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農村を活性化させる為には?

耕作放棄地は希望の条件がすべてそろった理想的な環境1

耕作放棄地とは、「1年以上作付けされず、今後数年も作付けする考えのない土地」と定義されている。05年の調査では約38万6千ヘクタール、東京都の約1・8倍の広さが日本全体にある。
市場にでまわる商品野菜は、品質と量だけにひたすらこだわり、他の産地に負けないよう価格競争も余儀なくされる。海外産はもっと安いといわれ、渋々値下げに応じてきた。そのあげく「戦えない商品」しかつくれなくった耕地では、なにも作らないという選択をせざる得なくなった。耕作を放棄し、食べるものを外から買い、自給率を下げてきた。そうしたことが地域で暮らすコストを押し上げ、結果、地方で生きていくことを難しくしてきた。

そういった耕作放棄地を有効活用した事例を紹介する。

これまでの経済原理・市場原理からの発想を転換すれば、そこにはまったく新しい可能性が見えてくる。

GDPに現れる数値だけが経済ではない。持続可能な社会とは、お金ではなく、人々の活動と知恵と感謝のこころがささえている。

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◆耕作放棄地は希望の条件がすべてそろった理想的な環境

毎日うきうきと小型バンに乗り込み、耕作放棄地を切り拓いてつくった畑に向かう数人の若い女性たち。「耕すシェフ」と呼ばれている。
島根県邑南町が開設した、町観光協会直営のイタリアンレストランで働いている。耕作放棄地を使って農業をしながら、そこでとれた野菜を自分たちで調理して客に出す。
彼女たちは素人に近い。その一人が安達さん25歳、大学卒業後WEBデザイナーをしてきた女性だ。

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自由に使える土地がすぐ近くにある。都会の菜園は遠くて、通うこと自体大変だった。しかも都会では当然のようにとられていた結構な借り賃も、ここではかからない。あれも作りたい、これも作りたい、有機野菜がしたいという希望をいうと、教えてくれるベテラン農家を気楽に紹介してもらえる。都会の先生の授業は決まった時間だけだが、ここならば、おしえてくれる人はいくらでもいる。達人だらけの町なのだ。
さらに収穫した野菜を料理に出す場もある。目の前で味わい、感想をいってくれる人までいる。しかもお金を払って。

まじめに勉強して大学に入り、一生懸命就職活動をしても、企業の内定はほとんどもらえない。あなたのここがだめだ、魅力が足りないとこきおろされ、自信を失うことの連続だ。凄まじい倍率をくぐり抜けてやっと就職しても,待遇は必ずしもよくない。長時間勤務と、それに見合うわけでもない給料。それが当たり前の世界にずっと生きてきた。そんな別世界があるとは夢にも思わず。



◆耕作放棄地の肝は楽しむことだ

鳥取県の山間、八頭町では、進めてきた耕作放棄地の活用を巡って、興味深い議論が繰り広げられた。自分たちはもうけるためにやっているのか、楽しいからやっているのか、真剣に話し合ったのだ。

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彼らが取り組んでいるのは、ホンモロコという魚の養殖。耕作放棄地の田んぼを20cmほど堀り、用水路から水を引いて魚を育てる。
ホンモロコは、琵琶湖特産の魚で、京都の料亭では高級食材として珍重されてきた。

代々受け継いだ田んぼを荒れ放題にしていることを後ろめたく感じていた農家が、次々と養殖を始めた。参加者は年々増加、ブームはまわりの町や他県にも広がった。

そして問題が起きた。新規参入者急増による産地間競争である。ホンモロコは確かに京都にもっていくと高く売れる。しかしそれは京都周辺であり、必然、狭い市場をめぐり競争が発生し、値段が下がってしまう。
高級魚としてのブランドを維持するために、何をなすべきか、市場の拡大は図れないのか・・議論が白熱した。
そのとき長老が発した意見が次の方向性を決定づけた。

「もともと何のためにはじめたのか?」

長老はこう説いた。荒れ果てた先祖代々のデンパタを見るのは悲しいことだ。いかしきれていない土地でなにかできないか、とはじめたのが魚の養殖だ。そもそももうけようとか、採算がとれるとか考えてはじめたことではない。楽しいからしているのだ。それでいいじゃないか、争うなどもっての他だ、と。

長老には、楽しいということ以外に、もっと大切にしていることがある。それは地域を誇らしく思う気持ちだ。我らが田んぼで高級魚が育つ。それ自体が誇らしい。
みんなで集まり、おいしい食べ方をあれこれ工夫する。その味を自画自賛する。
誇らしさは、子供たちにも広がっていく。ホンモロコを給食で使うようになってから、子供が胸を張るようになった。
(続く)
 




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