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農村を活性化させる為には?

激変気象に対応できる稲つくり(1)~炭水化物利用への期待~

気候が激甚化する傾向がある中、2018年8月9日に「お米の勉強会」の「田んぼ宿泊研修会」で、【激変気象に対応できる稲つくり】についての講演がありました。お米づくりに於いては農閑期の年初に当り、2019年の米作りを考える参考になればと思い紹介します。
       
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■テーマ【激変気象に対応できる稲つくり】
講師:佐々木茂安氏〔佐々木農業研究会代表〕
記録:お米の勉強会・中井女史

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1.炭水化物とは

栄養学上は、炭水化物は糖質と食物繊維の総称として扱われており消化酵素では分解できずエネルギー源になりにくい食物繊維を除いたものを糖質と呼んでいる。
炭水化物を分子量で分類すると、

低分子量:単糖類・ブドウ糖・蔗糖
中間  :オリゴ糖
多糖類 :セルロース・リグニン

稲の構造物の素材も、炭水化物だということが、重要視されていない。

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2.炭水化物とタンパク質の関係(1)

炭水化物+チッソでタンパク質。炭水化物とタンパク質は表裏一体。チッソ施用の効果は、一定水準までは、増収するものの、その後の過剰施用は停滞か減収に転ずる。
同じ炭素量の時に、+チッソで炭水化物が消化され減る。

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3.炭水化物とタンパク質の関係(2)

炭水化物とタンパク質は、縦糸(炭水化物)と横糸(タンパク質)の関係に例えられる。同じタンパク量でも、炭水化物が多いと太く丈が短い。一方、同じ炭素量で、タンパクが多いと茎は細く丈が長くなる。茎が細いと、水分や養分を送るホースの径が細いことと同じで、収量や品質が悪くなる。太いと生産量がアップ。(勿論、微量要素は過不足なく必要というのが、共通認識です)

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4.炭水化物利用への期待(1)

水稲の有機栽培で普段思うこと。
稲の栽培は、本来お米を収穫することを目的としている。一方有機栽培の研修会では、雑草の抑草に関することが非常に多い。いつしか、有機栽培は、雑草を抑える事が主目的になっている。

慣行の稲の栽培では、除草剤の効果(ほぼ20日~1カ月間)が切れているにもかかわらず、中干し以降は、あまり雑草が増えてこない。
抑草技術で、稲も影響を受けて生育が不良になる。
抑草資材や動植物利用の結果、土が肥沃になる。
そして雑草の多いほ場になっていく。
⇒稲の活力だけでも雑草は抑えられるシステムがある

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5.炭水化物利用への期待(2)

有機栽培の抑草の考え方:
米糠除草や機械除草は、ほぼ農薬使用と同じ考え方。

新しい除草剤未使用の考え方:
田植え20日後の姿を確保(する期間の短縮移植20日間)を考える。

●植え痛み⇒丈夫な苗を確保する。
●土壌還元害⇒植え干しなど早期落水による土中の酸素を確保する。
●成苗等による発生茎数減少(ポット栽培等)⇒若い苗を植える。
●老化・徒長苗(いもち病の発生)⇒徒長しにくい育苗方法を用いる。
●過剰な土つくり⇒適正地力に戻す。
         稲が吸う以上の養分があると、雑草が増える。
         必要以上に肥沃にしない。

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6.炭水化物利用への期待(3)

発芽の時は、胚乳から炭水化物は供給される。葉が出てくると光合成由来の炭水化物。田植え後、根切り、活着で糖を消耗、炭水化物がドスンと減少。茎のところの炭水化物が減るといわれている。
糖や有機酸を施用すると、回復して立ち上がりも早く茎も太い。

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7.炭水化物利用への期待(4)

従来は、資材供給により、炭水化物の生産効率を上げることに重点が置かれた。
⇒炭水化物の直接供給で、
 苗での供給は、姿勢、茎径の改善。
 生育途中での供給は、姿勢改善、光合成の活性化。
 登熟期での供給は、登熟アシスト、光合成支援、発根促進。

 供給形態を考える
●有機酸━吸収が早い。付着しにくい。
●糖蜜━吸収が遅い。濃度障害おきる。
●増粘多糖類━吸収が遅い。付着しやすい。
(1)実例
   チッソを与えた細い苗
   炭水化物を与えた太い苗
(2)実例
   糖蜜の葉面散布1箱当たり3回
   苗箱1000枚1kg
   苗箱1枚1g
   幼齢の割に、短く太い苗
(3)籾枯細菌病を有機酸で抑えた実例

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8.炭水化物利用への期待(5)

炭水化物供給の形は色々。
糖や有機酸等の資材からの供給の他に、冬作でナタネ、チャガラシ、ソルゴなどの栽培で土壌の炭水化物を増産。稲わら分解物。

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9.質問は、炭水化物の与え方に集中。その回答。

●食酢は、4%なので、原液でも枯れない。
 しかし根にかかると、葉も白くなり枯れる。
●食酢は、有機JAS適用されるので、大丈夫。
●糖は砂糖水でも良い。分子量が小さいとカビ易い。
 分子量の大きい方がカビにくい。
●葉面散布での糖蜜は20倍以上に希釈しないと、濃度障害がおこる。
 50倍希釈でもすぐに乾くと濃度障害が、起きるので夕方に散布
 した方が良い。
●播種の時に苗箱にPHが高く薄い酢水をやれば、
 土と中和するから、大丈夫。
●プール育苗に、外から流し込んでも、濃度の高いところと薄いところ
 が出来る。タンクに適正濃度で作って置き、プールの下にホースを突
 っ込み、奥から手前に引きながら流し込めば良いのでは?

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連絡先
〒523-0075
滋賀県近江八幡市野村町1446番地
佐々木農業研究会 
代表 佐々木茂安
E-mail:info@sasakinouken.com
(090-9167-3547)
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「お米の勉強会」会報(2018年10回通算545回)より転載




小圷敏文
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