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農村を活性化させる為には?

都市農業を支えるサポーターづくり~練馬区「農の学校」

「都市で農業のお手伝い~練馬区『農の学校』」より引用
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■都市農業を支えるサポーターづくりを目指して

近年、都市部でも農地や農業の重要性が見直される中、東京・練馬区で「都市農業」に関する面白い試みが行われている。「農の学校」と呼ばれる援農サポート制度で、区民から希望者を募り、農作業に必要な知識と作業の研修を実施。所定コースを修了した受講生は「ねりま農サポーター」となり、実際に区内の農家でお手伝いをし、「都市農業」を支えようという取り組みだ。

都市農業というと、最近では都市部の生活者が手軽に農業を楽しめる「シェア畑」などが人気を集めているが、この練馬区の「農の学校」は少し系統が違う。農業サポーターを育成し、農家とマッチングするという、もう少し実業的な農業へのサポートを促すものだ。主眼に置かれているのは、あくまでも年々減り続ける都市農家へのサポート。生活者が手軽にできる農業というニュアンスとは異なるが、実はこうした取り組みが、魅力ある地域づくりには欠かせない。

今回は、地域に農地がある魅力、またその課題と対応策にどのような展開がなされているのか? 練馬区「農の学校」をもとに考えてみたい。

■23区内で最大の農地面積を誇る、練馬

練馬区は、都心部からもだいたい30分圏内という立地の魅力がありながら、23区内で最大の農地面積を誇る地域だ。区内の40%の農地をここ練馬区が占めている。実は筆者も練馬区在住歴10年近くになるが、とても住みやすい場所だと思う。郊外というほど主要ターミナル駅に遠くなく、買い物にも不便がない。にもかかわらず、周りには畑が広がり野菜の直版所も多く新鮮な野菜が手に入る。

小学生になる息子が通った保育園では、遠足という大がかりなものでもなく、日常保育の中でよく近所の畑に大根やニンジン堀りに出かけていた。大地の恵みの大切さを自然と学べる環境のように思う。

練馬区 都市農業担当部 都市農業課長事務取扱 産業経済部参事の浅井葉子氏も練馬にまだ多くの農家が頑張ってくれている魅力を次のように説明する。

「住宅地の中で農業を営まれている方は、農作物の“安全”に気を使われ、それが魅力でもあります。農地があるということは、ヒートアイランドの緩和や防災機能にも役立つほか、子どもたちにとってもさまざまな農のレクリエーションを通じた情操教育や食育にもつながります。都市部の農業地というのは、単に野菜ができること以上にさまざまな意味合いを持っているのです」

■農家×サポーターの個別マッチングが魅力

「農の学校」は、開校2年目とまだ始まったばかりの取り組みではあるが、受講希望者が殺到している状況だ。

各コース定員15人ほどの少数精鋭だが、初級コースの倍率は、今年2.5倍となり、初年度はなんと5倍を記録したという。受講生の年齢層は、50代を中心に、下は30代から上は60代とさまざまだ。「もちろん農業に関心のある人ばかりですが、地域へのサポートという意識の強い方が多い」と浅井氏は受講生の印象を語る。

その結果、現在では25人の「ねりま農サポーター」が誕生し、うち19人は実際に農家のお手伝いに従事している。実は援農サポーター制度を取り入れる自治体は他にもあるのだが、なかなか実際に農家のお手伝いにつなげるのは難しいものだそうだ。そこで農の学校では、サポーターと農家とのマッチングにも力を入れているという。

「農サポーターの方には、実際に農家での体験を何度か行い、双方の意向に沿えるよう時間をかけて個別マッチングをしています。現在のところ、農家側、サポーター側どちらからも評価をいただいています。今後は、もう少しマッチング率を向上させるとともに、農家さん側のニーズにきめ細やかに応えていけるようにしたいと考えています」(浅井氏)

■都市農業を守ることは、そこに住む人の豊かな生活を守ること

農の学校では、農サポーターを育成する3コースのほかに、年2回ほど子どもたちを含めたファミリー対象の「農とのふれあい・体験コース」も実施している。これは、4日程度の休日を利用して行われるコースで、野菜の作付けや収穫体験を通して、農とふれあう楽しさを学ぶものだ。

また練馬区では、農の学校以外にも「江戸東京野菜栽培講座」や「練馬大根引っこ抜き競技大会」など農の魅力を伝える講座やイベントも多い。さらに2007年からは、観光型農業推進事業として観光農園の開設に係る支援や、PRにも力を入れている。区内に31園にまで増えたブルーベリー園は、収穫時期になると区内はもちろんのこと、埼玉や神奈川からもブルーベリー狩りを楽しむファミリーで賑わう。筆者も子どもや親戚を連れて出かけるが、「区内で手軽にブルーベリー狩りができるなんて!」と喜ばれる。

このほかにも、最近では練馬の新鮮な野菜を提供してくれるレストランも増えてきた。練馬産の野菜やその加工品を販売する「ねりマルシェ」では、区内の若手農家を中心に珍しい野菜も目につくようになってきた。

利便性の高い都市の中に農地があること。これは、地域に住む者にとって大きな魅力がある。しかしこのままでは、宅地化が進みその環境も失われていくだろう。「農の学校」という取り組みは、農家のサポートが第一義にされているように思えるが、巡り巡って地域全体、地域に住む一人ひとりの豊かな暮らしを守るための施策なのではないだろうか。




根木貴大
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