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農村を活性化させる為には?

障がい者受け入れを契機に、ひとりひとりの思考が活性化して、作業効率が向上した農園

 ユニバーサル農業という聞きなれない言葉を聞いた。ネット記事によると、今まで、小数の人達の経験知に頼っていた農業に、障がい者など多様な人を巻き込むために業務の体系化・可視化したことで、売り上げが上がった事例がある。
 この事例のキモは障がい者たちが農業に関ることによって、貴重な人材が増えるだけでなく、もともといた従業員が障がい者でも働きやすい場を
作ろうと従業員さんたちが自ら思考し行動して、障がい者でも活躍できる場を作ったことにある。ダイバーシティというトップダウンの思想で障がい者を受け入れるのではなく、仲間として受け入れるといくためにみんなが考えていくことが働き易い職場・成果の出る仕事を作る上で不可欠だ。

●京丸園 リンク

静岡県浜松市にある「京丸園」。農業法人が障害者を雇用し、業務内容を見直すことで収益を上げている事例だ。

静岡県内でも有数の規模を誇る水耕栽培農園で、ミニミツバ、ミニネギ、ミニチンゲンサイなどを1年通じて栽培している。「姫みつば」「姫ねぎ」「姫ちんげん」「京丸トマト」などの自社ブランドも栽培している。

濱田健司氏(JA共催総合研究所研究員)の著書『農福連携の「里マチ」づくり』(鹿島出版会)によると、同園の取り組みのきっかけは、求人に障害者が応募してきたことだった。最初は短期間の農業体験だったという。園主の鈴木厚志氏は、「パートさんたちが彼らをサポートしてくれるという、予想もしなかったことが起き(中略)、職場の雰囲気もよくなった。その結果、作業効率が上がった」と述べている。

その後は“ビジネスパートナー”として定期的に障害者を雇用している。現在、従業員は社員・パートを合わせて60名で、うち障害者22名を直接雇用しているという。鈴木氏は「いままで自分たちがやってきた業務を一つひとつ見つめ直し、何をしているのかを体系化・可視化することで、誰でも農業に参画できるようにした」と話している。

一部の人の経験や勘に頼っていた農業を、誰にでもできる“ユニバーサル農業”に。同氏は「農園の経営を引き継いだときは、年間の売上は6500万円くらい。(中略)それから20年、障害者を1年に1人ずつ雇用してきて、売上もいまでは2億9000万円までになった」と語っている。

●京丸園の具体的な取り組み リンク
 お母さんたちとやりとりをするうちに鈴木社長は、「農業も作業分解すれば、いろいろな仕事がある。仕事を分けていけば面白いのではないか」と考えるようになりました。
 そして、お母さんたちは自分の子どもを農業者にしようと思っているのではなく、働く喜びを感じ、人からありがとうと言われるようになってもらいたい、多くはなくても対価がもらえ、1人でも生活できるようになってもらいたい、と思っていることを知ります。お母さんたちは自分が死んだ後にわが子が1人でやっていけるのかが心配で仕方がない、だからこそ何とかして働かせてやりたいと思っていたのです。
 障がい者は福祉施設に居れば、人に世話をしてもらうばかりです。しかし産業界に居れば、自分の働きが社会の何らかの役に立っていると実感できます。たとえ草1本取ることでも、ありがとうと言われて人の役に立つことは障がい者にとって意味がある。その話を聞いて鈴木社長は、障がいのある応募者を採用することを決断します。さらに障がい者と自信をもって接するために、CL(コーストラクティブリビング)インストラクターという人生を前向きに考えるカウンセリングの資格も取得しました。
 こうした準備をしましたが、障がい者を職場の中に迎えるのは、最初は怖かったと話します。本人たちがいじめられるのではないか、パートが辞めてしまうのではないかと心配だったからです。
 しかし、心配は無用でした。障がい者がいじめられるわけでもなく、パートが辞めるわけでもなく、逆に元からいたパートたちは彼らを支えてくれたのです。
 足の悪い人が後ろを通ろうとすると、椅子を引いて通路を広くする。何か取ろうとして困っていたら、代わりに取って上げる。自分のことをさしおいてでも彼らの世話をしようと、従業員が優しくなっていきました。
 農業は手作業が多い仕事です。出荷のための箱詰め作業などは、みんなで車座になって行います。そして職場が優しい雰囲気になるにつれ、手作業が早くなり作業効率が顕著に上がっていったのです。障がい者の能力は健常者に比べると決して高くはありません。しかし、例え個々人の能力が半分から3分の1しかなくても、障がい者と一緒に作業することで全体の効率が上がるのならば、経営者にとってこんないいことはありません。
 彼らと一緒に働くことで、優しい農園ができるのではないか? 目指している農場ができるのでないか? 鈴木社長は、農業は総合力であると考えるようになったのです。



横田雅彦
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