただくのだから、生産者は技術を向上させ見聞を広めながら、常に一定レベルのものを出そうとがんばっています」と語る。

■年間販売額、都内で1位
 秋川ファーマーズセンターの成長は、データでも裏付けることができる。JA東京中央会の資料によると、都内には島しょを含めて42ヵ所の農作物直売所がある。平成18(2006)年度の数字を見ると、秋川ファーマーズセンターは1日あたりの野菜等の出荷数は他2ヵ所と並んで1位、年間販売総額は2位の直売所を大きく引き離して、5億2千万円で1位。

 販売総額のうち、登録生産者120人による農作物の販売額は3億1千万円で、これも1位。生産者1人あたり平均の年間販売額も1位で、262万円となる。

 「120人の登録生産者のうち、年間1千万円前後を売り上げる農家さんが10人くらいはいます」と語るのは、JAあきがわの職員で、直売所・センター長の平野淳さん。秋川ファーマーズセンターの運営にあたっているJAあきがわは、意欲ある生産者の活躍をバックアップしている。

■品質管理、品質向上に手を抜かない
 秋川ファーマーズセンターの生産者とJAあきがわは協力して、安全安心の野菜づくりのための品質管理と品質向上に取り組んでいる。
 直売所の運営システムは、生産者は自分がつくった野菜に、市況を見ながら自分で値段をつけ、朝7時30分から開店時間前までに搬入し、売れ残ったものは閉店後に引き取るというもの。生産者は売り上げの10%を販売委託料として直売所に支払うことになっている。また、野菜が傷んでいたなど、お客さんからクレームがあった場合は直売所職員が対応し、生産者に伝えられる。

 2005年4月から、作物ごとに農薬、化学肥料の使用回数・使用量などを詳細に記録する「生産日誌」をつけ、登録生産者は2、3ヶ月に1回、JAあきがわに提出することにしている。さらに今年(2008年)4月からは、これをパソコンで管理する「生産履歴管理システム」がスタートする。

 「JAの役目は販売の場所を提供し、販売のお手伝いをすることです。生産者にとてもやる気があるから、ここまで成長することができたのです」直売所は生産者がつくっていると、平野さんは強調する。(中略)

■新規に就農する人も増えている
 やりがいのある直売所に、新しい人たちも加わりはじめている。農畜産物直売コーナー運営委員会会長の谷澤さんの息子さんは、「勤め人より、農業にやりがいがある」と数年前に脱サラして就農。また、50アールの小規模な農地に、年間50種類もの野菜をつくり、売り上げを伸ばしているNさんの息子さんもいったんは他所で就職したが、故郷での農業に惹かれてもどってきた。

 「このところ、30歳前後でUターン就農する人が増え、生産者120人中、30~50歳台の人が20人以上になりました」と、谷澤さんはうれしそうだ。登録生産者のなかには、定年帰農する人も増えている。

 「農家は意欲がないといわれますが、一生懸命つくった農作物の販売手段があり、それが売れれば、やる気が出るんです。農業を続けたくなるのです。私は若いころは農業が好きでなかったが、今になって思うといい仕事ですよねえ」。ひところは耕す人がなく、荒れるにまかされた農地が目立っていた秋川地域だったが、今では年々、休耕地が少なくなっているという。

(八田尚子 フリーライター)
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橋本宏
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