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農村を活性化させる為には?

林業の可能性

前回の投稿(325735)では林業がなぜ衰退したか調査した。
今回は林業の今後の可能性を調査する。


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林業を営む人、とくに山主や森林組合、伐採搬出などの業者と話すと、必ずと言ってよいほど、林業の現状に対する嘆きが出る。間伐が進まない、道がない、材価が下がった……そして「政府にもっと考えてもらわないと困る」「もっと補助金をつけてくれ」というところに落ち着く。
しかし、現実には作業にかかる経費の半分どころか7割8割ほどが補助金で賄われることも多く、数多くの衰退産業の中では手厚い保護が施されている方だろう。一方で需給バランスが崩れて材価が落ちたのなら地域全体で出荷調製するとか、木材市場に頼らず製材所や建築家と直取引を模索するなどの努力はほとんど行わない。
そんな状況をこの業界の素人に説明すると、たいてい驚く。そして「なぜ改革が進まないのか」という言葉が返ってくる。
そこで再び日本の林業界が陥っている自縄自縛的な問題点を説明すると、「林業は不況だと言っているけれど、実は林業家は困っていないのではないか」と言われた。
この指摘は、結構いい線を突いていると思う。そうなのだ、多くの山主や森林組合は、本当のところ困っていないのではないか、と私も思うことが多いのである。
たとえば私が、少数ではあるが各地で成功している事例……新しい施業法や販売方法を取り入れている林業家、あるいは林業界に協力しようとしている建築家やNPOの話をして、こんな手あんな手があると提案しても、一様に否定的なのだ。そして、なぜか頑固に「できない」と言い張る。それも、自分の所はこれこれの条件が合わない、何が足りない、と否定する材料を羅列する。まるで必死でできない理由を探しているかのように感じるのだ。
考えてみれば、人工林があるといっても、昔からの林業地は少なく、戦後の拡大造林で雑木林を伐ってスギやヒノキを植えたケースが多い。つまり木を植え育てて、それを伐採して販売するという育成林業の基本サイクルを一度も経験していない林業家がかなりいる。
だから本業は別にある。山林は所有するだけ。かつては林業で収入を得ていた場合も、近年は苦しくなって山を下りて町に住み勤めに出たり、商売を営むケースも増えている。林業収入を当てにすることもなくなった。別の収入源があり食べていくのに困らなければ、林業に興味がなくなるし、真剣に改革に取り組めないだろう。
また森林組合を含む素材生産(伐採搬出作業を請け負う)業者は、公共事業になれ親しんでいる。補助金に合わせて仕事をつくり、必要経費は必ずまかなえるのだから、赤字にはならない。じり貧でも、とりあえず「今は大丈夫」。問題は公共事業が減ったことであって、林業のあり方を変えねばならないと感じているわけではない。
そこに森林が危機だ、林業の構造改革が必要だ、と叫んでも声は届かないのである。改革はたいてい痛みを伴うし、試行錯誤する労力も馬鹿にならない。リスクも当然ある。とりあえず今食えているのに、あえて苦労を背負いたい人は少ないはずだ。森林組合長は名誉職になっているケースも少なくないから、任期中は無難に過ごしたいだろう。構造は変えずに、補助金を増やしてくれた方がうれしい……。
一方で木材業界も、国産材が扱いにくくなると外材に振り代えることで生き延びてきた。外材の方が流通システムが確立されているから、手間は少なくて済む。品質も量も安定している。あえて不安定な国産材を扱って悩まされる必要性を感じない。
国産材を扱う業者側も、製材品価格が下がったらその分山元価格を下げることで対応する。木を高く買ってほしい山主と利益が相反しているのだから、協力体制はなかなか組まれない。むしろ「いかに安く買いたたくか」に腐心する。
このように俯瞰すると、やっぱり「困っていない」ように思えてしまう。
かくして日本の林業界に、本気で改革に向き合おうと思う人は増えないのではないか。ときに改革に挑戦する人が出ても、むしろ足を引っ張られることが多い。警戒が先に立つようだ。政府が打ち出した製材業に改革を求めた新生産システムや、補助金制度をガラリと変えた森林・林業再生プランも、「努力」を求められるから迷惑千万。
もちろん、現場で働く人々は日給払いだったり出来高払いの場合も多く、仕事が減ったり材価が落ちると即収入に響くから大変である。また林業に専業で取り組んでいる山主もいる。彼らは真剣に「林業の衰退」に向き合っているが、残念ながら声は小さい。
ちょっと辛辣に書きすぎたか? 生長に時間のかかる樹木を対象にするだけに、慎重になる面もあるかもしれない。しかし、今のままでずっと行けるとは誰も思わないはずだ。
新しい動きは起こりつつある。林業の不振は森林環境の悪化も招く。それらを目にした川下の市民の声が高まり、川上に注文を付け始めた。自ら森林に入り作業を手伝う人々も増えている。彼らの姿は川上にも刺激になるだろう。
林業家の中にも、このままではまずいと感じる人が増えてきたようだ。今は「困っていない」でも、結果的に林業が縮小することで地域社会が崩壊しては「困る」。木材業界も、近年は外材の供給が不安定になり為替による価格変動に悩まされてきた。
今「困らない」ことに安住せず、未来が「困ったこと」になる前に改革が必要だという意識を持つことに期待する。
リンク

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林業にはまだ生き残る道がある。
しかし、当の林業関係者がその可能性を否定しては、元も子もない。

学生の頃に縁があった中山間地域の林業家は1人で林業を行っていた。
その方法は、木材の市場の動きを読み、高値で売れる木材を調査。そしてその材木のみ売りに出し、良い値がつかない木は取っておくのだという。
まさに「株」をやり取りしているようなスタイルの林業である。

やりようはまだいくらでもある。
不可能視を突破し、林業を再び日本の誇れる産業として盛り上げてほしい。



二島圭入
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