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農村を活性化させる為には?

直売所の歴史と今後の展望②

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私は直売所を流通形態の一つとして見るのは間違いだと思う。その原始的直売所が地域の老人に生きがいを持たせる起爆剤になったように、直売所は常に地域との関係性抜きに存在しないし、してはならない。
地域との関係性の一つとして、直売所は地域の農産物生産構造を変える力を持っている。これまでの農協の産地づくりは単品大量生産の団地づくりを目指していたが、直売所ではこの価値観は通用しない。既に全国の直売所では実施しているところもあるが、直売所を核にした多品種少量生産に地域の生産システムを転換するのである。この転換は単に直売所向けの商品づくりを目的としていないことに注目しなければならない。現在の単品大量生産の産地づくりは、連作を強いるので農地が痩せ、その対策として化学合成の農薬や肥料を大量に使用しなければならない。更に単品産地として一定量を市場に出荷しないと商品の産地ブランド力が低下して農家収入が落ちるので、大型産地はこのジレンマから脱却できない。多品種少量生産に転換すれば、手間暇はかかるが、連作障害は無くなり、天候による被害も品目を変えた作付け変更により対処でき、地域の環境負荷低減に貢献できる。

このように直売所とは地域の農産物を販売するところではなく、名前も「直買所」として地域の環境を皆で買うところ「地域環境直買所」としたらどうかと思っている。そこに集まる人は消費者ではなく、地域の環境の持続的発展を願う人たちなのだ。

中山間地の耕作放棄地の多い地域では棚田米による差別化販売だけでなく、田んぼの生きもの調査に基づく「田んぼの健康診断」を実施することを薦めている。それは棚田米を高く買うことによって耕作放棄地を解消する方策と合わせ、地域の国土である棚田を維持管理する費用を直接支払いする「民間型の環境直接支払い」という寄附行為を直売所で展開する方策も合わせて実施すれば、幅広い支援が受けられるようになるからだ。
田んぼの健康診断とは、田んぼの生きものを環境負荷との関係でABC分類し、田んぼの健康状態を計る仕組みで今年から実施している。従来は「食の安全」という視点だけで田んぼを見ていた消費者が、「国土の健康度」という視点で田んぼを見るので、その時点で消費者から国民に転換している。この視点の転換ができれば「環境直接支払い」という税金の使い方が自分たちの住んでいる国土の保全につながることが分かり、その国土の管理者としての農家に管理料を支払うことに誰もが納得する。これは田んぼを起点とした地域の国土健康度調査であり、水田だけでなく、畑や森林や鎮守の森等の地域全体で行えば、地域全体の健康度が計れる。
直売所はこのような健康診断に基づいた地域の国土健康情報を発信し、その健康診断に参加できるような情報を提供することが大切である。

直売所は従来の流通の一つの形態ではないので、商品経済のマーケティング理論で経営をしてはいけない。道の駅の本来の目的である地域振興に貢献する拠点としての活動を展開しなければならない。
それは地域経済の発展を優先課題にするのではなく、地域の国土環境を維持発展させなければならない責任がある。国土環境のなかには民地である農地も当然含まれ、そこを起点として国土全体の健康保全を図ることこそ道の駅の存在理由であると思う。
 



TA
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